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#18 東京店スタッフ浅野の「私とNAOT」

 

 
 
NAOTの靴との出会い。
 
NAOTの靴と出会って知ったことや、感じたこと、そして変わったこと。
スタッフそれぞれにもその歴史があります。
 
 
NAOT TOKYOのアルバイトスタッフとして、2年間勤め上げてくれた浅野さん。
出身地の愛知から大学生活を送るために奈良へ。
それから大学院生活のため東京へ上京すると共にNAOTに入り、東京店を盛り上げてくれました。
そんなバイタリティあふれる彼女にとって、NAOTとは?
 
どうぞご覧ください!
 
———————————
 
 
——早速、NAOTとの出会いを教えてください!
 
NAOTのことは、お母さんが靴を持っていて知っていたんです。あと大学生の時に同じ学科・研究室だった友人が、NAOT NARAでアルバイトスタッフとして働いていたのもあって何となく身近に感じていて、実際に行ったこともありました。
 
それで、ある時その友達から突然「今週金曜日空いてない?」って連絡が来たんです(笑)
「東京のお店で人手が足らないから手伝ってくれない?」と言われて、「えっいいの〜?」という感じで、その時は靴屋というだけで何をするのかも良く分かっていない状態でした(笑)でもちょうど営業していた金曜日に授業とか予定がなくて、体験アルバイトみたいな感じで一度NAOTで働いてみることになったんです。
 

 
——結構突然!(笑)それはいつ頃?
 
2年半くらい前かな?奈良から上京してすぐの、大学院1年生の4月ですね。その時は関西出身スタッフの神谷さんがいて、コテコテの関西弁を懐かしく感じながら働いた思い出があります(笑)
 
私は奈良のゆったりとした雰囲気が好きで、奈良からスタッフさんが来ているからか、その雰囲気が東京店にもなんとなく漂っていて。その時は他にアルバイトもしていなかったから、バイトするならここで働きたいなぁと思って、神谷さんに伝えたんです。そうしたら、「社長に言っておくわ!」と言ってくださって、結局面接は1度もしないまま働くことになりました(笑)
私を紹介してくれた友人スタッフの信頼が厚かったんだと思います。
 
——確か、東京店が駆け出しの時はスタッフ二人で回せていたのが、だんだんお客さんが増えてきて、「二人じゃ対応できない」ってなった時に来てくれたのが浅野さんだったんですよね。
 
 
ようやく履ける靴に出会えた!

 
私、とにかく足が小さいんです!
サボは34サイズ、シューズタイプは35サイズを履いているんですけど、それでも大きく感じることがあるくらいです。形自体は普通の足なんですけど、小さいせいで革が馴染むと全体的に大きく感じちゃう事が気になるんですよね。
 
足が小さいとおしゃれに履ける靴がいつも見つからなくて。
例えばスニーカーで探すと、紐じゃなくて子供用のベルクロテープのものになってしまうのが嫌でした。元々は別のブランドのストラップシューズをずっと履きたいと思っていたんですけど、それがちょっと重ためで硬いから、どうしても履けなかったりして。なかなかぴったりくる靴に出会えなかったんです。
 

 
実はそのアルバイト初日に、前から欲しかったOLGAのMatt Blackカラーを購入したんです。
靴を真剣に選んでいるお客様とお話ししていたら、自分もだんだん欲しい気持ちが高まってきてしまって(笑)
世の中に中々見た目もサイズも合う靴がない中で、OLGAを知ったときは「ようやく私でも履ける靴に出会えた!」という感じでした。
 
今は革が馴染んできたので、インソールを一枚足しています。
ベルトの穴は、追加で開けてはいないけど、一番きつく締めている状態ですね。
 

 
OLGAでたくさんお出かけしているので、思い出せないくらいの思い出があります(笑)
その友達が4月に奈良店でスタッフとして働き始めて、その1ヶ月後に東京に遊びにきて再会した時に、ちょうど二人ともOLGAを履いていてお揃いだったんです。その時にお互いの足元を見て、履く人によって雰囲気が変わるなあと思いました。私も彼女も足が薄めで、OLGAはすごい履きやすかったんだと思います。
 
あとは、かわいいけどガツガツ歩けるっていうのがお気に入りポイントで。見た目についてはシワが入った方が可愛いかなって個人的には思っています。
 
——新品はつるっとしているけど、シワが入ると渋さが加わりますよね。
 
そうそう!
私はサンダルってほとんど履けないんですけど、OLGAはサンダルとしても使えるので、個人的には初めて素足で履ける靴かもしれないです。だから春になってくるとこの子が手放せません。
足が細身でサンダルが履きづらくて困っている人がいたら、ぜひ履いてみて欲しいです!
 
