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私の溺愛靴 -スタッフ奥口のMALTA編-

 
NAOTスタッフが個人的に愛してやまない靴について語るコラム、「私の溺愛靴」。
その靴で行った場所、思い出、なんでこんなに履いちゃうんだろう?などなど、それぞれの歴史、それぞれの愛を、それぞれの言葉でお届けします。
 
今回は、ハイカットのデザインとサイドのバックルがポイントのMALTA Buffalo Leatherについて。
スタッフ奥口がお届けします。
 
 
人生初の革靴を履いていたら、人生が変わっちゃいました
 
大袈裟なタイトルですが、本当なので書いちゃいます。
MALTA Buffalo Leatherは私のファーストNAOT。NAOTスタッフになる前に購入した一足です。この靴との出会いは2012年なので、今年で10年目!今年は自分の中ではちょっとしたアニバーサリーイヤーなのでした。

 

 
そして私にとって人生初の革靴でもあります。
この靴と出会うまでの私は「靴は履き潰すもの」と思っていました。下駄箱にあるのはスニーカーと仕事用のパンプスというラインナップ。私は20代の終わり頃まで、踵がすり減っては新しいものを…というサイクルを繰り返していたのです。
 
ある時、友人が10年ものの革靴を履いているのを見て、お手入れや修理をきちんとしていれば靴ってそんなに長く履けるんだ?!と知り、驚きました。なによりそのカッコよくエイジングした靴に惚れ惚れしたのです。それ以来革靴のもつ「長く育てる」というキーワードに惹かれていったのでした。
 
NAOTという革靴があることを知ったのはそんな時。HPを見てみるとまさに憧れていた革靴がそこに!デザインも好み!でもお店は当時、奈良にしかなく…。SNSが今ほど発達していなかったので、検索をしまくってようやく取扱店さんに辿り着いたのを覚えています。
そこで出会ったのがMALTAです。
 

▲購入当時の自分のinstagramを遡ってみました。嬉しくてMALTAを履いた足元を何度も撮影しています笑。
 
 
そしてMALTAを履きはじめて半年後、想像していなかった事が起こります。
代表の宮川から「お店で働いてみない?」と声をかけて貰い、NAOTスタッフになることに。なんとも不思議なご縁をいただきました。東京での仕事を辞め、住み慣れた関東を離れ、奈良に移住してしまったのです。
 
それからは何かモノを買う時には飽きのこない普遍的なもの、心踊るもの、という視点で選ぶようになりました。NAOTの靴はもちろん、好きな洋服や器など、身の回りのものを長く大切に扱えるようになった気がします。

この靴との出会いが私の価値観も人生も大きく変わるきっかけとなったのでした。
 
 
シューズとしてもショートブーツとしても
 
ハイカットのデザイン、サイドにベルト&バックル、白ステッチ入り、と個性派デザインのMALTA。
幕の内弁当ばりに魅力が詰まった靴なのではないかなと密かに思っています。
一目惚れをして選んでくださるお客様が多いのですが、私もまさにその1人でした。
 
シンプルなデザインが多いNAOTのラインナップの中、MALTAはデザイン性が高すぎて合わせにくいのでは?とのご意見があるのですが、いえいえそんなことはありません。意外となんでも合うんです。
 

 
ボーイッシュなパンツスタイルにも相性◎。冬はワンピースにタイツを履いてショートブーツ感覚で合わせたりと、どんなスタイルにもしっかりコーディネートのポイントになってくれます。

 

 
夏はボトムから素足を見せると暑苦しくなく、コーディネートできますよ。
オールシーズン活躍してくれます。
 
 
無敵のシューズに育ちました
 

 

今でこそ自分にとって欠かせない存在の靴になりましたが、実は買った当初はこの靴を履き続けられるか自信をなくしていました。というのも、憧れの一足を迎え入れ、いざ出かけてみると足の骨が当たって痛いのです。1日中歩き回る日は怖くて避けがちに。ちょこちょこ履いては「やっぱり痛いな…」と悲しい気持ちになっていました。せっかく出会った靴が心地よく履けない…自分の甲高幅広の足をこれほど恨めしいと思ったことはありません。
 
そして当時の私に声を大にして言いたい、「そのお悩み、革調整で解決できますよ!」と。そう、まだ当時NAOTスタッフでなかった私はその存在を知らなかったのです。
 
数ヶ月、悶々としていたでしょうか。ある日、東京のイベントに来ていたNAOTスタッフに相談すると、その場で気になる部分の広げて柔らかく揉み込むという革調整をしてくれました。
 

