• Magazine>
  • >
  • 私の溺愛靴 -スタッフ坂戸のMALMO編-

私の溺愛靴 -スタッフ坂戸のMALMO編-

 
NAOTスタッフが個人的に愛してやまない靴について語るコラム、「私の溺愛靴」。
その靴で行った場所、思い出、なんでこんなに履いちゃうんだろう?などなど、それぞれの歴史、それぞれの愛を、それぞれの言葉でお届けします。
 
今回は、さっと履けるスリップオンシューズのタイプ中から、MALMO(マルモ)シリーズのMatt Blackカラーについて、スタッフ坂戸がお届けします。
 


 
正直、MALMOは、パッと目を引く靴ではないと思います。でも、好き。
だから、お客様におすすめする時にはついつい前のめりになってしまいます。そんな私を見て、優しい奈良店のスタッフが「こちらのスタッフは本当にこの靴が好きで…。」とそっとフォローを入れてくれます。その優しさに感謝しながらも、またついMALMOを勧め始めてしまうのだから、手のつけようがありません。
それだけ、もう、とにかく一度でいいから履いてみて!と言いたくなってしまう不思議な魅力がMALMOにはあるのです。
 
 
知らぬ間に落ちていたMALMO沼
 

 
MALMOのことは、初めて試した時からずっと気になっていました。窮屈すぎず、ぱかぱかもせず、足裏もふんわりとしていて、「こんなに楽な靴があっていいの?」という感動の履き心地だったからです。けれど、結局何年も購入に至らず、心の奥底で燻らせることに。
 
というのも、正直、MALMOの形が私の好みの形から少しずれていたのです。
同じスリップオンタイプのシューズでもザ・シンプル!という潔さを持つCLARAや、圧倒的デザインの可愛さを誇るPISACと比べると、どこか牧歌的な印象を持つMALMO。
 

△左からPISAC、MALMO、CLARA。
 
丸いつま先、曲線の履き口、頑丈そうな太いゴム、大ぶりに入れられたステッチ…。どれも優しく素朴に見えて、履いている自分がイメージできずにいました。
 
そんなこんなで、うちの玄関にNAOTの靴が5足並ぶようになってもMALMOを履いた時の感動は心の奥底に眠ったまま。
…だったのですが、ある時期を境に急に目を覚まします。
 
「MALMOはもう取り扱いがなくなってしまうかもしれない。」
そんな雰囲気がにわかに感じられるようになったのです。
 
私は、それにすごくショックを受けまして。
「これをなくしてしまうんですか?こんなに履き心地のいい靴、ありませんよ?」と。
 
「確かにちょっと目立たないし、脚光も浴びにくいかもしれないけれど、さっと履き入れが出来て、且つこんなにフィット感があって、色々な形のお足にあうスリップオンタイプのシューズは、このMALMOだけですよ!」
 
…そこまで思ってはたと気がつきました。私は自分で愛用する前からMALMOのことがかなり好きだったのです。
 
これがまさにMALMO愛自覚の瞬間でした。
 

 
そんなこんなで、「こんなに好きなのに私が履かなくてどうする!」と晴れてMALMOをお迎えすることになりました。2021年の5月のことです。
 
 
MALMOの包容力
 

 
愛溢れる経緯で購入した靴なので、さぞ丁寧に履いているんでしょうと思われるかもしれないのですが、実は結構がしがしと履き込んでいます。「今日はものすごく歩くかも。」「砂地でちょっと汚れるかも。」そんな日にも迷わずMALMO。いいんです、Matt Blackカラーなので。
馬毛ブラシで汚れを落として、ステインクレンジングウォーターでさっと拭き、アニリンカーフクリーム、たまにブラックシュークリームを塗れば、はい、綺麗!
 

