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リトルストーリー
2017.06.21

NAOT A to Z -W:わたし-


 
 
『わたしはアイリス。
 
あの子がわたしと出会ってからもう3年になるわね。
 
あの子は小さな家に住んでたから、玄関もとっても狭くて、
 
でもしばらくはわたしひとりしかいなかったから、小さな玄関も広く感じてたわ。
 
あの子、とってもおっちょこちょいだから、
 
わたしを履いて出掛けたかと思いきや、またすぐに忘れ物を取りにいったり、
 
そのたびに、らんぼうにわたしを脱いだりするけれど、
すかさずまたわたしを履いて走っていくの。
 
いざというときには必ずわたしを選んでくれる。だからわたしも付き合ってあげるの。
 
あの子、わたしがいないと困っちゃうんじゃない?うふふ』
 
 

IRIS Crazy Horse
 
 
『わたし、オルガ。
 
わたしって可愛いでしょ?どの角度からみても可愛いって、よく言われるわ。
 
あの子もみかけによらず、ワンピースが好きなんていう女の子っぽい所もあるから
 
そんなときはわたしとお出かけしてくれるの。
 
あの子ったら、よくぼんやりしてるのね。
 
ある日なんて、信号を待っているとき、わたしをみつめてうっとりしてるもんだから
うっかり青信号を逃しちゃたりしてるのよ?本っ当どんくさい。
 
それでも「ま、いっか」なんて言いながらご機嫌に過ごしているわ。
 
それにしても、私の可愛さって、ときどき罪よね』
 
 

OLGA Matt Black
 
 
『わたし、チ。
 
わたしはあまり多くを語りたくないわ。
 
だって、みれば分かるでしょ?わたしの魅力。
 
あの子との付き合いはまだ1年ぐらいだけど、
 
すっかりわたしの虜になってるみたい。冬が楽しみになったって』
 
 

 

 

CHI Black Pearl
 
 
『わたし、シシリア。
 
ここ最近わたしの出番が多くて大忙し!
 
あの子、お休みの日にはオルガさんと一緒によくワンピースを着てお出かけしてるけど
 
お仕事中はわたしやアイリスさんに頼りっぱなしよ?
 
「ワンピース好き〜」なんて女の子アピールしてるけど、
 
普段の格好は断然男の子っぽくて、ダボッとしたズボンばかり履いてんのよ。
 
そんなときにわたしが良い仕事してるってわけ。
 
ま、少しは女らしく、たまにはつま先の色で遊ぶってのもいいんじゃない?』
 
 


CECILIA Matt Black 
 
 
『わたし、チャーム。
 
気合いを入れたいときにわたしと出掛けたいみたい。
 
背伸びしたい気持ち、わたしはしっかり支えてあげるわよ。
 
背筋がのびると、景色も少し変わるでしょ?
あの子も「少し大人になった気分」なんて子供みたいなこと言ってたっけ。
いいかげんな大人なんだから。
でも「大人の女性」って何歳になっても憧れるわよね。
 
それにしても最近あの子、わたしを履くとき、なんだかルンルンしてるのよね〜。
(あれ、恋でもしてるのかしら?)』
 
 


CHARM Black
 
 
一日って長いし、靴と一緒にいる時間って案外長い。
もしかして、家族よりもともだちよりも一緒にいる時間が長いのかも。
 
シワも丸みも、まるで私の分身のような、私の靴たち。
私に似て、余計なことをたくさん言う靴たちだ。
 
これからもよろしく、私のわたし。
 
 
森ちゃん
  (森)


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