2020年も、残すところ数日。
例年、「今年はどんな出会いがあったかな?」と振り返ってきましたが、今年は本当に、お客様みなさまの言葉ひとつひとつにたくさんの気づきと勇気をいただいた年でした。
メールでも、電話でも、お店でも、SNSでも、靴箱に入れてくれた小さなメモでも。
本当にありがとうございます。
スタッフのみんなに「今年あった嬉しかった・ほっこりしたエピソード」を聞きました。
前編・後編の2回に分けてお届けします。

今年は大変なこともいろいろあった一年でしたが、同時にNAOTでいろんなことを始めた一年でもありました。
特にインスタライブやyoutubeチャンネルは、全国のお客様に直接、自分の声で靴への想いを届けることができたので、とても印象深かったです。私の馴染んだCLARAをみて、実際に同じ靴を選んでくださる方もいらっしゃったり、お店に来てくださったお客様が動画見てるよ!とお声をかけてくださる方がいらっしゃったり、本当に嬉しかったです。
5月ごろにサイズのご相談にお答えしたお客様。
初めてのNAOTの靴選びということで、IRISのサイズについて提案させていただき、ご購入いただきました。
私ごとですが、そのときはまだ入社したてのタイミング。緊張しながらのお客様へのサイズ提案だったので、その後も快適に履いていただけているかしら…と思いながら過ごしていました。
すると数ヶ月後に、そのお客様と偶然お電話をさせていただく機会が。
IRISのサイズがとてもぴったりで、すっかりNAOTの靴にハマっていますと教えてくださいました。
履き慣らした靴をお写真でも見せていただいたのですが、とても素敵な風合いに育っていて、とても嬉しかったです。
NAOT AICHIがオープンした今年はお一方に絞れないほど色々なエピソードがありますが、昨年まで名古屋キャラバンでお会いしていたお客様たちが、NAOT AICHIのために犬山に足を運んでくださるようになったことが嬉しかったです。
「犬山っていうのがNAOTらしいね!」「お店が家の近くにできて本当に嬉しい」「牧さん愛知に来たんですね、会いに来ました!」なんて言ってもらえることが増え、お客様が喜んでくれているのを感じると、とてもありがたいです。私自身も毎年キャラバンでお会いしていた方々なので、久しぶりの再会を楽しんでいます。またその方が親しいご友人やご家族を連れて来てくれるのも嬉しい。自分の名前を覚えてもらえることも、なんだかとても嬉しいです。
天国に行かれたお母様のことを、メールで教えてくださったお客様のこと。お母様は、IRISを愛用してくださっていたそう。「NAOTの靴は母の晩年を幸せにしてくれたもののひとつでした。」というお言葉を頂戴して、本当に涙が込み上げてきました。
本当に個人的な話ですみませんが、今年の秋に、自分の父親がはじめてNAOTの靴を買いに来ました。ずいぶん前に一度NAOTの靴を買う?みたいな話にはなったことがあったけれど、実際に買うまでにはならず、革靴には興味がないのかと思っていました。
昔から、スーパーのチラシに目を光らせ、いかに安いものを買うかということに誇りをもっていた父、あかんくなったら、買えばええやんの精神でいたので、靴も、いつも値段を言ってきては安さを自慢されていました。
そんな父が、「今履いてる靴があかんようになったから、NAOTの靴、買おかな」と言ってきた時にはびっくりでした。「やっぱ修理して履ける靴がええしな」とまるで別人のような発言には、こけそうになりました。
オールソール交換ができて、脱ぎ履きしやすい(高齢の域になっているので)EIGERを、とお店に来る前から考えていたのですが、やはり、最終的にはその靴になりました。
昔から、父の手元はよく見てきたけれど、そういえば、足元ってみたことなかったな、と思っていたより細い父の足を見て思いました。たくさん履いてくれるといいなあ。
ある日、「お葬式で履ける靴はありますか」とお電話でご注文をくださったお客様のこと。受話器から聞こえたのは、焦っていらっしゃるような、不安げな声。お話を伺うと、ご主人様がその時まさに旅立たれようとしていて、とのこと。大変な状況のなかお電話をくださったと想像すると、胸がつまるような思いでした。
お電話越しに、あふれ出すように、奈良での思い出をお話ししてくださいました。長いお休みの時はご夫婦で奈良に遊びにいくことが楽しみだったこと、NAOT NARAでお買い物を楽しんだときのこと、またNAOTへ行こうねと旦那様とお話しされていたこと。
この靴がお守りみたいになってくれたらと願いを込めて、「この靴でしっかり歩いていけますように」とお手紙を添えさせてもらいました。
後日、またお電話をくださいました。「手紙に書いてくださったように、その日は本当に、しっかりと歩くことができました。ありがとう」と、涙しながらお伝えくださって、ありがとうございました。わたしも涙しながらお話ししたこと、一生忘れないと思います。その靴が、いまも毎日を支えていてくれたらと願っています。
春の自粛期間中、外へ出られず悲しいことばかり毎日考えていた、という女性のお客さま。そんな日々の中、雑誌でNAOTを知ったそう。お店にいらして「早く外へ出てNAOTの靴を選びにゆくのを楽しみに毎日を過ごしていました。」と言ってくださいました。NAOTの靴やお店を開けることが、お客さまの希望になっていることがありがたく、幸せでした。
ほっこりするエピソードから、うるっとするようなお話まで。
後編に続きます。
編集:三浦