専門家の先生をお迎えし、足・靴にまつわる疑問を解消するコラム「足と靴の質問箱」。
第3回は、理学療法士、トレーナーとして病院や大学でのリハビリテーション、トレーニング指導されている金森 慎悟さんの登場です。
今後も、さまざまな専門家の方をお迎えして、先生ならではの視点でお話していただく予定です。
ぜひ、みなさまのお役にたてますよう。
足育研究会:WEBサイト
M&F株式会社:WEBサイト
Q.O脚は治せますか?
A.エクササイズで改善できますよ
一言でO脚と言っても、実は多くの種類があります。
一般的にO脚とはかかとをつけて立った際、左右の膝関節が接していない状態を言い、その逆をX脚と言います。
重度の変形性膝関節症の場合O脚変形が圧倒的に多く、膝の内側の隙間が狭くなり、立ち上がり動作や階段昇降で強い痛みを生じます。
若い女性では、美的概念から気にされている方も多く見られます。
膝に問題が生じていますが、股関節の機能に根本的な原因があるケースを多く目にします。
股関節機能をチェックする方法は、膝のお皿の向きを確認します。
内側を向いている場合は大腿骨(太ももの骨)が内側に捻れており、これをタイプAとします。
外を向いている場合は大腿骨が外側に捻れており、これをタイプBとします。
それぞれお尻の筋肉や内ももの筋肉の柔軟性や筋力にアンバランスが生じており、下記のタイプ別エクササイズを実施して改善する事ができます。
タイプA
内ももの筋肉が硬いため、大腿骨を内側に引っ張っている状態です。
逆に大腿骨を外側に開く為のお尻の筋肉が弱く、相対的アンバランスから大腿骨が内側に捻れています。
<1>内もものストレッチ
内ももに手をつき、身体をひねりながら外側に押し開きます。
内ももの心地よい張り感を感じる程度で20秒間保持しましょう。
<2>お尻のトレーニング
椅子に座り、膝にゴムバンドを巻きます。膝を力強く開き、ゆっくりと戻します。
20回行いましょう。
タイプB
お尻の筋肉が硬いため、大腿骨を外側に引っ張っている状態です。
逆に大腿骨を内側に閉じる為の内ももの筋肉が弱く、相対的アンバランスから大腿骨が外側に捻れています。
<1>お尻のストレッチ
椅子に座り脚を組み膝は開きます。その脚の方向へ身体を倒して行きます。
お尻の筋肉が心地よい張り感を感じる程度で20秒間保持しましょう。
<2>内もものトレーニング
椅子に座り膝の間にボールやタオルを挟み、太ももを強く閉じ10秒間保持します。
10回行いましょう。
また、膝は足部からも影響を受ける事があり、足が内側に捻れる回内足や外側に倒れる回外足がある場合は、運動療法やインソールを用いて改善した方が良いでしょう。
運動は無理のない範囲で行い、疾患をお持ちの方は医師や理学療法士に相談の上行ってください。
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なるほど!症状に合わせたエクササイズで改善できるんですね。
先生、ありがとうございます。