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2018.10.14

ポケットにカメラを。- ただいまの島 –


 
 
夏の終わりの夏休み。
 
とにかくゆっくりのんびりしたい。それでもって綺麗な海が見たい。
ということで、行き先を旅慣れた石垣島に決める。
 

出発の前日に決まっていたのは、現地に住んでいる友人と晩ごはんを食べるという事だけ。
泊まるところも、何をするかも向こうに行って考えようと、とりあえずポンと旅立った。
 
 

 
 
なんども訪れている島とはいえ4年ぶり。
ひさしぶりの島にはなんとドンキホーテができていた。
新しい建物も増えて、自分がいる場所がなんだか知らない場所にも思えてソワソワ。
 
それでもひさしぶりの友人は以前と変わらない笑顔で迎えてくれたし、海は青々と美しい。
「ようこそ!おかえり!」と言ってもらって、変わらない海を見て、ホッと安心する。
 
 

 
 
鳩間島へいくことに決めた。
八重山諸島で唯一いったことがなかった島。
ずっと以前から「なんにもないよ」といろんな人から聞いていた島。
今もなんにもないらしい。日帰りでも充分だよという人もすくなくない。
石垣島のちょっとした変化を目の当たりにしたせいか、そんな、なにもなくて変わらない島というのに惹かれ、あえて1泊することに。
 
 


 
 
きてみてわかった。ほんとになにもない。
小さな集落にぽつりぽつりとある民宿とごはんやさんが2軒だけ。
お土産を買うような売店はもちろんない。でも、のんびりするには充分だ。
 
 


 
 
1時間歩けば一周できてしまう島ということで、さんぽに出かける。
ビーチはこちらかな? と草原のまんなかにまっすぐ伸びた道をえらんでみた。
なにもない、だれもいない道をひたすら歩いていると、だんだん草が生い茂るように。
気づけば道もクネクネしてきた。でも、歩き出して30分は経っただろうか…ここまで来たら引き返したくはない。迷ったかな?と不安になりつつ、なんとなくある道らしき道をすすむ。
 
途中、茂みがガサガサッ音を立てるのでギョッとしているとヤギが現れたり、大きなウ●チがあったかと思えば目の前に大きな牛がどーんと登場!・・・なぜだか全く人とは出会えない。
 
結局ビーチにはたどり着けず、集落に戻って来てしまった。
さすがに地図はよむべきだったらしい。

 
 


 
 
宿へもどるとスタッフさんが「おかりなさい」と迎えてくれた。
ようやく人と会えたことにホッとして、「ただいま」と答える。デッキでひとやすみ。
 
本をゆっくーり読んでも、2回目のさんぽ(リベンジ!)へ出かけても、まだまだたっぷり時間はある。のんびりを存分に満喫して、夜は宿に居合わせた者同士でワイワイとゆんたく。思いがけず素敵な歌声も聴けたし、翌日は鳩間ブルーと見事な西表のサンゴの海でシュノーケルをたのしんだ。
 
 


 
 
そしてついに鳩間島とお別れの時。
みんなに見えなくなるまでたくさん手を振って貰った。こちらも、ありがとうと手を振り返す。
 
 

 
 
戻ってきた石垣島でも本の続きを読んだり、昼間っからビールを飲んだりと、のんびり。のんびり。

 
私の大好きなハンバートハンバートのレコードを流してくれたバーのマスター。
泡盛とコブラ酒を飲ませてくれた定食屋のおしゃべりでチャーミングなお父さん。
最終日の夜ごはんも一緒に!と付き合ってくれた友人。
 

思えばこの旅で何度、「おかえりなさい」「いってらっしゃい」「またね」と言って貰っただろう。
 

今回もあったかい人との出会いがたくさん。
ひとりで遊びに行ったけど、いろんな人といっぱい笑った。
 
 
また「ただいま」と帰ってきたい場所が増えた夏の島旅でした。
 
 

 
 

(奥口)
 
 


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