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リトルストーリー
2017.09.29

グランマの思い出を着る。



 
写真

私がうんと小さい頃、母は練り香水を持っていた。
フランスの蚤の市で手に入れたらしい。
少し癖のある、まったりとした大人の香り。
時が経って、私が一人暮らしをはじめたら、母が古いニットを一枚くれた。
変わった編み目がいいなと思って、デートに着て行くことにした。
すっと頭をくぐらせると、忘れてた異国の香りでいっぱいになる。

子供の私が現れて、「どこに行くの?」と聞いてくる。
 




 
 
・・・
 
 

 


祖父の家へ行くと、冬はとても寒い。
私が「寒い」と訴えると、祖父は「これを着なさい」と
部屋の奥からいつもこのニットを出してくれる。
「全然サイズ合わないんだけど〜」と毎回文句を行っちゃう私、
でも実はこれを着るのが大好きで。「昔着てたんだよ」と語る祖父、
今は少し痩せちゃったけど、今も祖父はこのニットのように大きくて、あったかい。



 
 
・・・
 
 

 

祖母はポケットが好きだった。
自分で縫った服はもちろん、お店で買った服にも、自作のポケットをつけていた。
安い服にも、高い服にも、祖母の服には、すべてにポケットがついていた。
脇腹のあたりのポケットは確かに便利。
でも胸元のすごく小さいポケットには、何をいれたらいいのだろう。
わからないながらに、そっと人差し指をいれてみる。
「必要ではないけど、居心地がいい」。人差し指が言っている。



 
 
・・・
 
 

 


古いアルバムをみていると、若き日の母がときどき着ている青いコート。
それを着ているときの母はいつもよりキレイにみえて、
小さい頃、母の部屋からこっそり拝借し、そでを通しているのが見つかっては
「あんたには未だ早いわよ」と笑われていた。
いまは私のクローゼットにやってきた青いコート。
私も母のように似合う女性になっているかしら。


 
 
— 思い出の服との靴 —
TRENDY Violet
DANIELA Walnut
SCALLOP Chestnut
CHI Black Pearl
 


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