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NAOTが出会った「はたらくひと」#17 めしと、さけ anno 阿武真亜子さん 山崎勇人さん

 
私たちはこれまで NAOTという靴を通じて、多くの方との出会いがありました。
ミュージシャン、イラストレーターさん、文筆家さん、カフェ店主さん、作家さん等、それはもう様々なお仕事をされている方ばかり。
 
はたらく姿勢。はたらく理由。はたらく道具。はたらく仲間。人の数だけある「はたらく」にまつわるストーリーを聞かせていただきたいと思い、この企画がスタートしました。
 
 
連載 第17弾 はNAOT TOKYOの近く、浅草橋にある飲食店「めしと、さけ anno」の阿武真亜子(あんのまあこ)さんと山崎勇人さんの「はたらく」について。山崎勇人さんはNAOT TOKYOの看板をデザインしてくださったデザイナーさんで、annoではカトラリーやグラス、そして空間のデザインもされています。
奥様である阿武真亜子さんが作る料理のコンセプトは、「外食と家庭料理のあいだ」。特別感があるのにどこか落ち着くお料理を作られています。
そんなお二人に、お店について、NAOTの靴について、「はたらくこと」についてお聞きしました。
 
 

 
 
ーーNAOT TOKYOの看板は、どういう経緯で作ってくださることになったのですか?
 
山崎さん:NAOTの代表の宮川さんから依頼を受けたんです。宮川さんのイメージを聞いて、シンプルでNAOTらしさのあるものを提案したんです。実はあの看板はもともと真っ黒の金属で、経年変化して茶色くなるという。それが革靴と似ているなと思ってこのデザインを提案させていただきました。
 
ーーあの看板は経年変化することを前提に作られたのですね!
 
山崎さん:はい。金属で表面が錆びやすい素材があって。錆びって悪いことだけでもなくって、表面に膜を張るのでそれ以上は腐食しないっていう防腐の効果もあるんです。錆びを革の経年変化と見立てて作らせてもらいました。
 
ーー次に、NAOTの靴についてお聞きしたいと思います。NAOTを知ったきっかけは?

 
阿武さん:私は5〜6年前に蔵前によく遊びに来ていて、どんなお店があるかなと調べているときに知りました。
 
山崎さん:どうやって知ったのか明確に覚えていないのですが、看板を作るときに宮川さんが声をかけてくれて出会いました。NAOTとの出会いというか宮川さんとの出会いですね(笑) 初めて履いたのは、彼女からのプレゼントがきっかけでした、
 
阿武さん:何年か前にNAOTを知って試着したときに「何これ!裸足より気持ちいい!」と思ったんです。靴を履いているほうが気持ちいいって、なかなかないですよね。彼にも、買ってあげるから履きなよって(笑)
 
山崎さん:その時貰ったのはDENALIで、サボは先日購入しました。デザインの仕事もしているんですけど、夏場は集中するためにサンダルに履き替えるんです。サボだったら、靴とサンダル両方まかなえると思って、欲しくなって。
 

△奥:IRIS Walnut、手前:IRIS Matt Black
 
阿武さん:やっぱり腰とか体にかかる負担が全然違います。NAOTの靴は私にすごくあっている形なのかなって思います。NAOTを履いた時は体に不調が出ることが少ないですね。すっと履けるところとか一年中履けるところも気に入っています。革がしっかりしているからか、冬でも履けますよ!
 
山崎さん:すごく重宝しています。お店の和室部分で脱ぎ履きしなくちゃいけない時があって、そういうときにとても便利です。あとはホールド感ですかね。
 
阿武さん:そうそう、いつでも履けるのが嬉しい。買い物に行くときとか、ちょっとそこまでの時も履けるし、たくさん歩く日も疲れないですよね。
 
 

 
ここの空間でやるからには僕ららしく。
 
ーーお二人の「はたらく」生活の中でもNAOTが活躍できていてとても嬉しいです。次に、お仕事についても伺わせてください。どういう経緯でこのお店ができたのでしょうか?
 
山崎さん:もともと僕のデザイン事務所「ALLOY(アロイ)」とショップを併設したアトリエがあったんですけど、広いところに引っ越したくて物件を探していたんです。同じころ、結婚を機に妻も僕の仕事を手伝ってくれるようになって。
 
阿武さん:私は2年半ほどのあいだ会社員だったのですが、会社をやめて彼の仕事を手伝うようになって、家にいる時間が前よりも少し増えて。会社で働いている時は料理でストレス発散していたのですが、楽しくなってきて少し凝るようになったんです。それでだんだん「料理をすること」に興味が出てきました。
 
山崎さん:デザインと料理、ふたつの事業をひとつの建物でできる物件を探そう!と考え、ここを見つけたんです。内見の時、妻が「ここなら、お店やりたいな」と言っていて。それで、ここで「めしと、さけ anno」というお店を開くことになりました。
 
阿武さん:飲食店をやる前、知り合いのご縁で料理家さんのお仕事を手伝わせてもらうこともあって、「やっぱり料理は楽しいな」と思っていたタイミングでこの物件に出会って。ここだったらやってみたいと思ったんです。
 
ーーこの物件のどんなところを見てそう思ったのですか?
 
