Column

私とNAOT -KEDMA Chestnut-

 
靴との付き合い方は持ち主によって、その人それぞれ。靴との出会い、履いて行った場所、忘れられない思い出などなど、NAOTスタッフがそれぞれの言葉でお届けいたします。
 
今回は、KEDMA Chestnutのお話です。
 


 
 
この靴は両親からプレゼントしてもらった、とても思い入れのある一足。
 
革靴を履くこと自体はじめてだった当時の私は、大切に履かないと…!という思いが強く、お迎えしてから数年は、ここぞという時にしか履けずでして。
 
そんなある時、この靴を履いて出かけた帰りに足もとを見ると、どこかにぶつけたのか、つま先がしっかり擦れてしまっていて…。それ以来、これ以上キズをつけてしまうのはまずい、とさらに履く機会が遠のいてしまいました。
 

 
それからしばらく経ってのこと。
まだ自分がNAOTスタッフになる前、この靴を履いてNAOT NARAに立ち寄った時、スタッフの方が「素敵ですね。」と声をかけてくれて。
 
つま先が擦れてしまっていることになんとなく後ろめたい気持ちがあったのですが、スタッフの方がそれ込みで私の靴を素敵と言ってくれたことにとても驚きました。
 
「せっかくなのでクリーム塗りますよ!」とその場でささっと靴のお手入れもしてくれて。擦れがなくなったわけではなかったけれど、少しツヤっとなった靴をみると、少し後ろめたかったこの擦れもなんだか誇らしく思えるようになれました。
 

 
それからは、キズや擦れも気にせず、どんな日にも履くように。
 
「まあまあ、こんなもんでいいじゃない。」
 
すっかりと履き馴染んだこの靴を見ていると、そんなふうに語りかけてくれてるような気がしたりして。
 
この靴とはこれからも気楽にゆるく付き合っていきたいと思います。
 


スタッフ久保
KEDMA Chestnut
愛用歴 10年