いつの頃からか「タイに行きたい!」というのが、私のささやかな願いでした。
「まあいつか、誰かと一緒に行こう~」と思っていたのですが、あっという間に2年が過ぎ、3年が過ぎ。
私のいつかって、いつなんだろうか…と、もやもやし始めた24歳の冬休み。
ついに決めました。
もう、一人で行ってきます!!
飛行機を予約して、ガイドブックを買って。
心配性な上に海外旅行の経験もほとんどない私は、周りのみなさんに
(これが最後になるかもしれないですが…)と本当に縁起でもない挨拶をして。
関空から、あっという間の5時間半。着きました!バンコク!
行きかう車の多さに圧倒されて気がついたことは、ここは大都市だということ。
現在バンコクが誇る世界一のものは、渋滞だそうです!
しかしよく見てください。この交通量の中、人が道を横切っています。
なるほど~ここがタイか・・・と謎の納得をしてしまいました。
何はともあれ、王宮へ。
伝統的な寺院であるワットポーにはネコがたくさんいるらしい、という情報をゲットして意気揚々と船に乗ります。
水しぶきがかかりそうになりながら、無事にワットアルンの塔が見えてきました。
「タイのネコはどんなんだろう…」と、ワクワクしていたら船の中に、すでにネコが!
乗組員の方のネコでしょうか?
とても人懐っこく、毎日この観光客用の船で昼寝をしているようです。
そして… そんな気はしていたのですが、降り場を間違えました。
船で行きすぎてしまったので、道を引き返すこと30分。
乾季のため気候がよいとはいえ、気温30度を超える中、ふらふら…
広ーい王宮の周りをぐるっとまわって、やっと到着しました。野良犬ものんびり。
さっそくネコを見つけました。
人が立ち入れないつい立の隙間を縫うように、ひょうひょうと歩くネコ。自由です。
ネコを追いかけていくと、やたら人が多いところへ入っていきました。
人がいっぱいで、あっという間にネコを見失ってしまい。
「もう、なんだここは・・・」と思って、ふと見上げたら
あなた様でしたか!ごめんなさい!
涅槃像は、とても優しい顔で迎えてくれました。
子猫がいっぱい。先ほど見失ったネコをまた見つけました。どうやら子猫たちのお母さんだったようです。
人が何百人も通る、文化遺産の膝元で子育てするママネコ。
観光客の子どもが子猫を抱き上げても特に気にすることなく。
自らここを選んで、堂々と暮らしている様子がとにかく格好よかったです。
それから街を歩いて、歩いて、歩いて…
おいしいものもたっぷり楽しんで…
バックパックに持ち上げられないほどのお土産を詰め込んで…
あっという間の3日間。思えばいろいろありました。
サワディーカー(こんにちは)とコップンカー(ありがとう)をしばらく間違えて言っていたり…
夜間のため両替ができず、無一文になり、そのまま夕飯を食べられなくてぐーぐーなるお腹で眠りについたり…
ホテルで蚊に襲われて、よりにもよってまぶたをさされたり…(最終日は片目がお岩さん状態に!)
何を間違えたのか帰りの飛行機に乗り遅れそうになったり
(航空会社の方々がトランシーバーで私を一生懸命探してくれました…)
同行者に迷惑をかけなくてよかった!という意味で「ひとりでよかった!」とつくづく思いました。
でもきっと、どれもこれも、ひとりでしかできない経験だったのだと思います。
成長のための、たくさんの失敗だったんだろう!と、帰ってきた今ではもう笑い話です。
「旅で一生の記憶に残るのは失敗談」というのはきっと本当なんだと思います。
ひとりでよかった!
(ニシ)