リトルストーリー
2020.07.08

[スタッフコラム] -この靴と歩いたあの場所、あの国 – vol.1 三浦の場合


 
NAOTの7月のテーマは「足もとの冒険」。
いつもは「この靴でどんな旅をしよう?」と妄想を膨らませている私たちですが、この頃は今までの旅に思いを馳せる時間が増えてきました。
 
これから数回にわたってNAOTスタッフたちの旅にまつわるコラムをお届けしていきます。
NAOTの靴と巡ったいろんな場所のこと、振り返っていま思うこと。
第1回は、奈良店スタッフの三浦から。
 
・ ・ ・
 

 
私は、NAOTの靴でしか、旅をしたことがない。
というとちょっと言い過ぎなのだけれど、でもほとんど本当だ。
 
NAOTの靴を履き始めたのは6年前の夏のこと。
当時大学生だった私は、自分で選んだ革靴を履くことと、自分の意思でどこか遠くに行くということを、ほとんど同時に始めたんじゃないかと思う。
 
ひとり旅デビューした長野の信濃大町も、芸術祭が見たい!と突然思い立って向かった香川の女木島も、留学中の友人を訪ねたイタリアも、全部NAOTの靴ひとつで行った。本当によく歩いたなあ。
 

 
なかでも思い出深いのは、イタリア旅行。
卒業旅行という名目で、大学生活最後の3月に1週間。前半はひとり旅、後半は友人と落ち合ってふたり旅をした。
ひとりで海外へ行ったのははじめてのことで、言葉もうまく通じないし、不安でずっとどきどきしていた。
このときはOLGAを履いて行ったのだけど、知らない場所に履き慣れた靴があるというのはほんとうに心強く、ひとりで歩いていても不思議と寂しい気持ちにはならなかった。
 

 
グルメな友人と落ち合ってからは、食べたいものをたくさん食べた。そして、初めてふたりでちゃんとお酒を飲んだ。
知り合ってからもう10年くらい経っていたのに、そのとき初めてする話をたくさんした。
これからのこと、家族のこと。まともに恋バナなんかしたのも初めてで、感慨深くて泣きそうになっていた。
 
彼女の住む駅のホームでお別れをするとき、「留学から帰ってきたらまたすぐ会えるのにね」と笑いながら、ふたりしてボタボタと涙が溢れて止まらなかったのはいい思い出だ。
 

△ぜんぜんまともに撮れなかった唯一のツーショット。ベネチアにて。足元のOLGAが見えるでしょうか。
 
この靴たちも久しぶりに遠くの景色を見たいんじゃないかしら、などと考えていたら、なぜこんなにもどこかに行きたいのだろう?と、この気持ちの理由が気になってきた。
 
このあいだ『生物と無生物のあいだ』という本を読んだ。
その本によると、生き物はみんな常に古くなった細胞を壊しつづけていて、その代わりに食事などを通して新しい部品となるものを取り入れつづけているそうだ。
このような部品の交換が続けられていることではじめて、生命が維持されている。らしい。(本当に簡単な説明でごめんなさい)
 

 
これは生物のしくみについての考え方なのだけど、心のしくみや、この「旅をしたい気持ち」にも当てはめられそうだ。
 
新しい景色、初めて会う人との会話、食べたことがないもの。
旅を通して未知のものを取り入れることで、わたしたちの心も、健やかに保たれてきたんじゃないだろうか。
 
 
最近は、自転車でちょっと遠くまで、全く知らない道に行ってみるということをやっている。
家からたった15分で、びっくりするほどの深い自然に囲まれたりする。
お手軽すぎる旅だけれど、いちいち景色に驚いてはうれしくなっている。
ペダルを漕ぐ靴も、同じ気持ちだったらいいな。
 

編集:三浦


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