私の家のベランダには小さなオアシスがある。
私は朝起きてまず、この盆栽たちの顔をみる。
昨日元気のなかった葉っぱがシャンとしていたり、
夜花びらを閉じて眠っていた花がパッと顔をみせてくれたり、
それぞれの夜を過ごした盆栽たちをみながら
私はおはようと挨拶をして水をやる。
夜帰ってからもまず、ベランダにいく。
朝の咲いていた花が散っていたり、
ときどき風で倒れて少し具合の悪そうな子がいたりする。
私はごめんねと言いながら少しだけ水をやる。
それでまた朝がきて、盆栽たちの様子をみると
いつものように葉っぱを元気に揺らし、
散った花はすっきりとした表情で次の季節を待っている。
私もいってきますと言って仕事へ出掛ける。
盆栽は私が話かけようが話しかけまいが
きっと水と空気があればそれなりに育っていく。
自然で生まれたこの子たちは自然のままに生きていく。
そんな小さくて大きな自然を、私はオアシスと呼んでいる。
いつでもそこにいるこの盆栽たちに少しだけ心をゆだねている。
そしてこの文章を書きながら、私がここで働き始めてからまもなくして、
こんな記事を書いたことを思い出した。
約3年半前に書いたリトルストーリー
私が奈良に住んで、丸3年が経った。
このときから履き始めた靴も一緒に、もう4年目に突入。
靴はずいぶんと成長した。私の顔にもシワが増えた気がするが
(まあ、それも自然な流れということで)
この盆栽たちが私のオアシスであるように、
NAOTがみんなのオアシスであるように、
私もだれかにとってのオアシスになれたら、
と目標はでっかく持っておこうと思う。
自然のままに。
(森)

2017.04.12
NAOT A to Z – NATURE –

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