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リトルストーリー
2017.11.21

Humming NAOT vol.1

 

 
靴を履いて、旅に出る。
旅先だから、聴きたい音楽がある。
 
今日から、NAOT × MUSIC の新連載がスタートします!
 
「旅で聴きたい曲」をテーマに、音楽関係者がおすすめの4曲をセレクト。
あの人は、どこにどんな音楽を連れていくのでしょう?
 
連載のトップバッターを飾る第一回目のゲストは、作家で作詞家の高橋久美子さん。
チャットモンチーで活動されていた時の楽曲「8cmのピンヒール」や「親知らず」に心の柔らかいところを掴まれた人も多いはず。チャットモンチー脱退後も、他のアーティストへの作詞提供や本の執筆など、言葉と真摯に向き合う活動を続けてらっしゃいます。
そんな高橋さんが「旅で聴きたい曲」とは?
 
さあ、旅に出かけましょう!
 
 

 


artist: andymori
title: インジャーニー
album: 2012年 『

 
タイの熱帯。南に向かう電車の中、夕暮れを見ながら一緒に「旅にでよう」「旅にでよう」と歌いたくなる。
この曲は、あの大きな太陽と窓を開け放った蒸し暑い車内がぴったりだ。「何きいているの?」「日本の歌だよ」と会話になったりして。
音楽はどこまでも飛んでいける旅人みたいなものだと思う。

 
 
 


artist: The Velvet Underground
title: Pale blue eyes
album: 1969年 『The Velvet Underground

 
クロアチアへ向かう寝台列車の中で、ヴェルヴェッツを聴いていた。揺れのたびに開くカーテンの向こう、通り過ぎる街々には映画のように雪が降り積もっていた。眠ったり眠らなかったり、うとうとする私の頭を流れていくのは真っ白いル―リードの声だった。

 
 
 


artist: 細野晴臣
title: 終わりの季節
album: 1973年 『HOSONO HOUSE

 
パリの朝、バケットにかぶりつきながらセーヌ川を目指す。
海外でも日本の曲を聴きたくなるのはどうしてだろう。
まだ薄暗い街を歩きながら、私はパリの朝焼けに日本語の美しさを重ねる。

 
 
 


artist: Nujabes
title: Luv(sic.)Pt3Featuring Shing02
album: 2006年 『modal soul

 
雨が降り続く奄美大島の宿で、このトラックは意外なほどに大地とセッションしていた。
緻密に作り込まれたはずのトラックの中に人の温かみを感じる。
雨音に溶け込んでいく美しいリリックと飽きないビートは、私の体の奥深くに落ちていって浄化されるようだった。このアルバムを旅先で聴いているとどこにいても私は私だと思わされる。

 
 
 

高橋久美子 ・ Kumiko Takahashi
作家・作詞家。ロックバンド・チャットモンチーのドラム・作詞家として活躍後、作家・作詞家に。布袋寅泰や、ももいろクローバーZなど様々なアーティストの作詞を手がける。
著書に、絵本「赤い金魚と赤いとうがらし」翻訳絵本「おかあさんはね」エッセイ集 「思いつつ、嘆きつつ、走りつつ、」詩画集「太陽は宇宙を飛び出した」など。
NHKラジオ「ごごラジ!」の金曜パーソナリティとしても活躍中。

takahashikumiko.com

 
 

* vol.2は12月初旬公開予定です


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