2021年5月、社会人になってすぐの頃。
とにかく周囲に馴染みたかった22歳の私は、とにかく「人からこう思われていたらどうしよう」という不安をもやもやと抱えていました。
だらしない感じにみられるのが怖くてきれいめな服を着ていたり、自分の価値観に自信や確証を持って話ができなかったり。
そんなときに手に入れたMALMOは私の心のあり方をちょっとだけ変えてくれた靴。
だからこそ今も特別だし、胸を張って「この靴が相棒です」と答えられています。
購入のきっかけはとってもシンプルで、「とにかく履き心地がよかった」から。
甲周りがゴムなので、履き始めからピタッとフィット。
ふんわりとした足あたりが気に入り、はじめて足入れした時から世界一私の足に合う靴かも、と感じました。
心の声は、「何本も入っているステッチがちょっとカジュアルすぎるかもよ」とささやいてきたりもしましたが、それでも、この履き心地は何にも代えがたい。 えいやっと購入を決めました。

その心配は杞憂に終わり、パンツスタイルもワンピースも、何でもほどよくカジュアルダウンしてくれるその存在がやみつきに。
連日のようにMALMOを履きたおしました。
履き始めたらあっという間に、MALMOは「私の足を歩かせてくれる靴」ランキング1位に躍り出ました。
靴をファッション的な要素だけではなく、「足を歩かせるもの」として明確に捉えたのはその時が初めてで、衝撃を受けました。
歩きやすい靴ってすごいんだ。
行ってみたい場所があるけど、ちょっと遠いから今日はここまで、と思わなくていいんだ。
この靴で地元の京都の街を1日3万歩程度練り歩きました。何度も、何度も。
当時はコロナ禍だったので遠出はできなかったけれど、疲れ知らずで流れていく景色はいつまでみていても飽きなくて、私はこの小さな世界でも十分楽しくやっていける、と安心できました。

そうしてしばらくしていると、この靴をみんなに履いてもらいたい!という気持ちがむくむくと湧き上がってきました。
ある時、なぜかドキドキと緊張しながら、スリッポンタイプのシューズをお探しのお客様にMALMOをおすすめしてみました。
「よかったらこの靴、履いてみてもらえませんか?」
気持ちが空回り過ぎて、ちょっと変わった言い回しになりました。
たぶん、自分の個人的な趣味を開示したかのような気持ちで妙にどぎまぎしてしまったのだと思います。
それでもこの靴を知ってほしい、その一心で。
「私はこの靴で、感動しました!」 と付け加えました。
履いてみてくださったお客様が「わ、いいですね!」とパッと顔を明るくして言ってくださった時、好きなものを共有できたことがたまらなく嬉しくて、自信をもてていなかった自分が、急に馬鹿らしくなっていきました。
この靴はとても素敵なのに、私は何を悩んでいたんだろう。
それから時が経ち、緊急事態宣言もあけて、国外だと台湾・スリランカ・ジョージアをこの靴で旅しました。
道中いろいろあって、ずいぶんつま先も擦れてきたし、かかともすり減ってきましたが、私が歩いてきた痕跡を全部記してくれているから、格好いい。
そう思って、これからも胸を張って履いていきたいと思っています。


(文/スタッフ 坂戸)