靴を履いて、旅に出る。
旅先だから、聴きたい音楽がある。
「旅で聴きたい曲」をテーマに、音楽関係者がおすすめの4曲をセレクト。
あの人は、どこにどんな音楽を連れていくのでしょう?
第25回目のゲストは、ミュージシャンの工藤祐次郎さん。
2ndアルバム『葬儀屋の娘』をリリース直後、曽我部恵一さんに「名盤」と評され、曽我部さんの主催するROSE RECORDSから3rdアルバム『団地の恐竜』をリリース。
朴訥とした雰囲気と幻想的な音遣いが合わさって、聴く人の心にすっと馴染んでいくような、なんとも心地よい音楽を作られています。
アコースティックギターをベースとした楽曲が多く、そのギターの音が、心に染み渡る本当に「いい音」なのです。柔らかな曲も、どこかとぼけた曲も、ノスタルジックな曲もありますが、そのどれもから、音選びの良きセンスを感じます。
そんな工藤さんの「旅に連れて行きたい曲」とは?
工藤祐次郎さん×靴屋のNAOTがお届けする、オリジナルプレイリスト。
さあ、旅に出かけましょう!
artist: ザ・ドリフターズ
title: ゴー・ウエスト (視聴可)
album: 1978年 『ゴー・ウエスト』
旅の始まりはこんな感じ。
心細さも不安なことも全部、
“まあ、なんとかなるだろう”
という気持ちに変わってゆく。
あぁ、やっぱりドリフって偉大ね。
artist: The Pastels
title: The Hits Hurt (視聴可)
album: 1997年『illumination』
街に着いて、夜、歩く。
アルバム名の『イルミネーション』に引っ張られてるだけかもしれないけど。
パステルズは自分にとってちょっと不思議なバンド。
何が良いのかよく分からないままもうずっと何年も聴いてる。
特にこの曲は、知らない街で迷子になってゆくような不穏さと心地よさが…
うん、よく分からんからもっかい聴いてくる。
artist: 夕暮レおかわり少年団
title: 列車のうた
album: 2011年『デモCD-R〜その1〜』
ちょっと趣向を変えて「旅先で出会った曲」を。
ツアーの醍醐味の1つ、土地土地の素敵な音楽家との出会い。
紹介したい人は沢山いるけど、今回は長野の夕暮レおかわり少年団のフロントマン、田沢明善さん。
田沢さんとは3年位前、長野のネオンホールで対バンという出会いだった。
音楽に商売っ気や野心めいたものがないから、心にすっと入ってくる。
いつも生活を、友人を、好きなことを、大切にしている人。
artist: Grateful Dead
title: Casey Jones (視聴可)
album: 1970年『WORKINGMAN’S DEAD』
旅の終わりのエンドロール。
歌い出しのひと言めから
「列車で行こう コカインでいこう」
と朗らかに歌ってくれる。
でも、「スピードには気をつけてね」とも。
映画『Festival Express』で印象的に使われていたのもあってか、今回“旅で聴きたい曲”というお題をもらって、一番に浮かんだのはこの曲でした。

工藤祐次郎
1987年生まれ宮崎県出身。
風景とユーモアを心に、メインストリートの脇道をのびのびと歩く、ような音楽を作る風来坊。朴訥とした佇まいから土臭さと浮遊感の混ざった立体的なサウンドを生み出している。
この夏、初となる弾き語りミニアルバム『暑中見舞い』を配信&ライブ会場限定リリースし、さらに小山田壮平弾き語りツアー2019のオープニングアクトに大抜擢!
前世占いは三葉虫。
ozounirecordsworld.tumblr.com
※vol.26は、12月公開予定です。