阿武さん:窓、ですかね。優しい光が入るんです。あと奥の和室も。家みたいな雰囲気があって。お客さんを自分の家に招き入れるような感覚でできそうだと思いました。
 
 


 
ーー「外食と家庭料理のあいだ」というコンセプトはそこからなのですね。
 
山崎さん:そうですね。外食に寄りすぎるとかしこまりすぎちゃうし、家のご飯だとカジュアルな料理になりすぎちゃうから、両方を兼ね備えたスタイルの料理を提供できたらいいなと思って。毎日でも食べたいと思えるくらいの優しさと、すこしの特別感がある料理店をやりたいと思ったんです。
 
阿武さん:外で働いている方は、なかなか日常的に手の込んだ料理を作れないじゃないですか。なら私が代わりに、家庭的だけれど手間暇を感じられるような料理を出せたら、みんなホッとしてくれるんじゃないかなって。
 
 
ーー以前いただきましたが、美味しい感動もありながら本当にほっとする味でした。料理のアイデアはどこから得ているのですか?
 
阿武さん:ご飯を食べに行ったり本を見たり、外からインプットする時もあるし、食材からこんなことやってみようって考えたりもします。季節ごとの野菜を使って作ってみたり。
 
山崎さん:季節によって食べたいものも変わってくるじゃないですか。そういう、自然な人の成り立ちに合わせて作ったりもします。彼女は食いしん坊なので、自分が欲するものを料理にアイデアとして込めているのではないかなと思います。
 
阿武さん:そうですね。基本は自分が食べたいものと作りたいものから考えます。季節感を大切にしていますね。
 
 
ーー料理に合わせる食器は、どのようにデザインを考えたり選ばれたりするのですか?
 
山崎さん:基本的には料理に合わせて、こう使いたいなって思ったものを選定したりとか、デザインして作るようにしています。今うちでビール用に出しているグラスがまさにビールを飲むのに使うことを想定してデザインしたものなんです。
 

△山崎さんによるデザインのビールグラス
 
 
「人」もプラスされて、「お店」になる。
 
ーーお客様とコミュニケーションをとる中で意識されていることはありますか?
 
山崎さん:お客様とはいい距離感を保ちつつ、食卓を楽しむ会話が生まれるのも必要だなって。カウンター越しの僕らとお客様も、お客様同士も。そういう交わりが起こりそうな場所であってほしいなと思っています。
 
 
ーーお客様との関わり方は、空間づくりにも表れているのでしょうか?
 
山崎さん:カウンターは食卓のテーブルをイメージしました。初めは彼女が1人で営業するという予定だったので、食卓まで手が届きやすいように、お客様との距離を近くしたというのもこのデザインにした理由です。
 
阿武さん:物理的にも心理的にも、お客様とはいい距離感だと思います。私たちも他の飲食店に行った時はカウンターの席を選ぶんです。お店の人と喋ってみたいし、働いている姿を見るのも楽しくて好きなんです。カウンター越しの会話も全部含めてのお店だと思っています。料理だけでも、酒だけでもなく。
 
 

 
ーー空間から素材まで、様々なチャレンジが盛り込まれているんですね。話は変わるのですが、これから挑戦してみたいことはありますか?
 
阿武さん:いつも来てくださる方たちにも楽しんでもらえるようなイベントや、外で料理を振る舞うというのにもチャレンジしたいと思っています。
 
山崎さん:食材ロスを減らすためにコースでの食事の提供をしていて、定期的に大きく内容が変わるのですが、季節ごとに特別なコースを提供できたらいいなあと思っています。あとは生産者さんのところに出向きたいと思っているんですけど、今はコロナの問題があって…。落ち着いたら、野菜の生産者さんとか、福岡の魚介類の仲買人の友人のところにも行きたいです。
 
 
ーー食材や生産者さんとの出会いからすでに、食卓がはじまっているんですね。annoさんはinstagramの発信もとても素敵ですが、料理だけでなく野菜の写真も美しいですよね。
 
山崎さん:ありがとうございます。野菜や魚介など、調理前の素材の写真を撮ることが多いです。素材には、形としての美があると思うんですよね。この姿がこんな料理になるんだよ、というストーリーも紹介したくて。元となっているものがわかると、安心して食べていただけるんじゃないかと思います。
 
阿武さん:なるべくどこで誰が作ったかということが伝わる写真を撮りたいと思っています。料理の写真の方が美味しそうに見えやすいとは思うんですが、そこはお越しいただいてからのお楽しみでいいかなと(笑)
 
山崎さん:そう、全部が見えちゃったらつまらないじゃないですか(笑) あとは生けた花など、空間の一部も切り取ったりします。料理、お酒と同じくらい、この空間そのものも楽しみにしていただきたいので。
 

 
 
めし、さけ、その空間と人の出会い。
おいしい体験を届けるお二人の場所は、特別な安心感に包まれていました。
お近くの方はぜひ、訪れ味わってみてください。
 
阿武さん、山崎さん、貴重なお時間をありがとうございました!
 
 

 
 
▼ NAOTが出会った「はたらくひと」 バックナンバー
 
 

 

 

 

 

 

 
 


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