リトルストーリー
2018.04.07

甲斐みのりさんとめぐる、NAOTキャラバン #1「静岡」


なにより好きな、まち歩き。
古風でけなげな喫茶店。物語を秘めた建物。見目麗しい甘味の誘惑。
動物の形をした食べ物。暮らしになじむ手仕事。
まちの中には、たくさんの好きが潜んでいる。
歩いて、立ち寄り、歩いて、立ち止まり、歩いて、休んで、また歩く。
さあ、今回は、どのまちへ?
キャラバンの途中、どんな物に、出会えるでしょう。

 
 
#1「静岡」

 
新幹線の車窓から見える富士山の美しさに、見惚れたことはありませんか?月に何度か東海道新幹線で移動するのですが、窓から富士山が見え始めると、車内にまばらに、カチッ、カチッ、とカメラのシャッター音が響くことがあります。私が生まれたのは富士山の麓のまち。幼い頃から毎日のように富士山を見て育ってきたのですが、何度見ても飽きることなく、詩的な姿に惚れ惚れします。
 
新幹線で、富士山や茶畑や浜名湖が見えるあたり。そう、そこが静岡県。けれども「のぞみ」が停車せずに通過するため、静岡は「通り過ぎたことがあるだけ」という方も多いのが事実。東西を新幹線が走り抜ける、金魚の形のような静岡県は、日本一新幹線の駅が多い県。まずは県庁所在地・静岡市の玄関口、静岡駅で途中下車して、まちを歩いてみてください。
 
静岡市は徳川家康が駿府城を築いた旧城下町。サッカーが盛んであることや、アニメ「ちびまる子ちゃん」の舞台としても知られています。最近では、「静岡おでん」を食べられるお店巡りに訪れる人も多いとか。名店の味を食べ歩くのには、お腹に隙間を作るため、徒歩で巡るのがちょうどいい。静岡駅前の「静岡市美術館」、同じく駅前で朝の6時半から静岡おでんとおにぎりが食べられる「まるしま」、「芹沢銈介美術館」や、そのすぐ近くの安倍川もちの店「登呂もちの家」もぜひお立ち寄りを。

 
 
パンやお菓子で“全国どうぶつめぐり”

 
大御所となった徳川家康が隠居していたのが駿府城。家康により建てられた天守は火災で消失しまっていますが、中堀の内にある旧二の丸と本丸が「駿府城公園」として整備され、石垣や堀を見ることができます。その駿府城のお堀に住む亀から着想を得たというのが、「お堀カメ」。メロンパンを亀の甲羅に見立てています。
それから、静岡県民のソウルフードパンと言っていの一番に名前があがる、長細いクリームパン「のっぽ」のパッケージには、キリンの絵が。モチーフになっているのは、かつて三島市の「楽寿園」にいたキリンです。


            パンサンジュの「お堀カメ」
            バンデロールの「のっぽ」(しずてつストア、マックスバリュなどで販売)

 
 
“帰り道に”ごほうびスイーツ
 
静岡市にやって来たなら、一番味わって欲しいのが、静岡おでん。「青葉おでん街」や「青葉横丁」など、カウンター席だけの小さなおでん屋が軒を連ねる専門店街もありますが、もっとも静岡らしいのが、主役で販売されている物の脇で、おでんも食べることのできる店。明治時代から続く「大やきいも」は、その名の通り、焼きいもや、大学いもが名物。加えて、静岡おでんや、おにぎり、夏ならばかき氷などが味わえる。


                                 「大やきいも」の大学芋

 
 
“ときめく手仕事”を持ち帰ろう
 
静岡県の郷土工芸品として、静岡市葵区井川地区で作られてきた弁当箱。檜の薄板を曲げて桜の皮でつなぎ、漆を塗って仕上げる曲物です。サイズは、男持ち、女持ち、菜メンパ、おひつなどがあり、丸型と小判型の形が。井川メンパに詰めたごはんは、夏は痛みにくく、冬が保温効果があり、おいしく味わえると評判。現在、井川メンパを作る職人さんは2人のみ。機能性や佇まい、歴史や伝統が見直され、注文待ちをする人が後を絶たない。


                              井川メンパ (駿府楽市で販売)
 
 
まち歩きの途中に“乙女喫茶”

 
静岡駅から歩いて向かえる喫茶店。繁華街・呉服町のビルの2階にひっそりと。店内には、大きなスピーカーからジャズ音楽とともに、ゆったりとした時間が流れています。
名物は、白いパンの間で色とりどりの果物が輝くフルーツサンド。静岡市の中心には、古い喫茶店がほとんど残っていないので貴重な存在です。


                                     喫茶「ポプラ」
 
 
立ち寄りたい“レトロな建物”

 
昭和15年から駿河湾沿いに建つ、赤い瓦屋根の洋館。設計を手がけたのは、名建築家、ウィリアム・M・ヴォーリズ。アメリカからやってきたマッケンジー夫婦の旧宅で、夫のダンカンは静岡茶の輸出に尽力し、夫人のエミリーは社会福祉家として静岡市の初の名誉市民であることでも知られています。踊り場の大きなアーチ型の窓から光が注ぐ階段や、夜空の星が観察できる展望室など、ロマンチックな誂えが随所に。

                                  旧マッケンジー住宅
 
 

 


 
 
NAOTキャラバンは4/20(金)〜22(日)まで、静岡市の三保原屋LOFT店さんにて開催!
みなさまのご来場をお待ちしております。
 
〈キャラバン詳細はこちら〉
’18 4/20 fri.〜22 sun. NAOTキャラバン2018 in 静岡


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