風の道を


 

やさしい時間

 
 
 
家族の洗濯したものをたたむ
シーツやジーンズから
やわらかな日なたの匂いがする
 
シャツの中の陽を
ブラウスにふりそそいだ陽を
いっしょにたたむ
そうして 家族に分けて重ねる
 
手は このとき 
小さな魔法を使う
やさしい時間をたたみ込むために
 
――ただいま!
靴の音がする
 
 
 
 
 
詩・はたち よしこ
絵・安福 望

 


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