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NAOTが出会った「はたらくひと」スピンオフ対談企画 シンガーソングライター 青羊さん(けもの) × 東郷清丸さん:後編


 

私たちはこれまで NAOTという靴を通じて、多くの方との出会いがありました。出会った方はミュージシャン、イラストレーター、文筆家さん、カフェ店主、作家等、それはもう様々なお仕事をされている方ばかり。
 
はたらく姿勢。はたらく理由。はたらく仲間。意外と知らないあのひとの事、もっと知りたいな。会いに行ってお話してみたい!人の数だけある「はたらく」にまつわるストーリーを聞かせていただきたいなと思い、この企画がスタートしました。
 
今回は「はたらくひと」のスピンオフ企画!
なんとシンガーソングライターの 青羊(けもの)さんと東郷清丸さんとの対談が実現しました。
 
今回は、その後編をお届けします。(前編の様子はこちらから)
仕事の原動力のお話やお金の考え方について。
 
是非ご覧くださいね。
 

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ー今のお仕事にどんなやりがいを感じていますか?

 
青羊:
やっぱり自分の曲をリスナーの方に聴いて貰えるのは単純に嬉しいです。ライブにきてくださるお客さんがいるというのはすごく支えになるので。音楽を続けていく、生み出していく力になっています。
 
でも一番嬉しい瞬間は曲(歌詞とメロディー)が生まれたとき。この瞬間は頭の中で生まれるので、たった一人で味わう喜びです。
 
東郷:
僕はライブをやっている時が一番楽しいですね。人がびっくりしていたりとか、感動してたりとか、反応を見るのが好きです。この間、神戸・大阪・名古屋とライブをしたのですが、この3日間はとにかくMCをむちゃくちゃ褒められた(笑)。
 
青羊:
あははは(笑)。私、MC褒められたことない、すごくいいことですよね!
 
東郷:
そう、僕はMC込みでライブを作っているから褒められるのは本当に嬉しいです。やっぱり僕に会ったことのない人やライブを見たことがない人たちにとってはアルバムジャケットのビジュアルが僕のイメージだから、ちょっと奇天烈な人に見えるだろうし…こう、アブナイ人に見えているとかね。
 
青羊:
アブナイ人?そう?私、全然そういうイメージないですよ。
 
東郷:
あ、よかった(笑)。でも、そう思ってる人もいるみたいなんです。
結構「変な人」だと思われることが多いので、地方にライブに行った時に「意外とポップな人だった」「やさしい」「意外だ」って言われることが多いんですよ。「音源のイメージだともっとストイックだと思ってた」とか。ライブでは童謡を歌ったり、急に歌のおにいさんとかになったりするのでね。そういう驚きとかみんなが盛り上がっているのを見ると、一番「生きてる!」って感じがしますね。
 

 
青羊:
「生きてる」って感じ、いいですねー。
清丸さんはライブ中に笑いを取ろう!って思いますか?
 
東郷:
うん(笑)。
 
青羊:
実は私も密かに思っているんです。
ライブをやると、なぜか笑いを取りたいっていう欲望が…湧いてきます(笑)。曲を作っていてもそうなんですけど。笑わせたいとか、ふふってさせたい気持ちがあるのは清丸さんとの共通点かなと。
 
東郷:
そうですね。誰かが青羊さんのライブの時に「青羊さんが〇〇をしていて面白かった」ってTwitterで呟いてたんですけど、それを見てちょっとシンパシーを感じましたね(笑)。「ああ、そこちゃんと作る人なんだな」と思って。MCでもそうなんですけど、好きな音楽も初めて聞いた時は笑っちゃうんですよ。「なんだこの音?」「わあ、リズム変!」「声やばい!」「気持ち悪〜!」って。
ご飯でも笑っちゃう時ありませんか?なんか。
 
青羊:
あ、確かにすごく美味しいものを食べたりすると、笑っちゃうことはありますよね。
それと一緒かな(笑)。
 

 

 

ーこれからやってみたいことはありますか?

