Column

NAOT STORY -KEDMA Brown Paco-

 
靴との付き合い方は持ち主によって、その人それぞれ。靴との出会い、履いて行った場所、忘れられない思い出などなど、NAOTスタッフがそれぞれの言葉でお届けいたします。
 
今回はKEDMA Brown Pacoのお話です。
 


 
 
私が靴を選ぶ動機は様々。
「洋服に合う靴が欲しくて」「靴の形が好みで」
 
昨年、数量限定で発売されたKEDMA BrownPacoは「この靴を育てたいから」と、お迎えしました。
 
Brown Pacoは、職人さんが一つひとつ手作業で彩色している、靴ごとに個性があるカラー。私がお迎えしたのは左右の色に少し違いがあり、左足に斑模様が入った1足。靴箱を開けた途端に、「あ、この靴は他となにか違うな」とビビビとくる感覚がありました。
 
「可愛い」を超えた、「この靴は私が履いて育てなければ」という使命感のようなものに突き動かされ、あの靴を履きたい、履かねばと夢想する日々。当時、KEDMAはすでに2足持っていましたが、それでも構わないと手を伸ばすまで、そう時間はかかりませんでした。
 

 
そうして迎えた日から、斑模様の私の靴は、なぜか魔法にかけられたように可愛くなり始めました。履くほどに増す艶、独特な雰囲気だった革色は、淡く儚いカラーへ。
 
ズボラな持ち主に連れ回され、時に雨に打たれ、時に頭を地面に擦られ、ハードな毎日を送っていたはずです。なぜこう育ってくれたのか、私が一番不思議に思っています。
 

 
当初のワイルドな姿はどこへやら、今では綺麗めなスタイリングの時に足元を支えてくれる頼れる相棒です。ちょっと疲れていそうな時は、デリケートクリームをさっと塗るだけ。それだけで、ほらまた綺麗になった。
 

 
もう、「私が履いてあげなければ」なんて思いません。この靴が、どこへでも私の行きたいところへ連れて行ってくれる。
 
私の特別な1足です。

スタッフ坂戸
KEDMA Brown Paco (廃盤カラー)
愛用歴 3年