私たちはこれまで NAOTという靴を通じて、多くの方との出会いがありました。
ミュージシャン、イラストレーター、文筆家さん、カフェ店主さんなど…様々なお仕事をされている方ばかり。
はたらく姿勢。はたらく理由。はたらく道具。はたらく仲間。人の数だけある「はたらく」にまつわるストーリーを聞かせていただきたいと思い、この企画がスタートしました。
連載 第19弾は、カメラマンの角田明子さんにインタビュー。
角田さんと私たちとの出会いは、いまから約10年前。(取材の中には、異国での出会いのエピソードも!)
これまでも、NAOT web企画 「カノジョとナオト。」の撮影から、姉妹店「kaze no sumika」の撮影、そして企画へのご出演まで、ずっとお世話になっているカメラマンさんなんです。
いつも明るい空気で皆を包み込んでくれるパワフルさに、「お仕事をされる上で、いつもどんなことを考えてらっしゃるのだろう?」と、お聞きしたいことがたくさん。
角田明子さんに、「はたらくこと」について、その中でのNAOTの靴の存在について、お聞きしました。
NAOTは、働く靴だと思います
ーー 角田さん、今日もNAOTの靴、素敵です!ありがとうございます。
角田さん:いつもNAOTですよ!愛するOLGAを履きすぎてだいぶくたびれてきたのできょうはPISACで来ましたが、この5、6年くらいOLGAを履いていて。OLGAは形が大好きで、もう一足買いたいんですよね。
ーー お仕事の現場でもNAOTを履かれますか?
角田:はい!仕事の靴として、すごく重宝しています。仕事柄、旅をしながら、さまざまなところへ行くんです。例えば海外に行って、大使館の方に誘ってもらって、ちょっといいところにご飯に行くとか。そういう時は、ドレスコード的に革靴でなくちゃいけなかったりして、NAOTはそういう時にも使えます。かと思えば、山の方にもいける靴でしょ。ま、水は気をつけなくちゃいけないけど…多少は大丈夫ですよね?(笑)
ーー はい、大丈夫だと思います(笑)
角田さん:ふふふ(笑) 特に私のカメラマンという職業には合っていて。本当にこれがあってよかったなと思います。
ーー 働く現場で使ってもらえているというのが、何より嬉しいです。
角田さん:NAOTは、働く靴だと思いますよ。
すごく偶然だけど自然な出会い
ーー NAOTとの出会いの前に、弊社の宮川と出会ってらっしゃったんですよね。
角田さん:そうそう!宮川夫婦と9年くらい前に、なんとラトビアで出会ったんです。
そもそもラトビアへ行った理由は、6月に「森の民芸市」というハンドクラフト・民芸品のマーケットがあると聞いて、その写真を撮りたかったから。
ハンドクラフトが好きなのと、ラトビアにはほっこりとした懐かしさがあるんじゃないかと思って、興味があったんですよね。
ーー 森の中でマーケットなんて…ワクワクしますね。
角田さん:でしょう!そのラトビアで泊まったホテルに偶然、宮川夫妻も泊まってらしたんですよ。
そのときは「あれ、日本人の方がいるな」と思うくらいで、特に会話はなく、すれ違うくらいだったんですが。
日本に帰って、ラトビアの写真展をしていたところへ、宮川さんから「風の栖でラトビア展をやりませんか」とご連絡があって…それでご一緒したのが始まりです。すごく偶然だけど自然な出会いですよね。
ーー そのご縁が今日まで続いて一緒にお仕事をさせていただけるなんて。とても嬉しいです。
本当ですね。そのラトビア展のときにお迎えしたOLGAを今も履いています。
スノーブーツとビーチサンダル以外ずっとOLGAで、アウトソールも2回くらい交換したかな。
旅ができて、仕事ができる靴。旅を仕事にしている私たちにとって「ちょうどいい」んです。NAOTの靴で旅をすると、「いい靴はどこへでもいけるんだ」と本当に思いますね。この先もずっとNAOTの靴を履くだろうな。
フィットする方法が、たまたま「写真」でした
ーー ここからは、角田さんの「はたらく」について教えてください。まず、どのような道のりでカメラマンという職業に?