 
東郷:
僕にとって音楽は「僕のできる得意技のうちの一つ」という認識なんです。
会社に音楽レーベルを立ち上げるもよし、もっと違う形の仕事を作るもよし。そういう自分の生き方をもっと探して、実践してみたいと思っています。それだけでも価値があると思っているんですよ。音楽、話す言葉、書く文章、どれも専門的に学んだわけではないのですが、それらを面白く生きている人がやるというだけで、面白がって見ていてくれる人がきっといるはずだから。…なんつって(照)。
 
青羊:
私は今度は自分が歌うんじゃなく、人に歌ってもらうような曲を作りたいなって思います。
自分が歌うのも面白いけど。まだ曲はできていないのですが。どうやったら作れるのかなって、考えて出た結論が、「ギターを味方につける」ということ。今、練習しています。
 
東郷:
人に歌ってもらいたいって思ったきっかけは何かあったんですか?
 
青羊:
自分の作った曲だけには自信がありまして。
その曲たちを「自分だけのもの」とガッと抱えるのではなくて、想いを誰かと共有したいなと思った先に、自分の曲を他の人に歌ってもらいたいなって思いました。自分を分けられるものは唯一、曲のような気がして。この人には、こういう感じが合うなというイメージは持っているので、それがその人に合った曲として形にすることができたらいいなと思っています。
 
東郷:
演出とかプロデュースをしている青羊さんが未来にはいるかもしれないですね。
青羊さんは歌以外にも朗読とか、色々なことされていますよね?
 
青羊:
ライブだけやるのもちょっと…ん〜!っていう感じだったので、朗読の日とライブの日と、二日に分けてやったこともあります。小さい頃、母が本を読み聞かせてくれたのがすごく好きでした。小学生の時、先生にあてられてすごく緊張しながら教科書を読んだ記憶があるのですが、言葉を誰かに届けるという事も人の声を聞くのも好き。その延長線上に音楽がある。
 
私にとっては歌も朗読もラジオも、喫茶店で隣の人が話しているのを聴くのも同じところにあります。
 

 
東郷:
「ライブだけやるのもちょっと…ん〜」っていうのはすごいわかりますね。
観る人に面白がってもらいたいから、自分のライブではなにかしら爪痕残したい!みたいな気持ちはあります。
 
青羊:
そうそう!なんか面白い!って思うものが無いと動けなかったりしますよね。
自分を表現する方法は音楽だけじゃないっていうことですね。
でもやりたいこととお金のバランスってずれてたりしませんか?
 

東郷:
ずれてます。今は本当にずれてます。確実に。
 
僕が新卒で入社した会社員時代は自分の時間を犠牲にして生活の安心を得るっていう感じで生きていました。ポストという枠があって、そこに自分をギュッっと入れて、生きていくみたいな感覚。今は全く、そうではなくなってきた。僕以降の世代にとっては、会社にいるっていうことが経済的にずっと安心っていうわけでもないし、「自分の時間を犠牲にしたとて、見返りは期待できない」という風潮が色濃くなっていくと思うんです。だからそうじゃない仕事の仕方をどんどん見つけていかないとなと思っています。
動機や理由がはっきりと言語化できなくても、なぜかやってしまっているものって誰にでもあると思うんです。それも表現だけではなくって、例えば、人を助けるとか、サポートすることとか。「お箸は必ず揃えちゃう」とか本当に些細なことに本質が隠れていると思うので、そこを極端に伸ばしていく方が、仕事になると思うんですよね。
 
だからこそ今、仕事として認知されていないことが仕事になるんだろうなって思います。
 
青羊:
やっぱり清丸さん、色々考えていますね。
私自身も音楽活動をするにあたって、お金をどうやって動かしていこうかというのをエクセルを見ながら日々考えますし、お金のことを考えるのはすごく大事だと思うんです。私はサポートの方々を雇っているという立場なので、皆にきちんと払えるかどうかというのも、気にかけていますね。
このパートはいい金額を払ってでも、いい人を選びたいということもありますし。最近は上手な人と自分のイメージを完璧に作り上げるというだけではつまらない気がしてきて、面白いことができそうな人という基準で考えてみたり。高校生と一緒にやってみたらどうなるだろう?とかね。
 
