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小谷実由の褒美時間 vol.1

 
 
おみゆさんことモデルの小谷実由さんによる連載エッセイ。今回のテーマは、褒美時間です。
 
今年最後のお話は、ある日おみゆさんにおとずれたご褒美の時間について。
みなさんの最近のご褒美、そして今年のご褒美は何でしたか?
楽しかったことを振り返りながら、どうぞご覧ください。

 
 


 


今年最後の更新です。2020年は、いろんな方面で日々に変化が起こった年だったと思います。当たり前が当たり前じゃないことなんてとっくの昔からそうだったし、むしろ当たり前が当たり前という意味を発揮したことなんて本当は一度もないのではと思っていたことが確信に変わってしまったけれど、気付けて良かったような気もしています。一瞬一瞬が全て本物であり、些細なことでもしっかり味わって飲み込めば味わい深い。そんなことを思えた日々でもあります。そんなことを思いながらこれを書いてるのは11月に入ったばかりのとある日の小夜。まだまだ年末モードとはいかないものの、今年も残りわずかなのかなんてちらほら感じる今日この頃です。
 
今日は丸一日お休み。夏から週に1回通い続けているピラティスへ行き、すぐにとんぼ返りして家で読書でもしてのんびり過ごすかなんて思っていると、珍しく友人から電話が。「最中が買えたから一緒に食べよう」というなんとも魅力的そして突然過ぎるお誘いの電話。数時間後に落ち合うことを約束し、最中のことしか考えられない頭でトレーニングをこなし、友人の元へ。もうお腹はペコペコです。
 
渋谷の雑踏の中、颯爽と現れたのは友人の中田クルミ。私の友人の中でも指折りの快活で気持ちの良い素敵女性です。左手にはずっしりと何かが入った袋を抱えての登場、それはもしかして本日の主役たちかしら。落合って早々にお腹空いたよ〜なんて言えないので(その後わりとすぐに言った)歩きながらお誘いしてくれた経緯を聞いてみた。用事で銀座に行っていた彼女。ずっと気になっていたけどいつも売り切れている和菓子屋の前を通り掛かった際、その日はなんと行列が。一番後ろのおばさまに「買えるんですか?」と声を掛けてみたところ今日はまだ買えるらしい!とわかり、わざわざ銀行へお金をおろしに行って再び舞い戻りその行列に並んで買ったそう。こんなことは滅多にないとその時に買える詰め合わせの和菓子3種類を購入。この喜びを誰かと共有したい!!となった時にありがたいことに私を思い浮かべてくれたということであった(ありがとうございます)。
 
そんな話を聞いて最中へのボルテージを共鳴させた私たちは、宮下公園へ。渋谷のど真ん中の空の下、無事に座る場所を見つけ、やっと本日の主役たちとご対面の瞬間がやってきました。クルミ氏の買ってきてくれた面々は、今回のお誘いのきっかけになった最中・季節の和菓子たち・そして、『吾輩は猫である』にも出てきた夏目漱石が愛した餅菓子。自動販売機で緑茶も買って準備万端。ちゃんと記念撮影もして準備万端。もうあとは心置きなく戴くのみ。
 
その後の堪能タイムはもう夢のよう。「全ての存在が確かだよ」「え?あんこが全種類違うよね?一体何種類作ってるんだろう、、?」「口に入れた瞬間消えた!」「柔らか過ぎてもう飲んでいるのでは」「湿度が良いですねぇ」「美味しい」。渋谷のど真ん中の空の下、ふたりで和菓子を口に運ぶたび品のある味わいに感動し、それぞれのお菓子たちにつけられた名前にも悶絶する夕暮れ。
 
月日を決めたり、ちゃんと計画して味わう幸せも過程が愛おしく、楽しいことで素晴らしい。だけど、こうして突然舞い降りてくる幸せに私は「褒美」という言葉を授けたいと思うほど嬉しさに満ち溢れてしまった。ちなみにこうして友人と慕っているクルミ氏だが、彼女がモデルとして活躍しているときからずっと大好きだった憧れの存在で、この日に起こったひとつひとつの出来事をまた再び噛み締めながらこれを書いているのでした。二度美味しいなんてもんじゃない、十度くらい美味しい一日。明日からもまた精進して頑張ります。

 
 

 
 


 

Instagram: @omiyuno
 


 
 

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★お口に入るご褒美はまた格別でございます!
 
次回は、いよいよ2021年! 1月8日(金)公開予定。


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