NAOTスタッフが個人的に愛してやまない靴について語るコラム、「私の溺愛靴」。
その靴で行った場所、思い出、なんでこんなに履いちゃうんだろう?などなど、それぞれの歴史、それぞれの愛を、それぞれの言葉でお届けします。
今回は、すっきりシルエットのサボ、LODOSについて、奈良店スタッフ栗本がお届けします。
憧れのNAOT、デビューの靴

大学進学を機に暮らし始めた奈良。
不思議と親近感のある街で、すぐにお散歩することが好きになりました。
その最中にふらっと見かけたNAOT NARAは、「なんだか温かくて素敵なお店だな」という印象でした。
当時の私にとって、革靴は「大切に丁寧に扱う、一生物の靴」というイメージ。
よく靴を履きつぶしては新しいものを迎えている私には、NAOTの靴を手にする勇気がなく…。
NAOTの靴は、「いつかお迎えしたい。」そんな憧れの靴になりました。
NAOTのスタッフになってまず感じたことは、NAOTの靴を履いているお客様は、いつも楽しそうで、嬉しそうで、ほんとうにキラキラしているということ。
よく、NAOTの靴がいかに魅力的か、お客様が伝えてくださるのですが、そんな姿を見ているうちに「羨ましい、私も自分の言葉でNAOTを語りたい…!」という気持ちが心の中ですくすくと育っていったのです。
すっきりとしたシルエットや深みのある色の洋服が好みな私にとって、「黒い靴」は必需品。
色は絶対に黒!と決めていたのですが、それ以外まったく決めておらず。
なので、「紐靴は履き慣れていないし…。シンプルなデザインがいいな…。かたちはすっきりした感じがいい…。」と、お得意の優柔不断をたっぷりと発揮しました。
LODOSはそんな私のわがままを、見事に全て叶えてくれる靴だったのです。
予想を裏切る頼もしさ
LODOSを履き始めるまで、ぺたんこの靴をよく履いていたのですが、1つ悩ましいのが、履いているときにかかとがすぽっと抜けて脱げそうになってしまうこと。
かかとがない靴は久しく履いていなかったので、「脱げないかしら…」というのが唯一の懸念点でした。
ところが、そんな心配は笑っちゃうくらいすぐになくなってしまったのです…!
LODOSは甲の深いところまでしっかりと包み込んでくれるデザインのため、とっても安定感のある履き心地。
この間、駅までダッシュしたのですが、そういえば脱げる気配がなかったかも…?とあとから気がついたとき、電車の中でとても驚き&感激した記憶があります。
▽はじめてLODOSを履いてお出かけした日。
嬉しい気持ちでいっぱいで、忙しない足取りだったのですが、そんな急ぎ足のときでももちろんフィット感は抜群です。(よほど浮き足立っていたのか、ブレている写真ばかりでした…。)

かかとがない靴だからこそ、脱ぎ履きもとってもスムーズ。
家を出るとき、靴を履いてから忘れ物に気がついたり、両手が埋まっていたりなんてことは日常茶飯事なのですが、一瞬で脱ぎ履きできるので、本当にストレスフリーな靴なんです。
サッと脱げてサッと履ける、なのに脱げにくいなんて、さすがに心強すぎる…!と思います。
そして、なによりも一番感動したのは、コーディネートを選ばないこと。
サボってかかとがないし、ラフに見えすぎるんじゃない??と思っていたのですが、なんと、この靴は本当にどんなお洋服にも合うんです…!!
Tシャツとゆるっとパンツでとにかく楽ーーーに行きたいなんて日でも、LODOSを履いたら少しすっきりと、ラフになりすぎないようにしてくれる。

きれいめワンピースやしっかりジャケットの日は、抜け感を出して決めすぎずにまとめてくれます。

シンプルなカラーなので、色味のある靴下もどんと受け入れてくれます。

まるで私の気持ちを知っているかのように、コーディネートによって表情をコロコロと変えるこの靴。
いろいろな系統の洋服を着たい私にとっては、「私のための靴なのでは?」と思うくらい、ぴったりすぎる子でした。
あまりにも気に入りすぎて、色違いのLuggage Brownもお迎えしちゃいました。
同じ靴でも雰囲気が変わって、洋服を考えるのがもっと楽しくなり、とても嬉しいです。

「愛おしい」靴
これまで靴に対しては、「このデザイン可愛いな」とか「この色好きだな」とは思っても、履き馴染んだ靴の姿を可愛いと思うことはなかったと思います。
お店ではしゃがむことが多く、普段は自転車で行動することが多いので、ぴかぴかのLODOSには履きじわやスレ、細かい傷はあっという間についていきました。
最初はやはり、傷ができていくとどこか寂しい気持ちがありましたが、あるときふと自分の足元にいる、履きジワや傷が入った靴を見て「わ、可愛いなあ」と思ったのです。
そんな初めての感情に不思議さと驚きもあったのですが、それ以上にとってもわくわくしました。

△左:約5ヶ月 右:新品
気が付くと「ちょっとそこまで」なんて日から「しっかりおしゃれ!」という日にも履いているので、もうすでに貫禄が出始めてきていますね。
靴に対して「愛おしい」と思ったのは初めてなのですが、それはきっと、傷やシワのひとつひとつに私とLODOSとの日々が刻まれているからだと思います。
出かけた場所のこと、一緒に出かけた人のこと、その時の自分の感情を思い出させてくれるので嬉しいような、少しくすぐったいような、とにかく温かい気持ちになります。
それに、ちょっとしたスレや傷は、ラナパーで撫でてあげると、だいぶ気にならなくなるんです。

はじめは自信がなかったお手入れも、自分の手の中で綺麗になっていく様子を見るのが楽しくて、今では靴を履いている時間と同じくらい好きな時間になりました。

△左:お手入れ前 右:お手入れ後
つま先のスレ傷も目立たなくなりました。
友達みたいな靴
LODOSを履く時間が増えるのと比例するように、この靴についてお話しするときの熱量も増していっている気がします。
自分の言葉でNAOTのことを伝えられるようになってからは、お客様とお話しすることがそれまで以上に楽しいと思うようになりました。
きっと、私にとってLODOSは「歩くための靴」ではなく、「一緒に出かける友達」なんだと思います。
だからLODOSを履くとわくわくするし、少し足取りが軽やかになる気がします。
これからも、いろいろなところに出かけて行って、思い出をたくさん刻んでいこうね。
いかがでしたでしょうか。
自分で思っていたよりも虜になっていて、なんだか照れくさいのですが、そんな私の溺愛具合、みなさまに少しでも伝わりましたら嬉しいです。
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EDITOR DATE
スタッフ:奈良店/栗本
身長:156cm
靴のサイズ:サボ 36/靴36・37