基本のお手入れ -ワックスを使ったツヤの出し方編-
ツヤっとした靴を履いているとなぜだか背筋が伸びて、颯爽と街を歩きたくなってしまいます。
信号待ちの時、ふと立ち止まって足下を見ると、ツヤツヤの私の靴。
よしっ!とまた歩き出す時、気持ちは少し誇らしい。
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今回はスタッフの大津が、革をいつもよりツヤっとさせる方法を皆さんにご紹介したいと思います。

かく言う私も、元々は「ツヤを出したい派」というわけではありませんでした。
靴磨きに興味を持ったきっかけは、靴磨きが好きなスタッフにお願いして、一度私物のKEDMAに、「鏡面磨き」を施してもらったことでした。
出来上がりを見ると、まるで水に濡れたようなツヤが出ていて、おお〜!と見とれてしまったのを覚えています。そして、「私もやりたいっ!」と鼻息荒く靴磨きを伝授してもらったのでした。
今では、鏡面磨きがどんどん楽しくなってきて、「今日は磨いちゃおうかな♩」と事あるごとに靴を磨いています。
始めてみると楽しい鏡面磨き。
ツヤツヤな足先がお好きなら、この記事を参考に是非挑戦していただきたいと思います。
それでは早速「ツヤの出し方」のご紹介に参ります!
STEP1:靴の汚れを落とす

まずは、馬毛ブラシなどで全体の汚れを払います。
靴には凹凸があるので、細かな部分もブラッシングしてあげましょう。
次に、リムーバーを布にとって靴を綺麗にしていきます。
汚れをしっかり落としたい場合、もしくはすでに鏡面磨きをやっていて、前回のワックスが残っている場合などは、しっかり落としてからやりましょう。
強めのリムーバー(SAPHIR レノマットリムーバーなど)を使っても良いと思います。
はじめて鏡面磨きを施す場合やあまり汚れていないのであれば、マイルドなリムーバー、ステインクレンジングウォーターで十分だと思います。
STEP2:いつも通りの保湿をする
表面がベトベトした状態だとワックスが滑って土台が作りにくいので、さらっとした乳化性のクリームを使うのが良いかもしれません。
今回はM.MOWBRAY デリケートクリームを使用しました。
触ってみて、指がぬるっと滑らずしっとりした状態になったら…ついに磨きの工程に入ります!
STEP3:ワックスを使って磨き上げる
使用するのは、こちら。
・水
・M.MOWBRAY トラディショナルワックス
・ポリッシングコットン
(・シューツリーなどがあれば、入れると安定してやりやすいです。)
まず指にワックスを取り、つま先の部分に塗っていきます。最初の方は、指で優しく、革表面の凹凸を埋めていく意識で。ここが土台となるので、丁寧にやりましょう!
△ワックスは芯が入っている硬い部分に塗ってください
芯が入っていない部分に塗ってしまうと、歩いた時に革が折れ曲がり、塗り重ねたワックスが汚く崩れてしまうのです。
△こちらはつま先の右半分に指でワックスを塗ったところ
磨く前(写真向かって右半分)はこんな風にマットになります。
一度塗ったら、少し放置してワックスを乾かします。
△ワックスは指に少量ずつとり、5分ほどずつ時間を置くことが重要です!
次はついに磨きの行程です。
布とワックスがくっつきやすいので、潤滑剤として水を使います。
△このように水を指につけて…
△一滴ワックスを塗った上に垂らします
△磨く面にシワの寄らないように、しっかり指に布を巻きつけて…
△くるくる優しく磨いて磨いて…
どうだ!
あとは「ワックスを塗る」工程と「水を垂らして磨く」工程を納得のいくまで交互に繰り返していくだけです。
△自分が納得のいくツヤが出るまで、焦らず、根気強く続けましょう。
好きな音楽でもかけて、ゆったりやるのもいいですね!
△完成したら、こんな感じです!じゃん!
今回は8回ほどでこんな感じ。ちょっとやりすぎたかな?
回数は革表面の凹凸の具合や磨きに慣れているかどうかによっても変わります。
大津、もっと精進します!
完成度に関して言うならば、「練習あるのみ。」
やっていくうちに、力加減・ワックスの量・時間配分など、コツが掴めてきますよ。
ここがポイント!
一つ目:磨くのは革が折れ曲がらない部分だけ!
折れ曲がると重ねたワックスにヒビが入ってしまいます。
二つ目:磨く時につける水の量は、コットンクロスが「湿る」程度。
濡らしすぎ・濡らさなさすぎには気をつけましょう。
三つ目:焦らず気長に楽しむこと。
ぜひ、皆さんも挑戦してみてくださいね!
編集:大津
#お手入れシリーズ