”お水取りが終わると春がやってくるよ”
奈良の人はみんな口々にそう言いますが、それは本当でした。
今年もお水取りが終わる3月半ばを迎える頃からは
底冷えの冬の厳しい寒さはすこしづつ和らいで、
あたたかい日が増えるように。
寒がりの私は冬の間、家に籠りがちで身体も冬眠体制。
ようやくここにきて外へ出たくなる気持ちがむくむくと湧いてくるようになり…
出掛けてきました 奈良の山辺の道!
山辺の道とは三輪山の麓から、世界遺産の春日大社の東側にそびえる
春日山の麓まで続く道で、『日本書記』にも記されている国内最古の古道。
歴史ある神社や寺院、古墳なども点在していると聞いて、
一度歩いてみたかった場所でした。
その道は奈良盆地の東の山すそをぬうように道が続き、
距離は26キロにも及ぶのだとか。
今回私が歩いたのはJR三輪駅~巻向駅までの約5キロののんびりショートコース。
まずは大神神社を参拝。
そして、山辺の道 散策スタート。
早速、満開のアセビ(馬酔木)の木の花が迎えてくれます。
こんなに可愛らしい花をつける木なのに葉に毒性を持つようで、
鹿(草食動物)はこれを食べない、
奈良公園に多くのアセビの木がみられるのはそのせいなのだそう。
…という豆知識を通りすがりのお爺さんに教えて貰い、フムフム。。
道すがら誰かとすれ違うだびに「こんにちは」と挨拶し合うも気持ちがよいもの。
そして、歩くたび、沢山の春に出会えました。
幸せだなあ…!
と、思わず言葉がこぼれるほど。
”春うらら”という言葉がふさわしい陽気とのどかな風景。
早咲きの桜の木やキラキラ光る池や川を見つけてはいちいち足を止めてしまいます。
やらなきゃいけない日々のあれこれを一瞬忘れて
ひたすらほのぼの、ほのぼの〜。
まだまだだと思っていた春はすっかり到来していたようです。
きっと昔の人もこうやって春を、四季を感じながら
この道をあるいたのではないでしょうか。
芽吹きはじめた植物たちと一緒で、
自分のからだも余計な力がぬけて、目覚めている感覚。
沢山歩いたはずなのに、なんだか身体が軽く感じます。
そうそう、これは一週間前の今日の日のこと。
この時の桜は5分咲き。今週末はきっと満開?なのではないでしょうか?
なだらかな道は冬に固まってしまった身体をほぐすのにも丁度いいかもしれません。
みなさんも春を感じに、歴史ある道に想いを馳せながら、
山辺の道を歩いてはいいかがですか?
(奥口)