Column

さんぽびより #村上健志さん #伊藤紺さん1/2

 

 
NAOT JAPANが「一緒にお散歩したい!」と思った方と、ぶらぶら街を歩きつつ、話をしつつ、目に留まったものをパシャりと写真におさめていただくこの企画。
 
第19弾は、バラエティ番組での活躍はもちろん、近年は俳人としても注目を集めているお笑いコンビ「フルーツポンチ」村上健志さんと、短歌の分野のみならず、昨年はファッションビルのリニューアルコピーも手がけた歌人・コピーライターの伊藤紺さんのおふたりに、浅草を歩いていただきました。
 
それぞれ言葉の世界に身を置くおふたり。どんなお話が聞けるのでしょうか。
 


 

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ーおふたりは普段お散歩しますか?
 
村上:しますよ。ちょっと遠い、観光地ってわけでもないようなところに行って歩くのとか好きですね。ウォーキングっていうよりは、ぶらぶらする感じで。
 
伊藤:楽しいですよね!
 

 
ー歩いているときにアイデアが浮かんだりもするのでしょうか。
 
村上:アイデアというより、単純にリアリティのある発見はありますね。
 
ーリアリティのある発見…?
 
村上:この前歩いてたら、誰かの家の傘立てにおもちゃのライトセーバーが挿さっていたんですよ。そんなの、自分の考えでは思いつかないじゃないですか。
 

 
伊藤:(笑)私も歩いているときの発見はめっちゃあります。
 
村上:ありますよね。現実にこだわった末に何か面白いものができると、やっぱりいいなって思います。
 
ー今日は写真を撮りながらのお散歩ですが、おふたりは普段カメラで撮影することはありますか?
 
村上:まったくやらないですね~。10年近く前、ギターを持つみたいな感じでカメラがすげえ流行った気はするんですけど。
 
伊藤:私が大学の時にも流行って、卒業後、フィルムカメラをもらったんですよ。露出とか自分で調整するタイプの。でも、ぜんぜん撮れなかったです(笑)
 
村上:やっぱり難しいんですね…。でも、僕も素人ながら俳句とか短歌とかやるようになってから、カメラもなるほどなと思うことがあって。
 

 
ーカメラと俳句にも通ずるものが…?
 
村上:前は、カメラって単に何か撮ればいいだけって思ってたんですけど、実際は場面を切り取るにしても、光の入れ具合とか、ぼやけ方とかにこだわるじゃないですか。
 
伊藤:確かに、それは俳句もそうですよね。村上さんの俳句を読んでいると、まさに場面を「カシャッ!」としている感じだなあと思います。
 
村上:カメラもハマっていくと、何を撮るかだけじゃなくて、色々とあるんでしょうね。
 

 
ーさて、雷門に到着しました!
 
村上:お〜!雷門。いや~やっぱり浅草いいわ~!
 
伊藤:上がりますね!
 
村上:立派だなあ、やっぱり。
 
ーここ、シャッターチャンスですよ。
 
村上:あっ、完全に忘れてた!(笑)

 

△シャッターチャンスを逃すまいと一斉にカメラを構えるおふたり。
 

 
ー少し裏道に入ってみましょうか。
 
村上:僕が劇場に行く時はだいたい裏道を通ってました。あっちは人通りが多いので。今はNetflixで『浅草キッド』もやってるから。もう少し行くと、向こうの方は仮面とか売ってますよね。
 
伊藤:仮面!?
 
村上:あるんですよ、仮面とか、舞台衣装とかが売ってたりして。このあたりにはステージ系のものとかがあると思うんですよね。
 
伊藤:あ~、なるほど。
 
村上:あ、でも、まだ多分閉まってますね。
 
ーたしかに、朝10時からやってる仮面屋さんってなかなかないかもしれませんね。
 
村上:そうですよね。 色々売ってたんだけどな~。
 

 
村上:伊藤さんって、普段仕事はお一人でやられているんですか?特定の誰かとずっと一緒ってわけではないんですよね。
 
伊藤:そうです。村上さんは羨ましいです、仲間がいて。
 
村上:いやあ、一人でってすごいですよ、PARCOの広告のコピーをされていたりとか…。PARCOってすごいな!僕もコピーとか、やっぱり憧れたもんなあ…。
 
伊藤:やっぱりそうですか。私、前に村上さんが何かのタイトルで「すぐ泣く女、宇宙の話をする男」って書かれてるのをTwitterで見て…。
 

 
村上:お笑いライブのタイトルですね。
 
伊藤:はい。あれ見たとき衝撃だったんです。「すごい!」って思ってTwitterに書いた気がします。めっちゃかっこいいと思いました!
 

   △伊藤紺 公式Twitterより
 
村上:そうでしたか、よかった~。
 
伊藤:だから、村上さんコピー作るのもめっちゃ上手そうだなと思って。
 
ーコピーを本格的に作られたことはないんですか?
 
村上:いやあ、一回気になって本とか買ってみたけど、難しすぎてすぐやめました。でも、ウザい系のキャラクターが出てくるコントをやったときに、実際のクリエイターの方のインタビュー記事とかをたくさん読んでたんですよ。
 
ーネタの参考にですか?
 