角田さん:私は写真家になる前、多摩美術大学のグラフィックデザイン科を卒業したのですが、なぜそこに行ったかというと…。
昔からウォルト・ディズニーのアニメーション映画が大好きで。キャラクターの動きや、線、背景のデザインにすごく惹かれていたんですよね。
高校2年生の夏休みに、アメリカのコロラド州でホームステイをしたのですが、ステイ先に子どもがたくさんいて。
その子たちと遊ぶとき、私が好きだったディズニーのキャラクターの絵を描いてあげると、「もっと描いて!」と、とても喜んでくれたんですよね。
キャラクターでコミュニケーションをとる楽しさや素敵さに気がついて、ディズニー映画のキャラクターデザイナーの職業に憧れたんです。
ーー きっかけは、ディズニーキャラクター。
角田さん:夏休みが明けて、美術の先生に進路相談をしたら、「じゃあ多摩美術大学グラフィックデザイン科に行くのがいいのではないか」と。
そのまま高校のデッサンクラスに入れさせてもらい、美術の予備校にも通うようになって、受験して。それで運良く、多摩美のグラフィックデザイン科だけ、受かったんです。
ーー 一直線ですね!すごいです。
角田さん:でも、デッサンはあんまり得意じゃなかったんです。 平面構成は大好きだったんですけど。
そんななか、大学で写真の授業があって、とりあえず…と受けてみたら、すごく面白かったんですよね。デッサンの方法以外で、自分の世界を表現できるというのが楽しくて、こちらの方が向いていると思うようになりました。自分がフィットする表現方法が、たまたま写真だったという感覚です。
とにかく、心がときめくこと
ーー 角田さんの表現される世界は、光の世界というか、明るいイメージがあります。
角田さん:ありがとうございます!写真でもイラストでも、世界をポジティブにしていくようなものを制作したいと思っています。子どもからお年寄りにまで伝わるような気持ち、例えば優しさだったり、ポジティブさみたいなものを表現したいんです。
ーー そのポジティブな世界観は、ウォルト・ディズニーと共通する部分がありそうですね。
角田さん:そうですね。キャラクターデザインと同じように、グローバルに伝わるような幸福感を大切にしています。老若男女が、世の中をポジティブに捉えられるような…そんな世界観を表現できたら。
ーー 次は、角田さんの写真の撮り方について詳しく伺わせてください。角田さんが撮影される時に、特に意識されていることはありますか?
角田さん:写真を撮るときはむしろ、心を空っぽにしています。とにかく、自分の心がときめくことを大事にしているかも。景色や人を見たときの、「あ、いいな」という感覚で、シャッターを切っていますね。あまり頭で考えてしまうと、難しい写真になってしまうし…。
ーー そうなんですね!カメラは機械ですし、光の加減の調節など、複雑に考えてらっしゃるのかと想像していました。
角田さん:手元のカメラの機械的な操作はしているけど、無意識的にできるようになっているので、難しく考えているわけではないんですよ。
理論も、考え方も、たくさんあることはわかっているけれど、なにより「好き!」という感じる気持ちを一番大切にしていると思います。
ーー 私たちの会社と共通する部分がある気がして、すごく嬉しいです。
角田さん:本当だ!NAOTさんやkaze no sumikaさんも一緒ですよね。だから大好きなんです、みなさんのこと。
好きだから旅に行くし、写真も撮る。エネルギーの源は全部「好き」という気持ちですね。
写真から想像が始まっていく。
ーー 角田さんと言えば、サンタさんのお写真のイメージも強いです。
角田さん:そうなんです。
サンタさんって、本当に様々な活動をされていて、一括りにはできないんですが…みなさん、なんて言うか、真正面から世界のことを受け止めて活動されていて。だから、私も一生かけて撮っていきたいと思うようになりました。
自分にとっても、サンタさんを撮ることがひとつの軸になりつつあります。
サンタさんを撮るために、経験を積ませてもらっているという感覚すらありますね。
ーー サンタさんは、クリスマス限定のアイコン的な存在とばかり思っていました。1年通して活動されている方もいるんですね。
角田さん:活動内容はサンタさんそれぞれなので、詳しくは調べてもらうと…いろいろな発見があると思います。
彼らの写真を撮りたいのは、その姿や文化を残していきたいからという気持ちも強いです。世界中の伝統工芸や文化についてもそうですね、「好きだから」はもちろんのこと、「残したい」という気持ちもあるから撮っているんだと思います。
ーー 「好き」という気持ちと一緒に、写真で残したいというお気持ちも。
角田さん:静止画のほうが、見る人の想像力が働くような気がするんです。動画だと、見る人がどうしても受け身になるような気がして。
写真から想像が始まって、なにかその人の中に世界が広がってくれたら、と思います。写真から、またいいものが生まれたらいいなと。
やっぱり、誰かの、何かの役に立てたらすごく嬉しいじゃないですか。
ーー 確かに、世の中に動画コンテンツがどんどん増えて、解釈が受け身になっていたかもしれないです。写真は想像のきっかけになるんですね。
角田さん:そう!妄想って、素晴らしいですよ。写真から夢が広がっていくといいな。
ーー 今日のキーワードは、「好き!」ですね。角田さんのハッピーな空気に包まれて、とても幸せな時間でした。
角田さん:ありがとうございます。私、仕事が大好きなんです。この仕事をしていると、いいことづくめなんですよ。いろんな物事や人々と自然と出会っていけるから、見える世界もどんどん広がります。人から人に紹介していただいて、ここまで無理なく続けてこられました。
心はずっと新鮮に、好きなものに惹かれていきたいですね。
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「言葉はあまり得意なほうじゃないんですよ!」と笑いながら、たくさんの「好き」を伝えてくださった角田さん。
「写真が、想像のきっかけになれば」と撮影される真摯さと、楽しそうな表情に、軽やかで前向きな気持ちをいただきました。
取材させていただき、ありがとうございました!!

角田明子さん website・instagram