 
実は一番のお気に入りはサボ!

 
ここまでOLGAについて散々語ってきたけど、一番のお気に入りは実はサボで(笑)
購入当時、東京店は靴の在庫を取りに行くのに、毎回靴を脱がないといけなかったんです。
それで、先輩スタッフも皆サボを履いていたので、私もこれからアルバイト中もよく履くと思って、買うことにしました。
 
今では正直、多少緩みもあるんですけど、インソールの下に中敷を挟み込むとフィットしやすいので、そうやって履いています。思い出がある靴だから一番好きですね!今まで行った海外旅行では、韓国、北海道、ベトナム、アメリカに一緒に行ってくれました。
 
一番のポイントはやっぱりサイズが34サイズまであること!これは本当に嬉しいポイント!(笑)
旅行の時はベルトを後ろに下げて履くかな。私の場合はずーっとベルトなしで履いているよりもベルトをかけた方が、足が疲れにくいかなって感じます。
あと飛行機!座席でこっそり脱げるのはポイント高いです。
 

 
今、寮生活をしていて、その寮がホテルみたいな作りになっているんです。
ビュッフェみたいな形式の食堂があって、それとは別に自分の部屋があるので、靴を脱いだり履いたりしないといけないんです。なのでずっとサボで生活しています。私みたいに脱ぎ履きが多い生活を送っている方には本当におすすめです。
 
——生活スタイルに合った靴があると、それなしでは過ごせなくなりますよね。
色のチョイスはなぜWalnutカラーRumbaカラーにしたんですか?
 
Walnutカラーを買ったのは、使いやすい色だったからです。
東京店で働く時に、特に使う頻度が高くなると思ったので、一番洋服に合わせやすい色の方がいいかなと思って、Walnutカラーを選びました。
あと、友人スタッフが同じものを履いていて、経年の様子がすごく可愛くて、それも決め手になりました!
 

 
——赤の方は?
 
いや、最初は…全然赤を買うつもりはなくて(笑)
でもデニムとの相性がすごく良いのと、トップスに赤い色を着るのが自分としては似合わないなって思っていて、足元に赤ならいいかなって思って。洋服がモノトーンとかシンプルなことが多いので、ポイントにもなると思って選びました。
 
どっちかっていうと、私の好みの色はRumbaカラーよりも、もう今は取り扱いのないRed Pepperカラーの方なんです。その経年の色を見たら少し赤黒く変化していてすごくかっこよかったので、その靴みたいな赤黒さが欲しくて、私のRumbaカラーの方にはちょっとだけ黒い靴クリームを塗り足しています。
 

 
——いい色だな〜と思っていたら、クリームを塗り足していたんですね。深みが出てて綺麗!
 
初めは赤のランドセルみたいな色で(笑)
でもだんだんと深みが出てかっこいい感じになりました。去年の夏に買ったので、1年ちょっとくらい経っています。
 
いつか東京店に来てくださったマダムのお客様が、赤サボと水色のワンピースを合わせて履いてらっしゃって。それがすごくかっこよくておしゃれで、「私もそういう大人になりたい!」って思って買った1足でもあります。お客さんに憧れて(笑)
…だから、私もそういうマダムになってまたNAOTに帰ってきます!
 
——素敵!でもマダムになるまで何年かかるんだろう?(笑)
 
 
馴染んできたら、かかとの浮きも気にならなくなってきました。

 
最近、KEDMAのBlack Madrasカラーを買いました。とにかく紐靴が欲しかったんです。
IRISとOLGAは持っているけど、冬はちょっと寒そうなのでどうしようと思って。本当は自分の足にはDANIELAの方が合っているんですけど、見た目がKEDMAの方が好きだったんですよね。
でも試し履きをした時、KEDMAの方は少しかかとが動いてしまって…どちらにしようか3週間くらい悩んでいました(笑)
でも結局はKEDMAに決めました。
 
買ってからも、最初はくるぶしの部分が当たってしまうのが少し気になっていたんです。でも、インソールを1枚敷いたら当たらなくなって、馴染んできたら凄くフィットしてきて、かかとが動くのも気にならなくなってきたので今ではほぼ毎日履いています。
 
ちょっとしたお出掛けにはいつもこの子です。綺麗めの服装にも合うし、重宝してます。
…個人的な感覚ですけど、IRIS、OLGAでは銀座に行けないけど、KEDMAなら行ける!って思っています。銀座用(笑)
でも、DANIELAもいつか欲しいと思ってます!
 
