NAOTの靴との出会い。
NAOTの靴と出会って知ったことや感じたこと、そして変わったこと。
スタッフそれぞれにもその歴史があります。
第7回「私とNAOT」は、小さな子どもを育てながら働くスタッフ、脇阪にインタビュー!
転職、結婚、引っ越し、出産…人生にはいろいろな転機があります。
脇阪も、そんな転機を楽しみながら乗り越えてきたひとり。
自分も周りの人も心地よく居られるよう、努力し続ける脇阪のリトルストーリー。ぜひお楽しみください!
ー 脇阪さんはもともとフリーランスのライターとして仕事をしていたと聞きました。
小学生の頃から編集という仕事に憧れがあったんです。
情報を切り貼りしてまとめる作業が好きやったのと、「食いしん坊!万歳」っていうテレビ番組の影響であっちこっち取材とか旅行に行ける仕事に就きたい!って思ってて。
ー 最初からフリーって、珍しいような気がします。
学生時代から東京の出版社でアルバイトをしてたこともあって、いざ働くとなった時、ありがたいことに知人の紹介でお仕事をいただけたんです。
で、地元の大阪に戻ってきて活動してました。
ライターって、ショップなどが発信していることを集めてまとめて、読者に届けるお仕事なんですよね。お店とお客様の間というか。
媒体によって書くテイストやネタ出しも変えたりして。
それも楽しかってんけど、だんだんとひとつの媒体で編集者として仕事してみたい欲求が出てきて…。
気づけば、また東京に戻って編集者として働いていました。
ー 順調に夢を叶えてるように見えますが、どうしてジャンルの違うNAOTで働くことになったんですか?
たまたま、まだ風の栖でNAOTを取り扱っていた時に、お客さんとして夫と遊びに行ったことがあって。
その時は靴は買わなかったんやけど。いい靴やなっていうのは覚えてたんです。
当時はまだ結婚したてで、ちょうど今後どうやって働いていこうかなって考えていた頃で。
自分の親戚も全員関西やったし、大阪の実家には母が一人で住んでいたし、関西を生活の拠点にしたいっていう私の気持ちに夫も賛成してくれたので、大阪に帰る準備をしよう!と計画し始めてたんです。
ー ちょうどプライベートでも変化がある時期だったんですね。
そう、そんな時に風の栖のスタッフ募集をウェブサイトで見つけて、偵察も兼ねて再びお店に行ってみたんです。
そしたら、ゴールデンウィークということもあって、ゆった〜りした奈良のイメージと違って、お店の中は人がぎゅうぎゅうで!(笑)
ー やっぱりお店は奈良町にあるので、観光のシーズンなどはお客様をお待たせしてしまうこともありますもんね…。
でも、そんな忙しそうな中でも、スタッフがすごく丁寧に接客してくれたんです。
結局その時に初めてIRISを買いました。
でも自分はあんな風にお客様とお話できる自信がなかったから、応募するのは一回諦めたんです(笑)
それでもやっぱりずっと心に引っかかって。
もうどうしても気になって、今度は東京店に行ってみたら、スタッフの人が他のお客さんと「今スタッフ探してるんですよ」っていう話をしてたんです。
「あ、スタッフまだ決まってないんや」って思って。
その時に買ったFROLENCEと一緒に、NAOTカタログみたいなものも貰って帰ったんですね。
帰り道に入ったカフェでそれを読んでみると、すごく面白かったんです。
自分は出版社で編集の仕事をしてるし、こういう方向でお手伝いできるかもって、じわじわ思いだして。それでやっぱり応募したんです。
ー 自分が持ってる武器が使える!って思う瞬間、これ縁かも!って、なんだかドキドキしますよね。
そうして働き始めてから少し経った頃に妊娠して、妊婦の期間も少しお店に立たせてもらって、
そのお休みの間に実家も建て直して、出産して、よし!奈良で働きたいです!となったのが去年の10月頃かな。
もう激動でしたよ(笑)
ー 子供ができたり、住む場所が変わったり。いろんな状況をNAOTの靴と過ごして来たんですね。
そうですね。出産後に退院する時も、保育園の入園式でもNAOTを履いてたしね(笑)
今は子育てがあるから出張もできないし、保育園のお迎えがあるから時短で働いてるけど、色々とやりたいこと・挑戦したいことをやらせてもらってるのがありがたいです。
ー 挑戦できる環境は貴重ですよね。まだお子さんが小さいですが、お家に帰った後も、仕事の時間を取ってるんですか?
今は家でほとんど仕事をしないです。
最近編み出した時間術は、行き帰りの電車の活用です!昔は電車でパソコンを広げない派だったんですが、今はもうむしろ、そこしかない!って。
ー 自分で時間を見つけるようになるんですね。
以前、家で仕事のパソコンを広げてたら、子供がパソコンを遮りながら「もう、おーしまいっ」って言ったんです。結構ショックでした。
あー、お母さんの気持ちがここにないこと、わかってんねやって。
だからまだ子供が小さいうちは目の前で絶対にやらんとこって思ってます。
そのぶん朝の出勤電車でメールチェックしたり、自分のなかで時間の使い方を分けてます。
家に帰って、調べものしたいな〜って思う時もあるけど、いやいや、私にとっては今はその時間じゃない、って。
ー 私も少〜しだけわかる気がします。子供はいないんですけど、結婚をしているので、夫と私、二人の生活があって。家で仕事をしすぎないっていうのは、お互いに何となく意識してます。
フリーランスの頃は、一回でもミスしたら全て終わるっていう緊張感が常にありました。
だから子供を産んでから久しぶりに会った人には、今は感じが変わったねって言われます。
前は闘争心がむき出しやったけど、柔らかくなったねって(笑)
ー 闘争心むき出しの脇阪さん、想像できないです…!お洋服とか身に付けるものも、今はナチュラル系のテイストじゃないですか。それもだんだん切り替わって、そこに辿り着いたんですか?
