NAOTの靴との出会い。
NAOTの靴と出会って知ったことや、感じたこと
そして変わったこと。
スタッフそれぞれにもその歴史があります。
現在、NAOTの靴は奈良のならまちにある直営店「NAOT NARA」
そして東京・蔵前の「NAOT TOKYO」から全国に発信しています。
でも元々はNAOT NARAから、ほど近い場所にある姉妹店
オリジナル服と雑貨のお店「風の栖」でご紹介をしていました。
“NAOTの靴は、どうして奈良にあるの?”
そんな謎が少し解ける、第1回「私とNAOT」
※この記事は、2017年に公開されたものを再編集しています。
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ー 「靴選びにどれだけの時間と、労力をかけてきたか!」って
いつもおっしゃっていますよね?ぜひ「靴の話」聞かせてください!
それはそれは、靴にはずっーと悩まされてきました。
私の足は、典型的な幅広・甲高。
日本人の足よね(笑)
ー 確かに!特に甲部分がとても高いですよね。
背も高いし、足の長さもありますしね。
そうなのよ!
ヒールはね、5cmまでのものしか履かなくて
それ以上のものは履きたくても履けなかったんですよ。
今の若い子たちは10cmくらいヒールの高さがある靴を履いて
男性よりも背が高くなっている子もいますよね。
でも私たちの時代、女性は少しでも小さく
華奢に見せないといけない時代だったから。
私は全然そんなことなかったんだけどね!(笑)
当時は、私の洋服にはスニーカーが合わなくて
かわいい靴ってなると、つま先が細くて、
甲周りなんて関係のない指先だけを隠すような、
そういう靴しかなくて。
出先でずっと歩いて、駅に着いたと思ったら、バスに乗って…
バスを降りたら新興住宅地だから坂を下っていくんですけど
その頃にはもう浮腫んじゃってて。
我慢ができなくて靴を脱いで歩いて帰ったこともあるのよ!(笑)
もちろんそういう靴ばっかりではなかったけど
とにかく苦労してましたね。
だから、足や靴の悩みがなにもない人が
本当に羨ましかったです。
ー 靴の選び方も、時代背景があるんですね。
そんな風に考えたことなかった!
靴屋さんに行くと、店員さんに「この靴“なら”入りますよ。」
って言われるんだけど、それをみて「入るはずがないわ…」
って思ったりね。
だから恥ずかしくて「お願い!私のところに来ないで!」
って思ってました(笑)
それだけ自分の足のことも分かっているつもりだったし
靴もたくさん見てきたんです。
幅周りが細い靴、インソールが硬い靴…
足が入るは入るけど、なにか違う。
いい靴があると聞けば試しに行って
ドイツやイタリア、海外へ行ってもいつも靴は探していました。
ー NAOTの靴との出会いはいつだったんですか?
もう15年以上前かなあ。
とある展示会で、ちょこんと置かれてあったのよ。
展示している靴は小さいサイズだったし
もちろん新品だったから、足が全部は入らなくて
かかとが出ちゃってたんだけどね(笑)
でもNAOTの靴に出会ってはじめて履いたとき
「あ、今までの靴とちがう!!」っていう衝撃が
ドーン!!と私の中に入ってきたんです。
「なにこれ…!?」って。
そして、このインソールは私の足に馴染む!!
って直感したの。
そのとき、買って帰ったのかは忘れちゃったんだけど
はじめてNAOTの靴を履いて3日、本当に足に馴染んだんですよ!
新品の靴だったのに夏だったから素足で履いてしまって
マメができたんだけど(笑)
この靴はやっぱり馴染むって確信しましたね。
ー その靴をどうしてお店で取り扱おうと思ったんですか?
この靴は大げさじゃなく、「私を救ってくれた」ってよく言うんだけど、
ということは私の家族も救ってくれるなって。
家族もみんな同じ足してるから!(笑)
うちの母も姉も。
だから最初は6足だけ仕入れて、まず私が履いて、
家族が履いてって…
お店でも帰ろうとするお客さんを捕まえて
「履くだけはタダよ!(笑)」って履いてもらう。
毎日それを繰り返してたのが始まり。
その時はただこのNAOTの靴の良さ、感動を伝えたくて!
そうすると靴に悩んでる人って
本当にたくさんいるんだなって知ったんですよ。
しばらくして、仕入れ先が輸入をやめるっていうから
引き継いで、今ここにいるの。
すべて偶然なんだけどね。
ー 引き継ぐって一言でいっても簡単なことじゃないですよね?
