おみゆさんことモデルの小谷実由さんによる連載エッセイ。
前回に引き続き、「漂流」時間をテーマにお届けします。
おみゆさんのおうち時間、漂流しながらたどり着いたのは、極上のひととき。
お腹をへらしながら、どうぞお楽しみください!
今回も漂流時間リターンズのリターンズ。今日は5月6日、GW最終日です。未だおうち時間の真っ只中、漂流しています。今夜は雷雨。以前、雷の光が怖い話をしたのですが(閃光時間vol.2参照)今日もビカビカ光っております。最初は我慢していたけど、ちょっと我慢ならないくらい光ってきたので(どのくらいかというと、光がちょっと目に残るくらい)洗面所に避難してきました。ちなみに我が猫しらすは、雷は完全にスルーでごはんにがっついています、のんきでよろしいね。そんなわけで、本日は洗面所からお送りします。ここは最近の私のお気に入りスペースです。
今日はキャロットケーキを作っていました。人は、家で時間ができるとお菓子を作るようになるらしい。母からも日々ヘルシーな素材を使ったクッキーを作った報告メールや、SNSを開けば簡単に作れる美味しそうなレシピもたくさん流れてくる。前回のトレーニング動画も然り、本当に便利でありがたい世の中ですね。こんなときですもの、美味しいものが食べたいです、自分で作ったら尚美味しいしね。
さて、キャロットケーキですが今回作るのは2回目。料理研究家の若山曜子さんのInstagramに載っていたものを参考に挑戦。以前、レモンケーキを作ってみたら「本当にすっぱい、なんかスポンジみたいなもの」が出来て自暴自棄になったのですが、若山さんの作り方はとても簡単。ケーキ作りのトラウマから抜け出せた感動レシピです。人参や卵をミキサーで混ぜて粉類と合わせてケーキは出来上がり。しかし、オーブンでケーキを焼いている最中まだもうひと仕事残っています。それがフロスティング作りです。
はて、フロスティングってなんだ?と初回のときに思ったのですが、美味しくておしゃれなケーキ(私の中ではキャロットケーキとレモンケーキです)の上にかかっているとても美味しい甘くて白いあのクリームのようなものがフロスティングでした。あと、食べてから思ったのはシナモンロールの上にかかっている白いあれもその類なのではと思っています。あれがかかっているだけで、なんだか特別感が格段に上がる気がしますな。
あの白いクリームだけで食べてみたいなぁと子供の頃から思っていたのですが、それが実現できるチャンスが突然現れた。いまならば、全力でスプーンいっぱいに頬張ろうとも誰にも怒られない…!大人になると子供の頃叶えたかった夢を叶えるチャンスが突如として現れますよね。しかも心の準備ができてないときに限って起こると思っています。どうする私。いくの、いかないの、!
閑話休題、特別な雰囲気を纏わせてくれる勝負服のようなフロスティングなのですが、完成させるのがなんとも大変なのです。ゴールの手前にほぼ直角の坂があって登らなきゃいけないときくらい(そんな状況になったことはないけど)。材料はシンプルにバターとクリームチーズと砂糖。そして、それをただひたすらに混ぜる!クリーミーになるまで混ぜる!!ずっと!!!休まず!!!!ちなみに、バターとクリームチーズは室温でしっかり戻してから混ぜるのがおすすめです。バターの塊を親の仇のように潰す工程が減ります。
初回のフロスティング作りの際、私の無知による謎の焦り(室温で戻しすぎて何かしらが分離するのではというような)でまだ冷えて固まっているそれらを一気に混ぜ始め、ボウルをテーブルの上にカンカン打ち付けながらワシワシと混ぜました。きっと右手だけがすごくたくましくなるんだろうなぁ、とのんきに考えながら。しかし、あれだね、最近ゴムベラを初めて自分で購入して久しぶりに使ったのですが、なんだか便利で使いやすいよね、ゴムベラ。ボウルの周りについたものたちを集めるときのキレイに取れる感が好きです。
そんなわけでもはやこれも私トレーニングの一貫にしてない?と錯覚しそうなくらい力づくで混ぜたフロスティング、とても良く混ざったので美味しくできていました。2回目の今回は、ちゃんと室温でしっかり戻したので前回よりも半分のパワーで完成。そんなわけでこの原稿を書ける余力があったのでした。(この原稿はフロスティングを混ぜるための力を利用して書いております。)
フロスティング、フロスティング、って何回も頭で繰り返していて思ったのだけど、子供の頃から馴染みのある、あのオレンジのトラのコーンフレークが纏っているのも、フロスティングかな?だからあの名前なのかも。私の中で何かが腑に落ちました。日々学びですね。みなさんもフロスティング作りいかがでしょう。作りすぎちゃってもクラッカーとかにも合いますよ、もちろんスプーンいっぱいにそれだけ頬張るのもおすすめです。
Instagram: @omiyuno