リトルストーリー
  • Little Story>
  • ゲスト企画>
  • [インタビュー]NAOTが出会った「はたらくひと」#12 Somi sweets&coffee #小國真以さん
2019.12.12

[インタビュー]NAOTが出会った「はたらくひと」#12 Somi sweets&coffee #小國真以さん


 
私たちはこれまで NAOTという靴を通じて、多くの方との出会いがありました。
出会った方はミュージシャン、イラストレーターさん、文筆家さん、カフェ店主さん、作家さん等、それはもう様々なお仕事をされている方ばかり。
 
はたらく姿勢。はたらく理由。はたらく道具。はたらく仲間。人の数だけある「はたらく」にまつわるストーリーを聞かせていただきたいなと思い、この企画がスタートしました。
 
連載 第12弾 は「Vegan Sweets shop Somi sweets&coffee」の小國真以さん。

Somi sweets&coffeeは、奈良のきたまちにあるヴィーガンスイーツとコーヒーのテイクアウト専門店です。
扉をくぐると、コーヒーの香ばしいの香りに包まれます。
お店に並ぶお菓子は、卵や乳製品など、動物性食材を使わないヴィーガンレシピのもの。
お店の名前になっているSomiは「素味」から由来しています。
「素材そのものの味わい・素朴なおいしさ」という意味が込められたお菓子は、名前のとおり、素材本来がもつ美味しさが活かされた、からだが喜ぶものばかり。
生産者や生産背景などにこだわった旬のものや、オーガニックの食材なども積極的に取り入れられています。

今回はそんなお菓子やコーヒーまつわるお話をたっぷり聞かせていただきました。
どうぞお楽しみください。
 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 

 
美味しさと一緒に、作り手の想いも届くように。

 
ーお菓子屋さんになろう思ったきっかけは何ですか?
 

もともと一般的なお菓子を作るパティシエ志望だったんですよ。
それはもう小学生くらいの、小さい頃から。
「なんでかな?」と思ったら、母が一緒に誕生日ケーキを作ったりしてくれてたんですよね。
あとは、「3分クッキングごっこ」をよくしてて、一人で説明しながら適当に粉とか混ぜて、焼く!みたいな(笑)
そういう環境にいたから、お菓子作りがすごく身近にあったんです。

だから、進路も迷うことなく「私はパティシエになる!」って言って、製菓の専門学校に入学しました。

 
ーそれでお菓子作りの道に進まれたんですね。
 
はい。でも卒業した後、すぐにお菓子作りの仕事に就いたわけではないんですよ。
専門学生時代に、ホテルで結婚式の配膳などをするアルバイトを始めたんですね。
そのとき、サービスに携わるっていうことを初めて経験して、とにかく楽しくって!
「人と関わりたい、喜んでもらいたい」という気持ちがそのアルバイト経験で芽生え出したんですね。

好きなお菓子作りは趣味でもできるけれども…、
お客さまにサービスするというかたちで「人と関わる、喜んでもらう」のは、「はたらく」っていうかたちで携わらないとできない仕事だなって思ったんですよね。
だから、卒業後はパティシエにならず、ホテルでの接客の仕事についたり、バリスタを経験したり、お菓子作りの仕事を始めるまでは、主に接客の仕事に携わりました。

 
ー作り手とはまた違った魅力があったんですね。
 

そうなんです。
非日常的な空間で仕事をするっていうことにも憧れがあったし、ホテルでの仕事ってお客さんと直接関われて、その時の自分にとってすごく良い環境だったんですよ。
「ダイレクトに喜びを得られる」って素敵だなぁって思ったんですよね。
後々、カフェでバリスタとして働くようになったことも、サービスをするっていう経験の中で人に喜んでもらうっていう立場に魅力を感じていたからだと思います。

 


 
ーバリスタさんって、自ら作ることができて、人と接することもできて、っていうちょうど間のお仕事ですよね。
 
そうなんです。
バリスタになろう!と目指して、そこから10年くらいバリスタとして仕事していました。

 

その経験を経てはじめて、コーヒーにも生産者がいるっていうことを初めて意識しました。
中米のニカラグアっていう国の、コーヒーの農家さんと触れ合う機会があったんです。

何にも知識がないまま産地に飛び込んだので…。
コーヒーの木に赤い実がたわわになっている様子とか、それを食べたときの果実の味とか…、色々なことを初めて知りました。
そして、一言に「コーヒー豆」と言っても味も生産背景も全然違うんだなっていうことに気が付いたんです。
すぐ隣の農園であっても、素材の味や、それに込められた想いってすごく個性があるんですよね。
 
それが「自分は何を選んで、人に届けていこう?」っていうことを考えるのに、私が直接的に影響を受ける経験になったんですよ。
そして、「自分が作ったものを届けて、喜んでもらいたい」っていうモチベーションからさらに、「素材そのものがもつ美味しさ、その生産者の想いも一緒に届けたい」って思うようになりました。

 

 

当時、働いていたカフェは、生産者の素材へのこだわりや想いも大切にしているカフェで。
オーガニックのものも積極的に使っていたし、ヴィーガンの方やベジタリアンの方も安心して食べられる料理とかお菓子とかも提供していたんですよ。

そこでヴィーガンやベジタリアン対応のフードとかっていうものに初めて触れたんですね。

 

ーそのとき、ヴィーガンのお菓子を作ろうと?
 
