※この記事は、2017年11月に公開されたものを再編集しお届けしています。
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私たちはこれまで NAOTという靴を通じて、多くの方との出会いがありました。
出会った方はミュージシャン、イラストレーターさん、文筆家さん、
カフェ店主さん、作家さん等、それはもう様々なお仕事をされている方ばかり。
ふと、疑問が湧きました。
NAOTの靴を通じて出会ったあのひと。
私たちの「はたらく」を通じて出会ったあの人は普段はどんな風にはたらいているのかな?
気になるあのひとのお仕事ってどんなものなんだろう?
なにがきっかけでそれをはじめたんだろう?
はたらく姿勢。はたらく理由。はたらく道具、洋服。はたらく仲間。
意外と知らないあのひとの事、もっと知りたいな。会いに行ってお話してみたい!
人の数だけある「はたらく」にまつわるストーリーを聞かせていただきたいなと考えました。
第1回目のインタビューをさせていただくのは
奈良を代表するパン屋さん「MIA’S BREAD」の森田三和さん。
いつも私たちを笑顔にしてくれる MIA’S BREAD のパン、
NAOTスタッフも大大大好きなパン屋さんです!
今回はそんなパンを生み出している三和さんにお仕事のお話を伺いました。
どうぞご覧ください。
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ー パン屋さんをはじめたきっかけは?
もともとパン屋さんには全然なる気がなかったんです。大学でデザインを勉強して、
実際にグラフィックデザインやテキスタイルを仕事にしていました。
パンづくり自体は好きで、自分をやる気にさせるものだったんです。
むっちゃ美味しいもの食べたり、いい音楽を聴いたらいいイメージが湧いたりするでしょう?
美味しいもの食べたいから自分でつくる。それで仕事のアイディアが膨らむ。
自分をふるいたたせるために、自分が美味しいなと思うパンをつくりはじめました。
めっちゃ美味しいから友達にあげて共有したい!またつくりたい!って。
ー 誰かに習った訳でなく、ご自身で作りはじめたんですね。
そうなの。
デザインの仕事も「人に何かを伝えるため」にやっていますよね。
でも会社勤めなので、100%自分だけの世界観ではできない。
ないものをつくりたい、イメージが湧く、もっとこうすれば良くなる!
と、いうパワーがパンにも向いていったという感じです。
100%自分ワールド!的なものはパンの中で表現していました。
パンをたくさん焼く、自分の分だけ置いておいて、あとは全部あげちゃう!
そのくりかえし。ある日、友達からオーダーがあってパンを焼いたんです。
少ししたら、その友達の友達からもつくって!というオーダーがあった。
メニューをつくってみたら、そのコピーが人づてにだんだんと広がっていったんです。そのうちに知らない人も買ってくれるようになってきて、新聞やメディアに掲載されるようになりました。
それからどんどんオーダーが沢山入るように。
もういよいよ仕事に行けないくらい、忙しくなってきて…
ちょうどその時は産休中だったのですが、
その後は仕事に戻らずに、パン屋さんにシフトしたんです。
ー ミアズブレッド誕生ですね!
もともと、さかのぼると21歳のときにMIA’Sはできたんですよ。
カンザスにデザインの短期留学をしたんですけど、その時のアメリカンネームが
「MIA’S(ミアズ)」だったんです。自分の作品には全部(MIA’S)と書いて提出していました。
なので昔からつくっていたパンのラベルも全部「MIA’S BREAD」。
パンを毎日焼くようになってきてからは20年なのですが、
MIA’S歴は35年!長いでしょう笑?
ー はたらく上で大切にしていることはありますか?
ないものをつくる、つくるものは自分のオリジナル100%。
自分のイメージを伝える、というところに重きを置いています。
自分が考えたものを色々組み合わせると唯一無二のものができるでしょう?
もちろん自信はないから沢山つくります。それで自分が素敵!一番いいな!と思ったものをつくる。
私がいいと思ったものはひとが嫌いでもかまわないというマインドです。めっちゃ自己中(笑)
だから自分が納得できるものをつくりたい。ひとをものさしにはしないんです。
もともと仕事にしていたデザインの仕事も、今やっているパンづくりも、
自分の中では「考えてつくる」事というのは全部一緒。
だから昔も今も何も変わらないんです。
自分のいいと思うもの、好きなものを集めていく、そんなイメージでやってきましたね。
そのひとつがパンであり、今の形。
パン屋さんだけど、ごはんのお弁当も作っていますしね。
ー たしかに!! 個性的なサンドイッチも、お店のワクワクする空間づくりも
誰にも真似できない100%三和さんの世界観だなぁって感じます。
そして、妥協はしたくない!
パンもとてもシンプルな形なのだけれど、全部考えて作っています。
例えばスープひとつとってもそれは同じ。
材料が10種類あったとして、切り方、順番、火加減、で味がきまる。
どれかが違うだけでも、全部、同じものは絶対にできない。
文字だけみて作ろうと思っても作りたいものはできないんです。
今、塩が必要とか。この素材でないと、とか。順番とタイミングと素材との対話。
コーヒー淹れるにしてもサンドイッチひとつ作るにしても、
全部感じながら、考えながらつくっています。
自分がイメージできることはできること。
考えて考えて考え抜く。簡単なものじゃないけど、それは常にやっていますね。
ー 仕事のやりがい、原動力は?
やっぱり人!
商売とかお金儲けとかのためではなく、人と出会うためにやってるところはあります。
出会えたひとは私にパンづくりをつづけて欲しいからパンを買って対価をくれている。
うまれたものは全部わたし一色のもの。
それを人から本当に好きだって言われたらめっちゃ嬉しいでしょう?
それが原動力ですね。食べたいと思ってくれる、だから続けていられる。
ー そのご縁が繋がって繋がって、MIA’S BREADができたんですもんね。
ご縁もね、なんかね、やってくるんですよ。
「こっちにおいで」がやってくる。
自分が自分のありのままでいたら、そこに必要な出会いがあって、そこからオーダーがやってくる。本の出版のことや、お店の出店依頼とかも。そこには人との出会いがいつもありました。
それに向かって前向いてやりとりするうちに形になるんです。
自分に言われてる事は全部できる事やと思っているから、
本づくりもそれを楽しむって所に集中して取り組んでみたら、1冊でき上がった。
私がやりたいということを知ってたのかしら?って思うくらいやってくる。正面向いて考えてると、できることがいっぱい浮かんでくる。できないことは考えない!いつだってそこに真撃に取り組むだけなんです。
ー 最後に。そんな三和さんの座右の銘を教えてください!
ある日、ヒュルヒュルっと出てきた言葉でね…
「雨にも負けず、風を楽しんで、太陽にジャンプ!」
いつも本のサインに書くんです。
それは自分の中にある「負けない心」と「楽しむ心」と「飛び出す心」
どれもひとつだけではだめだと思っていて…
常に自分の中のものをアウトプットしていく、そこに集中しています。
そして、ひとつの場所には留まらないようにしてます。常にチャレンジ!
いつも太陽にジャンプするような気持ちでやっているんですよ。
▲「立ち仕事にはかかせなくて」と、NAOTのサボをたくさん愛用くださっている三和さん。
この日の足もとは自身のファーストNAOTである IRIS Crazy Horse 。
もう10年以上、修理をしながら履いてくださっているとのこと。すごい貫禄です!
● MIA’S BREAD ( ミアズブレッド )
<本店>
所在地 : 〒630-8343奈良市勝南院町2
定休日 : 月曜日、火曜日 0742-27-0138
営業時間 : 8:00~18:30(売切れ次第終了)
URL : miasbread.com/