私は、子どもの頃からとびきり梅が好きでした。
梅干しや梅ジュース、市販のカリカリ梅。
梅とつけば、なんでも好んで食べる癖もありました。
梅は素晴らしい実であることはもちろんなのですが
その花も美しく、2~3月にかけて全国の梅林では「梅まつり」が行われています。
私も先日、そろそろシーズンがやってきた!と梅の花を観にいきました。
場所は、奈良の梅の名所「月ヶ瀬梅林」。
奈良市の中心部から車を1時間ほど走らせると、月ヶ瀬の里があります。
月ヶ瀬の中央には川が流れていて、V字の渓谷になっています。
それだけでも絶景なのですが、観梅のシーズンになると谷に植わっているたくさんの梅が花を咲かせ、山がほんのり色づきます。
花と、山や水辺の景色も堪能できる壮大なスケールの梅林です。
まだ山全体が開花しているわけではなく、一部花が咲いてきたくらいの時期でしたが
山の中でパッと咲いている白い梅の花を観ることができました。
梅の花の付き方は、桜のようなボリュームのある派手な感じではなくて、
ポツポツと各々の花が魅せる感じです。
その余白のある控えめな様子が、私は好きです。
丸い花びらとかっこいい枝ぶりも素敵な梅のフォルム。
なかなか趣のある花だと思うので
現代のミュージシャンの方には「桜」だけでなく
「梅」にもストーリーを添えてどんどん歌っていただきたい。
もぞもぞと花に入っていく蜂を発見。
この人がいないと実ができないので、せっせとがんばってほしい。と切に願います。
春のおとずれを感じさせる野の花にも出会いました。
道中には、梅まつりと書かれたピンクののぼりが立ち
手作りの梅のお土産ものたちが並びます。
梅干しをはじめ、梅ジャムや梅みそ、盆梅も販売しています。
ほとんどのお店で試食ができるので、私にとってはまさに梅パラダイス。
塩漬けの梅干しと、「月ヶ瀬漬け」というしその葉で巻かれた梅の砂糖漬けを購入しました。
月ヶ瀬漬けは子どもの頃にこの地で試食して
その甘さ、しそのいい香りに、こんなの食べたことないと興奮したことを
今でも覚えています。
今回一緒に連れて来た娘が、手づかみでバクバク月ヶ瀬漬けを食べているのを見て
ああ遺伝子よ、と心の中でつぶやきました。
月ヶ瀬梅林の今年の見頃は、来週あたりのようです。
花を観に、実を食しに、いかがでしょうか。
(ハットリ)