きっかけはそうです。
ヴィーガンのお料理を初めて食べたときにすごく美味しいと思ったんですね。
オーガニックの野菜がもっている、素材のポテンシャルとエネルギーを感じたというか。
それが活かされていたんですね。

でもお菓子に関しては、製菓の学校にも行っていたからか、同じほどの感動には至らなくて…。
素材にもこだわりをもって「自分でも作ってみたい!」って挑戦したい気持ちが出てきたんです。

 

そこから、またお菓子を作りはじめました。
今までの経験を踏まえて、またお菓子を作ってみたいって思ったんですよね。
それまでバリスタとして働いていたから、「コーヒーじゃないの?」と言われることもあるんですけど…、自分の中でコーヒー作っていたときとお菓子作っていたときの、「心の根っこ」は変わらないんです。
 
ー「喜んでもらいたい」っていうことを、「お菓子作り」を通して想いを伝えるっていうことですよね。
 
そう。
だから違和感なく、自然な流れで、またお菓子の世界に入りました。

 
 

自分が気持ち良く生きていくことも、もっと大事にしたい
 
ーずっと京都にいらっしゃったんですよね。なぜ奈良でお店をしようと思ったんですか?
 
上手に説明できないんですけど、奈良の持っている空気感、というか。
人生のタイミング、経験してきたこと、いろんな要素がある中で、そのときすごく奈良があっていたんです。

「奈良、ええなぁ」と思っていたら、自然と話もどんどん進んでいって(笑)

物件も運良く空いてたんです。
内覧にきて、お店の2階にあがったとき、窓から街の風景が広がって見えたんですよ。
若草山とか綺麗な山の稜線とか。
それがすごく綺麗で!
この建物にきて「気持ちいいいなぁ」と思って、それでこの場所も選びました。
数字的根拠とかは全然ないです!(笑)

美味しいお菓子を作るためには、まずは
「自分が気持ちよく生きていくことをもっと大事にしよう」って思っていて。
そういう状態じゃないと、喜んでもらえるような美味しいお菓子を作ることってできないんじゃないって私は思うんですよね。

そういうことを考えていた時期だったので、それが奈良だったらできる気がしました。
今思うと、やっぱり間違ってなかったなぁって思いますよ。
 

 
 
人間の想像力を生み出す、豊かさを耕す
 
ーこれからやってみたいことはありますか? 
 
この前、台湾で出店するイベントがあったんです。
その経験から、お菓子を持っていろんなところに旅に出たいって思うようになりました。
色々なお菓子に触れたくて。
 
あと、それとは全く別に奈良で暮らしてて感じてきてたことがあって。
文化的な活動をしていきたい。
映画、音楽、絵画、ジャンルは問わずに…。
例えば上映会とか、ライブとかが、もっと盛り上がっていけばいいなぁって思います。
 
映画や音楽って、生活必需品でないものだけど、人間の想像力を生み出す、豊かさを耕すっていう視点ではすごく大切なものだと思うんですよね。
他者のイメージや作品に触れることで、自分の想像力も刺激される。
そういうものに触れることで、
「あ、自分はここで生きてていいんだ」
「みんなが別々で違っていいんだ」
って感じられる経験をすることってあるじゃないですか。
そういうふうに、もっと刺激を受ける場を作れたらって思うんですよね。
 

 
 
近頃はありがたいことに、映画に関わるイベントに出店させてもらったり…。
「お菓子」というものを通して、そういう場に関わることができる機会が増えてきました。
 
誤解を恐れずにいえば、お菓子屋さんをしているというのは、私にとってひとつの「ツール」にもなるのかもしれないと思います。
誰かに喜んでもらって、自分にとってもそれが喜びや楽しみになるっていうことを実現していく、という意味で。
人も環境も時を経ると変わっていくと思うから、喜んでもらうために何を届けていくか、自分は何になるのかっていうのは変わっていくのかもしれないですね。
それが自分にとっても自然な生き方なのかなぁって思います。
 
それと、まずはベースとして自分が生き生きと楽しく生きていたいということがあります。
私自身が生き生きと楽しんで生きていないと、美味しいもの、喜んでもらえるようなものが作れないから。

美味しいお菓子を届けるために、いつも楽しんで生きていたいなって思います。
 

 
 
 

 

▲毎日履いているというIRIS Crazy Horse。「1日くらい休ませたほうがいいよって聞くんですけど、なかなか休ませられない!」と嬉しいお言葉。履き皺も傷も毎日をがんばる人の勲章。立ち仕事の現場を支えるIRIS、これからもどうかたくさん活躍してくれますように!

 

 

Vegan Sweets shop Somi sweets&coffee
所在地 : 〒630-8113 奈良県奈良市法蓮町1232
定休日 : 不定休 ☎️0742-27-0038
営業時間 : 11:00~18:00

 
 
▼ NAOTが出会った「はたらくひと」 バックナンバー
 
 

 

 

 

 

 


その他の記事

一蘭へ戻る

カテゴリー

連載

pagetop