だから、かかとのフィット感で悩んでいるお客様には、「履いていくと、段々フィットしてきますよ!」っていうことを伝えていました。
 
——KEDMAはインソール丸々1枚入れているんですか?
 

 
そうですね。かかと部分を切り落として入れると、高さが足りなくて靴のふちがくるぶしの骨に当たっちゃうから、丸々1枚敷いています。
同じようにくるぶしの骨の部分が当たってしまうお客様にもオススメしたい方法です。
 
 
ただのお客さんと店員じゃなくて、もう少し近い関係になれたらいいな
 
——最後に接客スタイルについて。浅野さんはお客様とお話ししている時、分かりやすく伝えよう!っていう気持ちが凄く伝わってくるのがすごく良いなと思っています。自分自身で心掛けていることは何かありますか?
 
代表の宮川さんから、「『靴を売ろう』じゃなくて、ただ気に入ってもらえたらいいと思う」っていう考え方を聞いて。その考えにすごく共感できたので、「お客さん」と「店員」の関係ではなく、もう少し近い関係になれたらいいなと思いながら接客しています。
 
なので、靴を選んでもらう時は、足の悩みや生活リズムを必ず聞くようにしています。そうすることでそのお客様のことをよりよく知れるし、ぴったりな靴選びのお手伝いができると思うので。
あとは、もちろんその場で靴を決めてもらえたらすごく嬉しいですが、その場で決められない方もいらっしゃるので、ただお店の雰囲気や靴のことを好きになってもらえるように、ということはいつも心がけています。
 

 
あとは、お客様が帰られる時には、また会えたらいいなって思いながらお見送りしていますね。
たまに、お見送りのときに私の名前を聞いてくださったり、「また来ます」「履いて遊びに来ます」と言ってくださったりするお客様がいるので、それがとても嬉しいです!だから、お客様の顔はなるべく覚えるようにしています。
 
——浅野さん、お客様のことよく覚えてますよね。
 
そうですね。以前感動したのは、ほぼ日さんの「生活の楽しみ展」で靴を買ってくださったお客様が、東京店にもいらっしゃって、また靴を買ってくださったことがあって。「生活の楽しみ展」でお会いした時には、その方はお腹が大きい妊婦さんだったんですが、半年くらい経って東京店でお会いしたら、生後3ヶ月くらいの赤ちゃんが一緒にいて。「お姉さんいるかなと思って来たんです。」って言ってくださったんです。
 

 
「わあ、赤ちゃん生まれたんだ!」と思って(笑)会いに来てくださったっていうのも嬉しかったし、そういう時には、自分は単なる店員だけど、その人の人生の一部に関われたのかもって思います。
 
私は大学院の研究で、足とか歩行に関することをやっているんですが、ただデータを取って研究をするだけじゃなくて、必ず相手の気持ちを汲み取るとかそういうことが一番大事になってくるんですよね。それこそ研究の過程で、足が悪い人に会うことが多いんです。お店にもたまに足に装具をつけて来るお客様がいらっしゃるので、そういう人の気持ちは1番率先して分かってあげたいと思っています。
 
研究でも人の足ばかり見ていて、さらに人と話すということをやってきましたが、それはこのNAOTでも同じで、この2年間ずっと足と人と向き合ってきました。凄く楽しかったです。
 
——多分、お客さまで「あのお姉さん辞めちゃったんですか〜」って思う人いると思いますよ。
 
本当ですか〜?(笑)
…私もNAOTに出会っていろいろ変わったな。
前に修理に出してくれたお客様で、「わたしNAOTと出会って変わったんです!」っていう熱い方がいて、「今までものを大事にするっていうのをあまり意識したことがなかったけど、ちゃんと大切にしようって考えが変わりました。」って言ってくださったんです。
それがわたしも今はとても分かるし、同じように、ものを大事にしようって思っています。
 
——特に革は大事にしていれば、ちゃんと応えてくれますもんね。
赤サボも長く育てて、お互いマダムになった時に会いましょう(笑)
 
会いましょう!(笑)
ありがとうございました。
 
 

 
 
 
スピーカー:浅野
 

インタビュー・編集:大津
 
 
 
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