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小谷実由の回復時間 vol.1

 
 
おみゆさんことモデルの小谷実由さんによる連載エッセイ。2021年あけましてのテーマは、回復時間です。
 
何をはじめるにも、体や気持ちが疲れきっていると動き出せませんよね。
疲れた〜!っていうとき、おみゆさんはどうやって回復してるんでしょう? どうぞご覧ください!

 
 


 


1月ですね。あけましておめでとうございます。例の如くこちらはまだ2020年です。季節を感じないまま、当たり前が当たり前じゃないことを何度も突きつけられた日々でも12月31日が過ぎたら1年がまたプラスされて2021年になるのですね。時間という概念が変わりそうな、やっぱり変わらなそうな年でした。呑気に2020年を振り返るなんてこれを読んでいる未来の1月の方々に野暮なこともさせたくないので、ここではそういうことは書かないですが、何だか少しずつ大人になってるんだな。といろんな角度から、嬉しいことや悲しいことを感じた1年でした。兎にも角にも2020年の2月に掲げていた健康(閃光時間vol.1参照)という目標は守り抜けた気がします。それだけでバッチリということにしましょう。
 
今日は朝から撮影。珍しく衣装を変えて変えての20カット以上の撮影でした。今朝は寒くて布団から出られず(冬の風物詩ですね)、「帰ったら絶対好きなだけ寝てやる…!!」と何の親の仇だよぐらい誰に当てるわけでもない恨み節を抱えながら布団から出ました。撮影が終わったらヘトヘトかと思いきや、カット数が多いほど燃えるタイプの女なのと、たくさん素敵な服を着て嬉しくて楽しい撮影だったので結果そんなに疲れず帰宅。そんなわけでいまこれを書いております。でもね、気が抜けたらやってくるんだよね。なんか眠いなっていうあれ。其奴の正体はまさしく疲れです。働いたー!!!と自分を労りたいとき、あなたなら何しますか?
 
私はひとまずお風呂掃除をします。そして、浴槽にたっぷりお湯を溜める。その間に、寒くなると買い集める使い切りタイプの入浴剤を並べて、さて今宵はどれにしようかと思案を始める。最近のお気に入りは某”きき湯”。名前の如く効いている感じがするのと(単純)、なんだか子供のころに温泉の素を入れてお風呂に入って感じていた、特別な気持ちを思い出して心もなんだかじんわり温まるわぁなんて気持ちになるので。人間思い込みが大事な瞬間って案外多いものです。
 
さて、お風呂の準備が整ったらあれです、お風呂に入りながら読む本選び。カバーやしおりなどは ちゃんと外して持ち込むのが基本(以前しおりを挟んでるのを忘れてページをめくったらしおりが入水した経験あり)。最近気づいたことは単行本は向いていないということ。文庫本派なのであまり単行本をお風呂に持ち込んだことがなかったのだけど先日買ったばかりの岸本佐知子さんの新刊『死ぬまでに行きたい海』を買ったばかりで待ちきれずお風呂でじっくり読んでいたら、お風呂から出た後に本を横から見たらなんだか全体的に湿気て少し膨らんでいた。ヘコんだ。5分後にそれも私だけの本の味ってことで!と思い直した(またも単純)。以後単行本はお風呂に持ち込み禁止にしています。そんなわけでこんな準備段階を経て、いざ入浴。放っておくと1時間ほど入ってることもしばしば。ふやける。
 
お風呂って私にとって一番頭が働く場所で、ひらめきが起こりやすい場所ナンバーワン。突然シャワーに紛れてひらめきが頭に直撃してきたとき、忘れないようにメモが取りたい…!と思う。かれこれ数年、お風呂で書けるホワイトボードというものを導入したいと考えています(現実はいつもお風呂からタオル一枚で大慌てで出てきて紙かスマホにメモする)。お風呂に作業スペースが欲しいという奇天烈なことを思っています。ホテルにあるようなあんな広いバスルームが家にあったら作業机を置きたいという果てしない夢。家族へ、私の部屋はバスルームの中でいいよ。
 
そんなくだらないことを考えたり閃いたり、本の世界に没頭したりしていると、入浴剤の効果も効いてるのでメキメキと回復して明日も頑張れるのです。お風呂にゆっくり浸かるって、本当に大事なことよ。さぁ今日もそろそろお風呂掃除しようかな、今夜はお風呂から出たら梅干しうどんを作ってすすります。珍しくひとり晩ご飯。そういえば、私のひとりご飯メニューってかなり適当なんですが、その話はまた今度聞いてくださいね。

 
 

 
 


 

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★謹賀新年。令和3年もおみゆ節をお届けします!
 
次回は、2月5日(金)公開予定。


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