単純に、流行としてナチュラルテイストなアイテムの選択肢が増えたのもあるけど、当時の私は着心地とかを気にしてなかったからというのも大きいです。
きっと時代だけじゃなくて好みも変わってるんやろうなって思う。
ー 当時着ていたものって、もう全く着なくなったんですか?
服自体、もう手元にないんです。実は、NAOTに出会うくらいまでは、靴も服も、気に入ったら色違いで一気にたくさん買って、合わないものはすぐに売ってってしてたんです。
大事に使い続けるという概念がなくて。
流行りを追いかけるというよりは、自分に合うものがどれか、何を履いたら着たら落ち着くかがわからなかったんです。
今は、まず靴はNAOTって決まってるから、不思議と身に付けるもの全体がやっと落ち着きました。
ー 足元からファッションスタイルが決まっていくのも面白いですね。たしかに、仕事関係なくプライベートで靴を選ぶ時でも、履き心地がいいから結局NAOTに手が伸びるんですよね〜。
ね〜!
グアム旅行でもお気に入りのGENEVAを持って行ったんですけど。
そしたら急なスコールにあったので、他のメーカーの靴に履き替えたらインソールが固く感じてちょっと疲れました(笑)。
ー あるあるですよね(笑)
今は着心地のいいものを長く身に付けるのが自分にとって本当に大事なんです。
もともとものを長く使うタイプじゃなかったから、試行錯誤しながらですけどね。
まだNAOTのスタッフじゃない時にIRISを履いてたら、その時もゲリラ豪雨にあって、IRISがジョボジョボになちゃって。
ケアの仕方なんてわからんから、とにかく乾かそうって新聞をぎゅうぎゅうに詰め込んだら、革が伸びちゃって…。
革は伸びると縮まへんから、今はインソールの下に中敷を入れて調整しながら履いてます。
ー 脇阪さんのNAOTコレクションの中で、KEDMAはちょっと雰囲気が違いますよね。他のは脱ぎ履きが楽なのが多いけど、これはキレイ系というか。
かっこいいですよね!
デザインは好きなんやけど、最近履いてなかったですね。
今は保育園へ子供を送っていく時に靴を脱ぎ履きするから、ついつい脱ぎ履きが楽な靴ばっかり(笑)
ー そうなんや~。その時の生活スタイルでも手が伸びる靴って変わりますよね。ナチュラルなお洋服にKEDMAのGreyを合わせても馴染むなっていうの、私は脇阪さんの着こなしを見て気づいたんですよ。
それは嬉しい!
いま担当してるINSTAGRAMでも、靴の紹介だけではなくて、靴の可能性というか、NAOTのある着こなしの提案ができたらなって思ってるんです。
例えばサボひとつとっても、ナチュラルなだけじゃなくて、黒を選ぶだけでカッコよくモードな感じにもなる。
それって靴をパッと見ただけでは思いつかなかったりするから、こちらからお客様に提案できたらいいなと思います。
まだインスタ担当になったばっかりやから、どんな記事に反響が大きいんやろうって、色々と模索中です。
ー ほんのちょっとでも、困ってる人の参考になれば嬉しいですよね。今後、さらにインスタをこういう風に展開できたらなっていうのはありますか?
ちょうど、外へ出てロケ撮影を始めています。
靴の紹介はもちろんやけど、見ていてハッピーな感じになるインスタを発信できたらいいなと!
もちろんお仕事やし、フォロワーさんが増えてご来店に繋がるっていうのも目的ではあるんやけど、実際にみんな楽しく働いてるので、楽しそうなお店やなっていうのを伝えられたらと思います。
ー 私たちがNAOTを好きでお客様にお届けしてるっていう、気持ちまるごと伝えたいですよね。
ね。
他にも、過去の職歴が活かせそうな企画がNAOTで進行中なんです。
今までいた業界に近い仕事やのに知らなかったこともあって、なぜか靴屋に来てから勉強し直すっていう(笑)
ー 何をするにもイチから自分たちで模索していることが多いから、知ってるつもりで知らなかったことが見えてきますよね。
そうそう、スタッフみんなの一芸を組み合わせたら、初めてのことでもなんかできるようになるよね(笑)
東京に憧れていろんなお仕事をしたけど、こうやって今関西に帰って来て、時短のスローペースで働いてるのに、好きなことをやらせてもらってて。
これからも無理せずやっていきたいなと思います。
よく、著名人のインタビューを見ていたら、30後半で素の自分になれたって書いてあるやん。
まだまだ”素の自分”ではないかもしれへんけど、何となく地に足ついて来たなってちゃんと実感するこの感じ。
このまま長く大事にしたいなって思っています。