リトルストーリー
2019.06.24

[コラム]子育て手帖 vol.10 -音楽家 良原リエさん- 前編

 

子育てというと、なんとなく「大変」というイメージがありますが、我が子ほど愛おしくてキラッキラした存在はないですよね。日々の生活に追われて、そんな愛おしさ、子育ての楽しさを忘れがちですが、日常のなかで「子どものなにげない成長を発見したときの高揚感」はひとしお。
 
ここでは、日頃、NAOTの靴を愛用してくださっている方にお伺いした「靴選びのお話」や「こんなシーンに重宝した」という体験談などをお届けしていきたいと思います。
 
今回は、音楽家の良原リエさんの登場です。NAOT NARAでの親子向けイベントを開催したり、ショートムービー「ナオトのリズム」では楽曲提供をしていただいたりと、NAOTとご縁の深いお方。そんな良原さんが、どのようにNAOTの靴と出会って、どんなシーンで愛用してくださっているのか。
愛のこもったお話、ぜひ、ご一読くださいませ!


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日々の移動は抱っこ紐だったので、サッと脱ぎ履きできるIRISが重宝

 

ーどのようなきっかけでNAOTを知ってくださったんですか?
 

6年ほど前かな。息子が産まれて数ヶ月の頃に、世田谷にあったお店巣巣さんでNAOTのポップアップショップをやっていて、そこに伺ったのが最初です。
NAOTの靴は友達が履いていて、前々からいいなあと思っていたんです。試着してから買いたかったのですが、その頃は、まだNAOTの東京店がなかったので、この機会を逃すまいと。
 
サボタイプのIRISを履いてみたのですが、すっぽりと足が包まれて心地よく、そして簡単には脱げないことにびっくり。そして宮川さん(弊社代表)から、革が足に合わせて馴染んでいくことなどを考慮して、一番良いサイズをアドバイスしていただき、ぴったりのサイズを見つけることができました。

 
 

ー子育てのこんなシーンにIRISが役立った、というエピソードはありますか?

 
実は、私はベビーカーで出かけることに抵抗があったんです。今はかなりベビーカーへの配慮も改善されてますが、当時はちょうど公共機関でベビーカーが邪魔だと言われることが多くなった時期で、2回だけベビーカーで電車に乗ったことがあるのですが、いずれもとても悲しい思いをしたんです。
自分なりに配慮したつもりでも、他の方からはそう見えないということをまざまざと知ることになり、それからは抱っこ紐で外出しようと決めました。
 

いざ、抱っこ紐で出かけてみると、息子の顔を常に見ていられるので、ちょっとした表情の違いや体調の変化を見逃さずに過ごせた気がします。そして何よりも、面と向かうことでたくさんおしゃべりできるのがとてもいいなと思いました。冬はお互いに暖かくていいですしね。
 

でも抱っこしていると、足元が見えないから靴を履くのが大変なんです。息子を抱えたまま転倒しないかと、いつもヒヤヒヤしながら靴を履いていました。
それが、IRISを手に入れてからは、足元が見えなくても簡単に靴が履ける!そして一度履いてしまえば脱げない!一気に気持ちがラクになり、とても嬉しかったことを思い出します。

 

産後の子育て中は自分の気持ちがうまくコントロールできなかったように思います。私はとてもポジティブ思考な方だと思うのですが、息子がやってきてとても嬉しい反面、ちょっとしたことでも悲しいと感じることが増えてしまいました。
後から知ったことですが、出産でホルモンバランスが大きく変わるからなんだそうです。靴をうまく履けないというだけで深い悲しみに陥っていたし、靴を安心して履けたというだけで高揚感がありました。
気持ちの安定が難しい時期だからこそ、嬉しいことがひとつでも多くなるようにすることは、お母さんにとってとても大切なんじゃないかと自分の体験から思いますね。

 
 
 

息子との新たな暮らしを機に、仕事の仕方をゼロから見直しました

 

ー今振り返ってみて、どんなことが「大変だったな、よく頑張ったな」と感じられますか?
 