やりたいこととお金のバランスを考えるっていうのはすごく大事なことだけど、結局いつもやりたいことの方が上をいってしまいます。
 

 

東郷:
めっちゃわかります。
 
青羊:
やっぱり自分が面白いって思っていることをやらないと、人も付いて来ないなって思うんですよね。
だからとにかく「自分が面白いと思うことをやる」→「お金とのバランスを見る」→「わからなくなったら人に聞く」という事が大事だなと。
やりたいことをやりながら、お金もちゃんと稼いでいる人達を観察する、っていうことも日々心がけています。
 
東郷:
創作をしている人たちっていうのは、お金の話をするのが苦手な気がするんですよね。
僕も得意なわけではないんですけど。お金の話はネガティブな気持ちになりがちじゃないですか?僕はネガティブに考えるのはやめようと思っていてね…まず淡々と計算しようよ、と思っています。
ライブやレコーディングで色々な演奏者の方にお願いすることがあるので、報酬をお支払いするんですが、青羊さんと一緒で本当にこの人が暮らせるかなっていうのをまず計算するんですね。拘束時間はこれだけで、さらに制作するにあたって、どれだけ時間を割いてくれたかをふと考えるんです。日々アルバムのことを考えるというのも、時間を割いていることになりますし。
 

青羊:
お金に対して汚い・いやらしい、とか思われたくないという気持ちは正直あります。
だからどうしても後まわしになってしまいがちだけど、そういうことすら今後変わっていく気がするんですよね。
 
東郷:
僕も変わってくると思います。
お金の話をすることでクリエイティブの話ってまとまると思うんです。
まずこちらがどれだけ払えるかという限度をはっきりさせておくことがひとつ。そして、お願いする人が世界的に有名なアーティストなのか、青羊さんが言ったように高校生なのかというところで相手の希望する額も変わるじゃないですか。でもどんな人に依頼するにせよ「何がお互いにとって幸せか」ということを確認したいんです。それで、その人にとって生活が安定することがクリエイティブするにあたって大切なのであれば、お金をちゃんと渡したい。もし渡してあげられない状況であるなら、まだ一緒にやるべきではないと思いますし、逆にお金という対価じゃなくても、気持ちのバランスが取れる、というのであればこちらも調整して…っていう双方にとってちょうどいいポイントを探るのがクリエイティブにつながると思います。
 
依頼された人が求める対価をこちらが払えないなら、やらない方がお互い幸せだし。だからお金のことは早めに確認したいと思っていますね。予算がないから、工夫するっていうのが面白さを生んだりするじゃないですか。高校生がめちゃくちゃ成長していく様を身近で見れたら、それがすごい自分のためになることもあり得ると思いますし。
そういうことってお金が無限にあったら、あまり考えないことだと思うので。
 

 
青羊:
確かに、限られた中ですごくいいアイデアが生まれるいうことはあるかもしれないですね。
無いと苦しいって考えてしまいがちですけど、そういう風にお金を捉えていくと面白いよなあ!って思って。
 
東郷:
こういう話をすると、お金があるように見られがちなんですけど、ちょうどいい額しかないし。
たくさんあるわけじゃないけど、お金は世の中のどこかにはあるから。
自分の財布にないだけだから(笑)。
 
青羊:
いま自分のところにないだけで誰かのところにある(笑)。
 
東郷:
うちの社長との合言葉です(笑)。
面白い事、どんどんやっていきましょう!

 
<終>
 


 
 

▲青羊さんの愛用のNAOTはIRIS Rumbaカラー。新譜「コーヒータウン」のmvでも履いてくださっています。チェックしてみてくださいね。
 

▲東郷さんが選んでくださったNAOTはWISDOM BlackMadrasカラー。赤い靴下と合わせてカッコよく履いてくださっていました。
 
 
 
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