靴を履いて、旅に出る。
旅先だから、聴きたい音楽がある。
「旅で聴きたい曲」をテーマに、音楽関係者がおすすめの4曲をセレクト。
あの人は、どこにどんな音楽を連れていくのでしょう?
第21回目のゲストは、音楽家の湯川潮音さん。
優しい歌声と透明感のある姿が印象的で、癒されたい時にはふと聴きたくなってしまう不思議な魅力をお持ちの湯川さん。
NAOTのお客さまにもファンが多く、店頭で湯川さんの話をして盛り上がることもしばしば!
実際にお店で音楽のイベントをしてくださったこともあり、素敵なご縁でつながっています。
そんな湯川さんの「旅で聴きたい曲」とは?
湯川潮音さん×靴屋のNAOTがお届けする、オリジナルプレイリスト。
さあ、旅に出かけましょう!
artist: ORNETTE COLEMAN
title: Angel voice (視聴可)
album: 1958年 『Something Else!!!!: The Music of Ornette Coleman』
ニューヨークで住んでいたアパートが元々オーネットコールマンの所有だったことがわかり、この曲を聴くとLower East Sideの下町の雰囲気と色々な文化が入り混じった、あの雑多感を思い出し懐かしくなります。
そもそも音楽学校だった建物を買い取ったそうなのですが、当時はギャングばかり住んでいた地域でオーネットも何度も危険な目にあったそうです?!
artist: Dr.John
title: IKO IKO (視聴可)
album: 1972年 『GUMBO』
残念ながら先日亡くなってしまったドクタージョン。この曲を聴くと体が自然と踊り出して、どこまでも行けるような気持ちになります。
電車の車窓から眺める景色。民家を通り抜け、草原を抜け、森を抜け、むき出しの岩肌の見える土地に向かうような、個人的にはペルーにライブで行った時の映像が頭に浮かびます。
電車の中ではいつの間にか、みんなが持ち物を思うがままに楽器にして踊り出している!ような、、そんな風景。
artist: BLOSSOM DEARIE
title: Doop-Doo-De-Doop (視聴可)
album: 1959年 『Once Upon a Summertime』
鼻歌のようなこの曲を初夏のパリの街を自転車に乗りながら口ずさんでみたい。
いつも面白いなと思うのは、同じ曲でも聴いている場所、国によって全く違った印象になるので、なるべく色んなシュチュエーションでイヤホンをしながら音楽を聴いてみて、どんな色に変わるのか、どんな世界に変わるのかを見つけてみる。
旅をするといつもそんな楽しみ方もしています。
artist: James Blake
title: Case of you (視聴可)
album: 2011年 『Enough Thunder』
大好きな曲を大好きな人がカバーしている曲。ジョニ・ミッチェルのこの曲は「あなたへの愛はワインのように私の中の流れている。ケース一杯のワインを飲み干したってこの足で立っていられる」というような胸が熱くなるようなサビで、歌詞の前半にある、暗闇の中で北極星を見上げるような場所で聴きたくなる。
旅に出ると、ときにふっと一人や孤独を強く感じるような、街や雑踏の中に自分が埋もれてしまうような、そんな瞬間が訪れる。
それもまた好きで、そんなときは知らないバーやパブにふらっと入って、知らないお酒を飲みたくなる。そして知らない人たちとの会話を楽しんで、知らない自分にまた出会ったりする。
湯川潮音 / YUKAWA Shione
1983年東京出身。小学校時代より東京少年少女合唱隊に在籍、多くの海外公演などを経験。2001年ポップフィールドではじめて披露された歌声が 多くの話題を呼ぶ。翌年のアイルランド短期留学から帰国後、自作の曲も発表し本格的な音楽活動をスタート。以降、美しいことばの響きを大切にした歌詞、クラシックやトラディショナルを起点に置いた独自の世界観で音楽を紡ぎ続けている。
yukawa-shione.tumblr.com/