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ポケットにカメラを。- 海はひろいな –


 
東京から奈良へやってきて、もう2年。
今やすっかり慣れて、ヘンテコな関西弁まで喋るようになった。
とはいえ時折ちょっと心細くなって、やっぱりふるさとが恋しくなる。
そんなわけで夏休みが始まるやいなや、新幹線へ飛び乗り、東へ向かった。
 

 
朝から賑やかな家族の声で、目が覚めた。
ぼんやりした頭のまま、これから始まる1日について考える。
「そうだ、海へ行こう!」
 
そうと決まれば話は早い。
鎌倉が誇るローカル電車「江ノ電」に乗って、のんびりしよう。
キラキラと光る海と、新鮮な魚、こんもりした緑。
古都の柔らかな空気は、小さな私を包み込む。
心にあったモヤモヤは、いつの間にか海に溶けていった。
 


 
そうして元気をチャージした私は、西へ戻る。
今度は海好きの相方と、車で和歌山を目指す。
すると南端の海岸線を走る道中、真っ赤な灯台を見つけた。
 

 
気になって立ち寄ってみると、そこには何層にも重なった青色が広がっていた。
思わず吸い込まれそうな光景に、私たちは来てみてよかったね!と喜んだ。
すると「こんな風にちょっとした冒険を、楽しめるっていいな」と相方が言う。
冒険している気持ちで見る海と、あの日鎌倉で見た海と繋がっていると思うと、なんだか不思議。
 


 
波を見ていると慰められて、見渡す限りの地平線にワクワクする。
そうして海からもらった安心と冒険心を、お土産に持ち帰った。
ほんとうに、海はひろいな。
 
kimura
(木村)


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