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#17 東京店スタッフ田中の「私とNAOT」

 

 
 
NAOTの靴との出会い。
 
NAOTの靴と出会って知ったことや、感じたこと、そして変わったこと。
スタッフそれぞれにもその歴史があります。

 
NAOT TOKYOのアルバイトスタッフとして、2年半勤め上げてくれた田中さん。
NAOTとの最初の出会いは大学の先輩の紹介だったそう。
靴のお手入れが好きで、今はアルバイトスタッフを卒業し、シューケア用品の会社で働いています。
そんな彼女に、NAOTとの歩みについて聞いてみました。
 
 
———————————
 
 
出会いは大学2年生の時でした。
 
——早速ですが、NAOTとの出会いは?
 
大学生のサークルの先輩がNAOTの靴を履いていたんです。その先輩が、わたしが1年生の時にサンダルを探していたらCECILIAを勧めてくださったのがきっかけです。シンプルなんですが、普通過ぎないデザインにすごく惹かれた記憶があります。
 
その時は大学に入学してすぐだったので、金銭的にも余裕がなくて買えなかったんですけど、2年生になって、たまたま見つけたお店にNAOTが置いてあるのを知ったんです。
 
——偶然なんて運命の再会だね!
 
そうなんです。そこに、このCECILIAが置いてあったんです。それがぴったりのはずの35サイズだったので試してみて、若干キツく感じたんですけど、折角見つけたからこれにしよう!と思って購入したのが初めてのNAOTです。勧めてくれた先輩はMatt Blackカラーを履いていらしたんですが、私は茶色のBuffaloカラーにしました。
 

 
——履いてみてどうでした?
 
やっぱり最初は「キツイな」って思いました。あと、私が幅広・甲高めの足をしていることもあって、靴擦れもしましたね。でも、NAOTで働きだしてから革調整できることを知って、革を伸ばして楽に履けるようになりました。
 
…実はCECILIAが人生で初めて買ったサンダルだったんです。だから履き方が分からなくて、いつも緊張しちゃって。いざ始めてサンダルに挑戦してみると、「恥ずかしい〜」とか思ったりして(笑)
 
——えっ、人生初めてのサンダル!?裸足を見せるのが恥ずかしかったの?
 
ふふふ、そうなんです。でも履いてみたらすごい履きやすいですし、なんというか今までにない感覚の靴だったので、当初は緊張しながらも気持ちよく履いていました。今もCECILIAを履くのは少し緊張するんですけど、以前とは違って履き心地の安心感の方が上回っています。毎年最初にCECILIAを履くと、夏に向けての準備が始まったっていう感じでテンションがあがります。
 
私はもう春終わりから履き始めてしまうのですが、まず5月くらいから、色が派手な靴下との合わせを楽しみます。普段よりも靴下を見て!っていう気持ちで(笑)夏本番になると裸足で履くんですが、とにかく楽で、可愛いでしょって人に見せたくなります。個人的にはCECILIAは「クール」な靴だと思ってるので、ハイウエストのパンツと合わせたり、可愛い服装にあえて合わせて、わざとラフさを出すのに使いやすいなと思っています。
 

 
——CECILIAへの愛を感じるなあ。他の靴はどうですか?
 
今はIRISOLGASCOTLANDと合わせて4足を愛用しています。普段は基本的にOLGAとSCOTLANDを交互に履いている感じですね。
 

 
——どの靴もクタクタで年季が入ってるよね。経年変化した色もいい感じ。
 
すぐ年季が入っちゃうんですよね(笑)よく歩くからかなと思うんですけど。足幅が広めなので、それもあって癖がつきやすいんですかね?散歩が好きで、よくNAOTでのアルバイトの後に、蔵前から乗り換えの駅まで3駅分位の距離を歩いていました。
 
毎回違う道を歩くようにしているんですけど、色々な発見があってついつい遠回りしちゃうんです。そんなことをしているうちにどんどん靴に味が出てきてしまって、買って数ヶ月の靴を見たお客さんに「何年履いているんですか?」って聞かれることも多いんです。
 

 
——IRISの育ち方もすごい、しっかり味が出てますね。
 
IRISは日々に欠かせない靴ですね。革靴はどうしてもかしこまったイメージがあるのに、IRISは程よく力の抜けた感じがあって、どこにでも履いて行ってしまいます。私はCrazy Horseカラーを履いているのですが、履けば履くほど見た目が変わっていくので本当に飽きないんです。
 
Crazy Horseカラーは経年変化がわかりやすくて、履く人によって全く違う靴に見えるので、「世界にひとつだけの私の靴」っていう感じがして大好きです。思い返すと、「その靴、可愛いですね」って言われる時はいつでもIRISを履いてました。
 
SCOTLANDが好きです。形も履き心地も好きです。

 
——この中で一番を決めるとしたらどれ?
 