▲このように器具を使用して、内側から広げます
 
それからは痛みを感じる事が嘘のようになくなったのです。
休日のお出かけには必ず履いていくまでになりました。少し経って、あれ?1日中歩き回っても不思議と疲ていない…お、これはどこまでも歩けるぞ!と感じた私はちょっとしたハイキングにも履いていくように。これがいい表現なのかは分かりませんが、私の足に馴染みに馴染んでクッタクタになったMALTAの革はもはや、布のようでもあります。なのでどこも痛くないのです。
 
それまでは旅先でよく靴擦れを起こしたり、足が痛くなってすぐ休憩をしたりと足元のトラブルに振り回されることが多かったのですが、そんな事を気にせずに見たいもの、食べたいものに集中できるようになったのです。なんとストレスフリー♪
 
MALTAは紐靴やストラップシューズと違って、甲周りをしっかりと固定できるデザインではないので安定感はどうなの?と思われる方もいらっしゃるかと思います。その不安、私も初めはありました。正直、MALTAをそういった靴と初めて履き比べた時、確かにフィット感は少し劣っていたかなという気はします。
 
今でこそ私のNAOTコレクションには紐靴やストラップシューズもありますが、「あなたにとって一番安心して歩ける靴は?」との質問には迷わずMALTAと答えるでしょう。
国内、海外、海山川と、とにかく色んな場所を共に歩いた絶大な信頼がこの靴にはあるのです。
どんな時にも間違いなく安心して履ける一足があるのは本当に心強い事。
 
お伝えしたいことはそれだけ歩ける靴に育ったということ。
もっというなら自分の足に馴染んだ(育った)靴は無敵!だということを学ばせてもらった一足でもあります。
 

▲左が新品・右が私のMALTA Buffalo leather(10年目)です
 

 
自分色の靴
 
エイジングがかっこいい革色はなんですか?と聞かれたら、自信を持ってお答えするのがBuffalo Leatherカラーです。ちょっと赤みのある深い茶色なのですが、修理でお預かりする数々の靴を見て一番色の変化が大きいなと感じる色でもあります。たくさん履いて色が少し抜けてベージュのようになったものから、ピカピカに磨き上げられて黒に近くなったものまで本当に千差万別!もちろん個体差もあるのですが、どれもその人その人の味のある色に育っており、素敵なだなぁと感じるのです。
 

 
私のMALTAも履き始めと今では全然色が違います。
どうやったらこんな風に育つの?とよく聞かれるのですが、基本的にはガシガシ履いて、たまに保湿クリームを塗るくらいのことしかしていません。
当然、長く履いていると紫外線等でどんどん色が抜けてしまいます。
 
なので私がごくごくたまにするお手入れが「補修クリームで自分好みの色を作って塗る」こと。
絵の具を混ぜて絵を描く感覚とも似ているので、楽しいですよ。
 

 
その時の気分で色味を変えているので、いろんな色が重なった絶妙な仕上がりとなりました。
何色とも言い難い、自分色のMALTAです。

 
 

そして、旅はつづきます
 
この靴を履き始めてから、ずっと旅をしているかのような感覚にかられることがあります。
何故かというと、同じ時が決してないから。当たり前のことなんですけどね。この会社で仕事をしていると毎年景色が全然違うなと感じます。この仕事に「慣れた」という感覚すら未だに持てない自分がいるくらいです。一体何年やっているんだ?!と怒られそうですが、、それでも地道にやっていると、ワクワクするような新しい景色と出会えるものだからやめられません。
 
なんだか、それって旅のようでもあるなあ!と。
 
私自身も奈良移住からはじまり、なんと結婚・出産とバタバタと落ち着きなく過ごしてきました。奈良にやってきてからの引っ越しは計3回。最近、家を買いました。(いよいよ定住?!なるか)10年前の自分では想像できなかった変化がボンボン起こっています。
 
会社も私も靴も10年前と今では随分と様子が変わりました。
また数年後、かっこよく育ったねと言われるように自分磨きも靴のお手入れも精進していきたいと思います。
 
この先、20年、30年とこのMALTAといろんな景色を見ていきたいなぁ。
まだまだ一緒に頑張ってもらおう。MALTAさん、これからもよろしくね。
 

 


 
いかがだったでしょうか?
毎日がちょっと楽しくなる様な靴との出会い、
靴選びのお手伝いができたら嬉しいです。

 
 
「私の溺愛靴」一覧はこちら
 
 
 


EDITOR DATE
スタッフ:奈良店/奥口
身長:155cm
靴のサイズ:サボ36or37/靴37or38


 


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