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#4 村上泰子 僕は猫だって – 中編 –


 
 

月に1度お届けしている「ねことくつ」にまつわるコラム。
 
ねこも、くつも、一緒にいる時間が長くなるほど、お互い馴染んで、いつの間にか相棒のような存在になっていくもの。
 
今回は姉妹店・風の栖オーナーの村上と、お店のみんなのアイドルである看板猫ひなたが登場。
ふたりの仲睦まじい姿を見て、ねこ飼いたいなぁと何度思ったことでしょう…!
靴選びに悩んでいた村上にとって、NAOTは“私を救ってくれた靴”だといいます。(くわしくはこちら)
 
村上にとって、どちらもなくてはならない存在であろうひなたとNAOT。
中編をお届けいたします。


 
 


 
 
 



僕は猫だって
 
どこで生まれたのかは、覚えていない。
大阪から電車に乗って、僕は奈良に連れて来られたらしい。
ジャケットの中にこっそり隠されて着いた家。
そこは、7匹も先輩猫が居て、僕は「もう飼えないよ」って、言われてしまったんだって。
 
困ったなぁーーー今更、大阪には戻れない。
 
で、やっと出会ったのが、風の栖の村上さんという人でした。
ママさんです。
 
僕は嬉しくて、はしゃいではしゃいで、暴れ回った。
走って、飛びついて、噛んで、引っ掻いて。
ママさんは、猫を飼った事がないので、本当に僕のことを凶暴だと思ったらしい。 
乱暴な猫、気性の荒い猫は −殺処分− なんて書かれた外国の本まで読んで悩んだんだって。
他の人に話しているの聞いてビビった。
 
僕は猫だ。
子猫時代はこんなものだと分かってよ。
おとなしいウサギの生まれ変わりなんて、勝手に思われても困るんだ!
でも、後から聞いた話だけど、確かに僕は相当ヤンチャで、先輩猫達を威嚇しては暴れるので、別部屋に隔離されていたんだって。
 
さてと、新しい僕の家は靴と洋服のお店で、昼間はずーっと2階の部屋に閉じ込められたんだ。
それが嫌で、障子を破いて顔を出したり、通り庭の上から覗いて、「下ろせーーー」って叫び続けた。
一度、2階から落ちて痛い目にもあったっけ。
 
それが、だんだんとお客さんの目のとまり、「今日はヒナタいますか?」と言って会いにきてくれる人も増えてきたのだからね。
そして、僕はいつのまにか『店長』になって奈良町で一番の『美猫』として、雑誌にも載っちゃったらしい。
ママさん達が騒いでた。
 




 
優しいスタッフに囲まれて、僕はもう13歳と9ヶ月。
「もう、おじいちゃん猫なんですよ」なんて言われているのも知っているよ。
それでも、甘えたいんだ。
僕の「ニャー」の一声で、何をして欲しいかスタッフ達も大体わかってくれてるよね。
そして、ママさんにだけは特別大声で叫ぶんだ。
2階に来て〜〜。
眠いからトントンして〜〜。
お腹撫で撫でして〜〜。
 
そして、いつもIRISのサボを履いているママさんの音はしっかり聞き分けて、お出迎え出来るんだよ。
旅好きのママさんが僕を長いこと置いて行っても、あのサボで出掛けるから、帰りがわかるのさ。
「サボってさ、素足とか、靴下みたい」なんて言っていたけど、間違ってもサボ履いて、ゴロゴロした僕のお腹を撫で撫でしないでね。
ママさんと僕の歳も同じ位になってきたから、僕たちは本当にいい関係だと思うよ。
 
そうそう、僕は猫だから気紛れなんだ。
出勤時間もその日の気分さ。
 
 



IRIS Matt Black
 
 
 


 
 

 
 
 
-次回後編は、4月公開予定-


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