私は何もできないけどね(笑)
娘夫婦が英語が出来たり、輸入の知識が少しあったり。
でもそうしてまで、私はこの靴を届けたいって思ったの。
地道にやってたら、こういうものって与えられるんだなって
そのとき思いましたね。
だからね、私は本当にNAOTが大好きなのよ!
絵に描いちゃうくらいね。
ー もしかして、この絵はNAOT NARAにも展示している
私たちの宝物の例の靴ですね?
そうそう。
この靴の絵は、お客さんがたくさん履いてた
格好良い靴を譲ってもらって描いたのよ。
持病がある女性なんだけど
風の栖にきて、靴を持って帰って、元気をもらってるの
ってずっと来てくれてるのよ。
それですごい親しくなって。
靴を見ると、たくさん履いてくれているのが分かるから
すごく嬉しい!
今でこそ、この靴はオールソール交換もできるけど
当時はできなくて、買い換えるっていうから
譲ってもらったんです。
ー かかとも3回くらい補修していますよね。
修理のあとも、足形がくっきりついたインソールも
キズもシワも全部わたしは勲章だって言ってるんです。
これだけ履くと愛着湧くし、格好良いですよ。
だからこれは絵になるなって。
今もみんながNAOT NARAで飾ってくれていてすごく嬉しい。
NAOTの靴はこうやって“育ててほしい靴”なんです。
ー たくさんあるNAOTコレクションの中で
特に思い入れ靴、その靴にまつわるエピソードを教えてください!
それはもう絶対に“IRIS”ですね。
旅行が好きな私にとって国内はもちろん
海外でも大抵の場合、“IRIS”で行きます。
この写真は長野県 白馬八方池で撮影したもの。
こんな所へ履いて行くことはおすすめしませんが…
しっかり歩けましたよ!(笑)
それから海外へ向かう飛行機の中、
ホテルやヨーロッパの石畳も。
どうしてもの時にだけ、別のNAOTをもう一足持って行きます。
イタリア ヴェネチアのカーニバル。
2月のヨーロッパは寒いのでショートブーツの“CHI”を持って行きましたが、
やっぱり結局“IRIS”で歩き回りました。
モンゴルでも“IRIS”で。
アジアでは素足で履きたいけど
日焼け予防も大切だからサンダルではなく“IRIS”
とにかくどんな時も大活躍です!
ー 最後にお伺いします。ズバリ、あなたにとってNAOTの靴とは?
わたしの人生救ってくれたもの、かな。
お出かけしていても、いっぱい歩けるから。
神経が足にいってたら楽しくないじゃない。
地を踏むことができる、やっぱり歩くことが大切だと思うから。
Momma always says
there’s an awful lot you could tell about a person by their shoes.
Where they’re going. Where they’ve been.
ママはいつも言っていた、
靴を見たらその人のことがたくさんわかるって。
これからどこへ行くのか、どこから来たのか。
さて次回はどんなお話が飛び出してくるのでしょうか。
第2回「私とNAOT」お楽しみに!
番外編
“靴箱みせてくださ〜い!!”
IRIS Matt Blackカラー(右)
IRIS Jadeカラー(左)
穴が開いてしまうほど履きつぶしてしまいました。
それでも捨てられない大切な靴。
IRISは他にもいろんなカラーを楽しんでいます。
DANIELA Matt Blackカラー
ソックスを合わせてカジュアルにも、履きます。
TRENDY Matt Blackカラー
冠婚葬祭用。ボタンがひとつ取れちゃって、
服が紫だったから、それにあわせてボタンつけたの。
KAYLA Champagneカラー(右)
素足で履くときは肌なじみがいい色を選びます。
一番軽くて、雲の上を歩く?みたい。
素足にどれだけいいか!
シンプルなデザインで、本当に暑い真夏に履きます。
CHI Copperカラー
実家がある仙台で、靴下3枚重ねて履くから
それに合わせて広がっちゃった(笑)
靴底の裏のシダ模様の痕が雪道につくのがいいのよ。
ショートブーツ
BOBCATの親戚、今はもうないショートブーツ。
底がしっかりしているので、
トレッキングにも使っています。
靴を選ぶとき「靴は大切な脇役」「自分の足の形を知る」
ということに気をつけています。
靴は育てるものなので、大きいものは選びません。
修理してでも履きたくなるデザイン、そして素材も大切だと思います。
#1 風の栖スタッフ村上の「私とNAOT」