息子が産まれる前あたりから、夫の仕事がとても忙しくなりました。休みらしい休みは数年間なかったのではと思います。父親として働かなくてはならない!という気持ちから、どんどん仕事に邁進していったからだと思います。
夫と私は同じ職種でフリーランスなので、仕事のお声がかかるのは素晴らしいことだからとことん頑張って欲しいという思いと、もっと手伝って欲しい、私も休憩したいという思いとの間でいつも悩んでいました。
首の座らない息子を抱っこしながらでは、お風呂で髪も洗えなくて。今思えば、息子が寝ている間に入ればよかったのですが、息子から目を離してはいけないと思い込んでいたんです。初めての子育てで頑張りすぎていたところもあります。
 
出産前までのやり方では仕事を続けることができないことにも悩みました。演奏の本番はほとんどが夜なので、授乳や寝かしつけを考えると引き受けるのが難しいので……。当初はシッターさんとともにスタジオに入ったり、リハと本番の途中で授乳しに帰宅したりと様々な試みをしてみたのですが、私も息子もあっという間に疲弊してしまったんです。
 
今は仕事を引き受ける時期ではないと痛感して、仕事のあり方をゼロから考え直すことに。
小さな息子と暮らしながら私ができることはなんだろうと思いを巡らせる中で、まずは暮らしのひとつひとつを豊かにしていこうと決めました。
日々のご飯や息子のために作ったリメイク服など楽しみながらトライするようにして、いつか何かに繋がればとそれらをSNSにアップしていくことにしました。ありがたいことにその後、音楽以外のお仕事、料理や庭、手作りやリメイクに関する連載や取材記事のお仕事をいただけるようになったんです。
数年後にはそれらが『たのしい手づくり子そだて』や『まいにちの子そだてべんとう』といった書籍に繋がることになったので、今までのやり方に固執せずに、仕事のあり方を考え直して良かったなと思います。

 

あと、授乳のお話でいうと、私にとっておっぱいをあげることは至福の時間で、とても幸せなことでした。期間限定だし、二度とないかもしれないので、とことん美味しいおっぱいを作ろうと決めました。
息子がアレルギーだったこともあり、アレルゲンを全て抜いて、美味しくする食材だけに限定した、かなりストイックな食事制限にトライもしました。実際、おっぱいはとっても美味しくなったんですよ!
日々、味見しながらチェックしていたので、自分でもおかわりしたくなるほどの美味しさになったんです。
 
でも、自分で決めたこととはいえ、食事制限をしているので外食は楽しめないし、おっぱいが美味しいので息子は昼夜問わず飲み続け、そして夫は仕事で忙しい、という状況を2年近く続けることになってしまったんですけどね。
 
 
 

子育てはみんなで助け合ってするもの、お母さんは万能ではないからね

当時、住んでいた地域は待機児童も多くて、一時預かりすら全く取れませんでした。一人で頑張りすぎていたこともあって、気づけば私は心身ともにボロボロになっていました。何もしなくても涙が流れるようになっていたほどで……。
 

そんな時、引っ越しの決まった友達が、家に代わりに住まないかと声をかけてくれ、その地域なら待機児童もおらず、一時預かりも問題なく利用できると聞き、藁にもすがる思いで引っ越したんです。
引っ越した地域のサポートは素晴らしくて、たくさん助けていただきました。すぐに子育てサポートをつけてくれたり、予約可能な一時預かりを調べてリストにしてくれたり。おかげでようやく一人の時間を持つことができました。
 

初めて息子を託児施設に預けた日のことは今でも忘れられません。
目を閉じてぼんやりできるってなんて嬉しいんだろうと思ったのです。
息子が生まれてからずっと、目を離してはいけないという緊張感の中にいたのだなあと気づきましたね。
 
私は、自分の子どもなんだから自分が頑張るのが当たり前、人に頼っていけないと、勝手に思い込んでいたところがありました。でももっと早くいろいろな手段に頼るべきでしたよね。振り返ってみると頑張ったなあというより、ぎりぎりまで頑張りすぎたなあと思います。

 

自分で経験してみて言えることですが、子育ては一人でするものではありません。みんなで助け合ってするべきもの。お母さんは万能ではないものね。
最愛の子どもでも、離れて一人の時間が欲しくなるのは当たり前。頑張っているお母さんたちを見ると、以前の自分を思い出して、頑張りすぎないで!と声をかけたくなります。もっといろんな人に頼って欲しいと思います。

 

 
 

<後編>は6月30日(日)更新予定
後編では、小学生に成長した息子さんとの暮らし、靴選びの変化についてお話いただきました。

 

▷これまでの「子育て手帖」はコチラから!

 

 


 編集:脇阪
 

 


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