リトルストーリー
2019.10.04

[エッセイ]小谷実由の偏愛時間 vol.1


 
 
おみゆさんことモデルの小谷実由さんによる連載エッセイ。
 
2年目突入の今月からはプチリニューアル。
「隙間時間」改め、「偏愛時間」というテーマで何回かお届けします!
 
いろんなことに強いこだわりがありそうなおみゆさんの、真っすぐでいてどこか偏った愛が満載ですよ。
 
 


 
 


隙間時間を経て、たどり着いたのは偏愛時間。偏愛って、大きな愛の隙間から滲み出るものみたいな感じ?
 
私の中での偏愛的行動は、物を集めるという行為のことかもしれない。この連載で幾度となく話している本はもちろん、服やレコード、猫グッズ、櫛など自分の中で琴線に触れたものはとにかく集めたくなってしまう。購入したら使うのが当たり前だと思うのですが、私は集めたものを並べて眺めることが最上級に嬉しい。形状によっては難しいけど、全部いっしょくたに抱きしめて「最高だ君たちは!!」と讃えてやりたい気持ち。愛をぶつけるには抱きしめるが一番よ。
 
ちなみに近年の夢は、最近精を出して集めている櫛を図鑑にして出版することです。1つ1つの好きなところを、愛を込めて説明したい。楠田絵里子さんの消しゴム図鑑に多大なる憧れを抱いています。
 
さて、日常生活の中で本と服は集めている率がダントツで高いものたち。本は装丁や表紙に一目惚れして読み物というより物として好きになることもあり、古本屋さんという場所は「いまこの本に出会ったのには意味がある…!」と運命を感じてしまいがちな(都合が良い言い訳だよね)罪深き場所なのです。そして家にはこれから読む本たち(当たり前だけど全部自分の好みの本)が山積みになっている光景ができてくるのですが、それがたまらないのであります。給食の週間献立で、金曜日がカレーライスだったらそれまで頑張れるような、先々のモチベーションのようなもの。
 
ちなみに、並べて眺める至上主義の私ですが、服に関しては着てあげないとかわいそうという擬人化思考により大事に着ています。でも、この「着てあげないと服がかわいそう」という思いと集めたい欲がかけ合わさることにより、自分の首を絞めるのです。着てあげないとかわいそうとはいえ、着ることができる人は私ひとりだけで、それでも着たい服は増えるばかり。でも全部着ないとかわいそうじゃない!?の無限ループに陥ります。そこで解決策になっているのは、定期的にフリーマーケットで次に大事にしてくれる人を見つけるということ。お店に売りに行くのとは違って次に着てくれる人の顔をちゃんと見ることができるので安心して好きだった服たちを送り出せている。次の人生も着る人を素敵な気持ちにさせてあげてくれ〜なんて親のような気分です。達者でな。
 
この世は素晴らしい本と服で溢れているので困り果て、ため息が止まらない今日この頃。結局、偏愛ってどんなことなのかいまいちわからない。偏愛の対義語を調べてみたら、博愛がでてきました。博愛はすべてのものを等しく愛することらしい。それはちょっと極端すぎませんか。
 
すべてを等しく愛することは難しいけど、愛する気持ちの中に含んだものは純粋なものだけで保ちたいですね。

 
 

 
 
 


 

Instagram: @omiyuno
 


 
 

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★大好きな品々に見惚れているおみゆさんが目に浮かびます!
次回は11月1日(金)公開予定。


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