 
この靴で若草山にも登りました。小さな山と思って特に何も考えずに行きましたが、運動不足の身には堪える上り坂…!もし履いていった靴がMALMOじゃなかったら…と思うとゾッとします。
 

△おかげさまで頂上でもこの笑顔。
 
私が購入したMALMOはとっても革の馴染みが早く、履き始めて3日目には「5年来の相棒だったかな?」と錯覚するまでに。
 
今思うと、急激に革が馴染んだのは、履いて2日目に雨に濡らしたせいかもしれません。雨の日に履くのは、アッパーの革もインソールも傷みが早くなってしまうのでなるべく避けていただきたいのですが、MALMOは、運悪く…。
 
雨じみにならなかったのが、不幸中の幸いでした。それ以降ちょっと気が大きくなって、どんな天気の時にでも履いて出かけてしまっているのは、ちょっと内緒の話です。
 

△もし濡らしてしまったら、インソールを取り出して日陰干しをしてくださいね。その後、革の保湿もお忘れなく。
 
ただ、すぐに馴染んだのは嬉しい誤算でした。というのも、私は足の小指にタコをこさえておりまして、靴によってはそれが原因で履けないこともあるのです…。ちょっと履いては革調整することもしばしば。
 
苦しみを乗り越え心地よく履けるようになる感動も捨てがたいのですが、やっぱり初めから痛みなく履ける靴があると「これは私に合っている!!!」と思ってしまうものでして。
MALMOはその中の1足でした。おかげさまで、足を甘やかしたい日はMALMOを履くように。
 

△左:新品/右:1年愛用しているもの
 
 
MALMOの道具的側面
 

 
靴には色んな側面があるかと思うのですが、MALMOは「道具」としてピカイチの性能が備わっているなと感じています。
 
さっと履き入れが出来て、がしがし歩けて、インソールもアウトソールも使い込んだら交換修理ができる。
気負わず履けるし、オンの日もオフの日もバッチリ。だから、これさえあればすごく安心。
「とても履きやすい靴」という意味合いで、とても書きやすいペンや、とても頑丈な車と同様、道具として信頼できる靴なのです。
 
心配していた洋服合わせも、予想に反して苦戦せず。Matt Blackカラーなのでモノトーンでまとめられますし、そうすると優しい印象になりすぎません。
装いを選ばず履けるので、街歩きにも履いて行きます。私は道に迷う癖があるので、街歩きといえど20,000歩を超えてしまうことが優にありまして…。そんなときにもMALMOなら安心。
 
暑い時期はフットカバーをつけた足でそのまま履いてしまって、素足風に見せても涼しげですし、寒い時期はもこもこの靴下と合わせても可愛らしい印象でまとめられますよ。
 

△ちなみに夏はこんな感じです。馴染みすぎて素足で履いても平気。(「実際に履いているスタッフにきいてみました-MALMO編-」より)
 

△もこもこの靴下と合わせても窮屈すぎないのでとっても楽なのです。
 
装いの中心にはならないかもしれないけれど、しっかりと馴染んでくれる。
いい意味で、名脇役。そんなアイテム。
ほら、ここまでくると飾り気のない素朴な佇まいも、渋くて素敵に思えてきませんか?
 


MALMOへの熱い想いは止まる所を知らないので、今回はこの辺で。
私の密かな野望は、「MALMO愛好会」を開催することです。ちょっとずつ増えたらいいな、MALMOのファン。
 
今回のご紹介にあたってきちんとMALMOを見つめ直したら、思ったよりも綺麗なツヤを保っていることに気がつきました。
よしよし、よくやってるな、私。
 
「ほらね、ちゃんとお手入れするし、ソールが減ったら修理もするよ。だから、ちょっとの無茶は許してね。」
なんて、甘えながらも大切にしていきたいMALMO。
そんな私の溺愛靴でした。
 
「私の溺愛靴」一覧はこちら
 
 
 


EDITOR DATE
スタッフ:奈良店/坂戸
身長:152cm
靴のサイズ:サボ35/靴35〜37



その他の記事

戻る

pagetop