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BOOK TALK vol.13 美味しいを探しに旅する一冊


 
 
「旅と本」と聞いて思い浮かべるのはどんなことでしょうか?
 
読むと旅に出たくなる一冊、旅の途中に出会った一冊、旅先で読みたいと思うような一冊などなど…
お気に入りの本にもそれぞれ個性があります。
 
NAOTスタッフが旅にまつわるエピソードを交えて、お気に入りの本をご紹介。
 
第十三回は奈良店スタッフの辻村おすすめの、「美味しいを探しに旅する」一冊。
どうぞご覧ください!
 
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題名:『肉まんを新大阪で』
著者名:平松洋子
発行年:2018年
出版社:文藝春秋
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私の小さい頃から好きなことは、食べること。
食べることが大好きな私が、本を読む時についつい探すのが“美味しい文章”。
美味しい文章とは、私が勝手に考えた言葉ですが、
読んでいるとついお腹が空いてしまう文章のことを指します。
 
 
今回紹介する「肉まんを新大阪で」は、その1つ1つを食べたくなる
美味しい文章にあふれた一冊です。
本の中では、平松洋子さんが様々な場所で出会った食べ物をこれでもか!と
美味しそうなエッセイが76篇も。
これだけでお腹いっぱいになってしまうなぁとぼんやり思ってしまいました。
 
 

△下田昌克さんの挿絵も素敵。
 
その中でも「うに丼を津軽半島で」に出てくるうに丼はとんでもなく美味しそうです。
青森県の津軽半島にやってきた著者。
その道中、“とんでもないうに丼”の聖地である外ヶ浜に立ち寄ります。
うに丼を食べた著者から出る、美味しい文章の数々。
その中でも「うにのラインダンス」という言葉にぐっと引き寄せられてしまいました。
頭の中で想像したうに丼を前に私は戸惑いを隠せません。そ、そ、そんなにうにが並んでいるの?!
つい実際に食べたくなってうに丼を探して旅しました。
(写真に撮るのを忘れるほど美味しかったです。)
 
 

 
この本に出てくる食べ物はどこかに行って食べるものだけでなく、実際に著者が作っているものも多くあります。
「今夜も肉だんご」に出てくる、風邪を引いてしまった著者が作る肉だんごスープは美味しそうでつい作ってしまった1つ。
 
悲しいことに実際文章の通りの材料はなく、
美味しくなるようにあれやこれやといろんなものを探し回りました。
文章から想像して模索しながら作るのも、ある意味美味しいを探す旅なのではないかなと思います。
 
人間誰しもお腹が空いたら美味しいものが食べたくなるもの。
この本を読んでお腹がなったら、美味しいを探しに旅してみてはいかがでしょうか。
 
 
 
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編集:辻村
 


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