月に1度お届けしている「ねことくつ」にまつわるコラム。
ねこも、くつも、一緒にいる時間が長くなるほど、お互い馴染んで、いつの間にか相棒のような存在になっていくもの。
奈良を代表するパン屋さん「MIA’S BREAD」の森田三和さん。
美味しくてしあわせな気持ちになるパン。
NAOT NARA店の近くにあり、私たちも大好きなパン屋さんです!
今回は番外編をお届けいたします。

靴の中のえんどう豆
モモは小さくてコロコロ転がるものが大好きだ。
ギータが壁に刺さっている丸い画鋲を落とし、モモがそれで遊ぶ。
そのうち玄関に並べてある靴の中に入り込む。
朝出かける時、痛っ! と何度叫んだことか。
おかげで毎日履く前にチェックするようになった。
えんどう豆ぎらいの息子が東京で一人暮らしをするようになってからは、息子がいない寂しさを紛らわすためにも豆好きの娘と私用に、季節には毎日のように食卓に登場するようになった。
帰宅して冷蔵庫を開ける音がしたら必ずと言っていいほど、モモが足元にいてる。
剥く時にぽろっと落ちてくる豆を楽しみに待っているのだ。そして、落ちて来た豆で散々遊び、見失ったらまた足元に来る。その姿が可愛くて、モモのためにえんどう豆を常備するようになった。
ということは、春は毎日のようにサボの中にえんどう豆が入っていることになるわけだ。
近所の八百屋さんが「おたく、えんどう豆好きやなぁ。今年はもうこれで最後やで」と教えてくれた。春の終わりにたんまり買って、モモと私たちのために冷凍した。
昨年の夏、久しぶりにNAOTで靴を買った。私はすぐに箱を捨てるのはどうも苦手で、しばらくは箱のまま置いておく習慣がある。昔は靴箱にカセットテープを収納したり、年賀状をしまっておいたりしたものだから、つい、今回も何かに使えないかと捨てないでいた。
すると箱好きのギータが近寄って来て入ろうとした。ギータは箱が大好きなのだ。ダンボールはもちろん、ちっちゃい時は靴箱にも入って遊んだものだ。
箱を見つけたギータは、しばらく頭を突っ込もうと格闘していたけれど、自分の体が大きくなって入れないことが悔しいのか、羽交い締めにして箱をやっつけていた。
我が家に来た時は2匹とも靴よりも小さかったのに、今は靴よりも大きくなって偉そうにしている。
そして、娘も私も家にいて靴が並んでいる時はやはり嬉しそうに見える。






-次回#4は、2月公開予定-