1番はSCOTLANDですね。理由としては、デザインと履き心地と、1番苦労して履き慣らしたので、思い出が詰まっているっていうのもあるかも(笑)SCOTLANDは甲の部分に縫い目がある分、正直言って馴染みが早いとは言えないんです。でも、デザインにすごく惹かれて購入した靴だったので、「絶対履きたい!」と思って根気強くストレッチャーで革調整しました。やっと履けた時には「これからもよろしく〜!」って頬ずりしたい気持ちでした(笑)
 

 
——頬ずり(笑)わたしも同じSCOTLANDの黒を持っているけど、うちの母には「ちょっとおじさんぽい」って言われました(笑)でもむしろそこがいいし、クラシックな雰囲気が漂うところが好き。
 
あはは!私も言われたことがあります。一見、「THE コンフォートシューズ」って感じに見えますよね。…だけどこう、履く人によって全然イメージが変わると思います。渋く履ける人もいるし、かっこよく履ける人もいるし、可愛らしく履ける人もいるので、色々な雰囲気になれる印象です。だから意外となんにでも合わせやすいのかなって思います。
 
——うんうん、意外と合うよね。OLGAとSCOTLANDは普段洋服にどうやって合わせてるの?
 
割となんでも合わせちゃいます。私はとくに古着が好きなんですけど、NAOTの靴はどれも古着にも合わせやすくて気に入っています。スカートとかワンピースの時はSCOTLANDを選ぶことが多いですね。自分の雰囲気的に洋服も靴も両方が可愛いテイストだと似合わないなと思っていて、甘すぎないようにSCOTLANDでちょっと締めるといった感じで履いています。
 
逆にOLGAはちょっとボーイッシュになり過ぎちゃう時や可愛い靴下を履きたい時に合わせて履いています。服装はカジュアルでも、革靴を履くことで印象が変わってクラシックな印象を足せる感じがします。わたしは身長が低めなので、革靴を履いてちょっとしっかりめに見せる方が子供っぽくならず、大人っぽく見えるかなと思うので、革靴は有難い存在です。靴磨きが好きというのもあって、スニーカーはひとつしか持っていなくて、あとは全部革靴ですね。
 

 
——やっぱり革が好きなんだなあ。革のお手入れが好きな理由ってなんですか?
 
やっぱりこう、革がツヤツヤしていると気分が上がるというか。月に一度お手入れをしているんですけど、それが気分転換になるんです。1ヶ月の区切りとして、そこから気持ちが切り替えられる感じです。月の終わりに一気にお手入れするので、何時間もかかっちゃうんですけど、そうやってずっと黙々とやっていると「無」になれますね。この時間が心の整理になったりするので、私にとっては大事にしたい時間です。
 
——お手入れで何かこだわりはありますか?
 
靴用のお手入れクリームも仕上がりの質感別に違うものを使っています。SCOTLANDはツヤツヤに出来たらいいなと思っているのでツヤが出るものを。同じ黒い革のOLGAは、マットな仕上がりにしていきたいので、デリケートクリームを使っています。黒の革の経年変化ってなかなかないと思われがちなんですけど、黒い革こそ馴染んだ時のくたっと感やツヤ感が出てきて、エイジングを見守る楽しさがあると私は思っています!
 
もともとすごく人見知りだったんです。

 
もともと激しい人見知りで、接客業とか向いていないんじゃないかと思っていたんです。小さい頃は人と会うと物陰に隠れてしまう子供でした。今も人と仲良くなるのに大変な時間がかかります…。でも、NAOTで働いている時は、そんなネガティブな感情無しでお客様と関わることができました。
 
東京店に来てくださるお客様もお話するのが楽しい方ばかりで、今思うとお客様に助けられていたのかもしれないですね。最初は全然お客さんに話かけられなかったんですけど、周りのスタッフが楽しく話しかけているのを見て、段々と自分でもこういう話をしてみようとチャレンジするようになっていって、そうしたらお客さんと趣味が一緒で盛り上がったりして。散歩の良さとかについても話せるようになって。やめる時になってようやく慣れて来たかな、なんて思っているんですけど(笑)
 
——NAOTで働いたことを思い返して、なにか思い出すことはある?
 
私がお話して靴を買ってくださった方がしばらく経ってからまた来店されて、その靴を修理に出されて。それを見た時に、「あぁ、こんなに沢山履いてくださったんだ」そして、「またこれからも履いてくださるんだ」と思って、それがとても嬉しかったです。あと、別のリピーターのお客様なんですが、来店された時に「ここって修理できますか?」と聞かれて、結局その場では修理は出されなかったんです。でもまた別の日に靴を持参して来てくださって、「やっぱりこの靴修理したいんですけど…」って。これからも長く履こうとしてくださっているんだなと思って、その時も胸がジーンとしました。
 
自分はズボラで、以前は靴は履き潰して捨てるものだと思っていたので。だから、私もちゃんと修理に出そう、大事に長く履こうって思いました。
 
——お客様から修理靴をお預かりする時、いつもすごく楽しそうに靴磨きしてますもんね。シャッシャッシャッってずっとやってるよね(笑)
 
やっぱり、人の靴を磨くのが大好きなんです。
この楽しさも、NAOTで働いていなかったら、分からなかったですね。
 
——一緒に働けてよかったです。本当に今までお疲れ様でした。これからの活躍を祈ってます!
 
ありがとうございました!
 
 

 
 
 
スピーカー:田中
 

インタビュー・編集:大津
 
 
 

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