村上:はい。僕がやっていたのは“本当は全然すごくない奴がすごいことを言うからウザい”っていうキャラクターですけど、言うことは“本当にすごい人が実際に言っていること”と同じにしたかったから。
 

 
伊藤:普段って、原稿は何回も書き直しますか?
 
村上:僕、何事もすごく時間がかかるんですよ。出るときは出るんですけど、どこまで作ったらいいのかわからないから不安っていうか。締め切りがくるまでずっとっていう感じです。サボったりはするんですけど、集中して、この日の2時間、とかはできないです。
 

 
伊藤:私もできないです!なるべくまとまった時間でやりたい。
 
村上:3つくらい一緒に走らせられる人いるじゃないですか。自分だったら絶対無理だもんな~。
 
伊藤:すごいですよね。ちょっと考え方が違うんでしょうね。
 

 
村上:伊藤さんはNAOTの靴は今回が初めてですか?
 
伊藤:はい。めっちゃ歩きやすいです!
 
村上:いいですね。
 

 
ー村上さんは既にたくさんお持ちですよね。
 
村上:サンダルとサボとこれの色違いと紐付きの靴と。結局靴って歩きやすさが一番じゃないですか。でもスニーカーだと舞台でジャケット着るとき靴を履き替えないといけなくて。これならそのまま出られますからね。
 

 
ー村上さんがはじめて来てくださった時はびっくりしました。
 
村上:たまたま近所でほぼ日さんの「生活のたのしみ展」がやってて、入ってみたらNAOTがあって。試着したらすごく履きやすかったんですよ。
 
ー今日履いてくださっているDIRECTORも、たくさん履いてくださっていますよね。
 
村上:そうなんですよ!ほんとに歩きやすくて。こんなに履いちゃって逆に大丈夫かなと思って。
 

 
ーいやいや、すごくうれしいです。
 
村上:それは良かった。でも後ろのところがもう結構削れてて、直さないと。でもどっちも良いんですよね。使い込んだ方も良いし、新しい方も。
 
ーかっこよく履いていただけてうれしいです。いつでもご相談ください!
 

 
伊藤:そうだ、村上さんが前に句会に出られた時に読まれた、「からっぽの墓の花立て小鳥去る」っていう句がありますよね。
 
村上:吟行したやつですね。
 
伊藤:そうそう。そこで、参加された方達が、“小鳥が「来る」という表現のほうがいいのか、「去る」だからいいのか”って議論されていたと思うんですけど。
 
村上:はい。
 

 
伊藤:私は、あの句は「去る」だからいいんだと思って!すごい好きでした。
 
村上:あ~よかった。僕、自分が作る時はあまり分析できないんだよな…。
 
ーそうなんですか?
 
村上:「来る」と「去る」、どっちがいいのか、なんでそうなのかとか、多分わからない。感覚でこっちが好き!という感じなんですよね。
 
伊藤:でもそれがいいですよね。自分では説明できない、感覚的なことなんでしょうけど。
 

 
ー浅草寺に着きました。
 
村上:でかいな〜!改めて見ると。浅草寺はやっぱり立派ですね。伊藤さんは神社仏閣みたいな所って行きます?
 
伊藤:あんまりなんですけど、来るといいですよね。
 
村上:いいですよね。僕も詳しくはないんですけど、今、家の近くが寺なんですよ。意外といいです、毎日。
 
伊藤:そうなんですね。お参りする時に住所、生年月日、氏名を唱えてから言うといいって言いますよね。
 

 
村上:あと、お願いじゃなくて、報告とお礼をした方がいいとかも言いますよね。こういうことがありましたとか、1年間元気で過ごすことが出来ました、ありがとうございましたとか。
 
伊藤:へえ!
 
村上:僕は隙間を狙って感謝のような感じでお願いをしてますけどね。
 
伊藤:…感謝のようなお願い?
 
村上:何々が出来るように頑張りますので。見守りいただけたら幸いです。みたいな。
 
伊藤:ははは!
 
村上:ちょっとうっすら願いを込めてるんです。
 
伊藤:めちゃくちゃ面白い(笑)
 

 
村上:…ちょっと写真ぜんぜん撮ってないわ(笑)これ撮影したやつってどこかに載るんですか?
 
ー記事に一緒に載ります。
 
村上:え〜!じゃあ良いの撮らないとな。
 
伊藤:確かに!
 

 
村上:…あっ、やっぱり、ケータイのカメラって凄いんだなと思いますね…!
 
ーズームとか広角とか、自由自在にできますもんね。
 
村上:使い捨てカメラで撮ろうとしても、一個のサイズしかないっていうか。もう俺が立ってる位置から見えているものしか撮れないですもんね。
 
伊藤:そうですよね。
 
村上:あっ、浅草寺の景色全部を入れようと思ったら…。全然入らない。
 

 
村上:ちょっとこれ…めちゃくちゃムリですね。入り口の雷門のちょうちんのとこまで引かないとムリかもしれない…。
 
伊藤:あはは!それはさすがに引きすぎです(笑)
 

 

左/MALMO Matt Black、右/DIRECTOR Black Madras
 
 
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