Column

あの人の靴、育てる靴 Vol.7 幡野広志さん


 
私たちはこれまで、NAOTの靴を通じて、たくさんの方に出会ってきました。

「気になるあの人は、普段どんなふうに履いて育てているのだろう?」
そんな興味から、NAOTの靴を愛用してくださっている方にお話を伺いました。
 
第7回は、写真家の幡野広志さん。
写真家としての活動だけでなく、『ラブレター』『息子が生まれた日から、雨の日が好きになった。』など、数々のエッセイを出版し、文筆家としても活躍されています。

 
幡野広志さんプロフィール
 

| 圧倒的に楽な靴
 

ー幡野さんは以前「さんぽびより」にもご出演いただきました。その企画のご出演前からNAOTをご愛用いただいていたのですが、そもそもどのような経緯でNAOTを知ってくださったんですか?
 


△BambooCutの代表の竹内順平さんとのさんぽの様子

 
1足目を買ったのは友人の浅生鴨さんが履いていたのがきっかけで。良さそうだなと思って「それなんですか?」って聞いたら「NAOT」だって教えてもらって、その2日後には注文していました。
 
すぐ真似しちゃうんですよ。浅生さんが以前、別の靴を履いていたんだけど、僕も同じ靴を履いてて。その靴もすごい履きやすい靴だったので、それを履いてた人がNAOTに切り替えたってことは当然いいだろうっていう信頼性。
 
で、履いたら、まあかなりいい。みんな履けばいいよね。
 

 
ーそう言ってくださって、とても嬉しいです。履きはじめのころ、きつくなかったですか?
全然きつくなかったんですけど、かかとのアールが上がってる部分がちょっと当たっちゃってて。でも最初それがわからなくて、こういうもんかなと思っていたんだけど。
 
それで、ほぼ日の生活のたのしみ展の開催中に、NAOTのブースでスタッフさんに「かかとが当たっちゃって」って話したら、幅のあたりの革を伸ばしてもらって、アールのところの足が収まるようになりました。すごい履きやすくなった。なるほどなるほど、全然違うって。

 
ーSNSで、「雪の日と結婚式の日以外はほぼはいてます」とコメントくださっていたのですが、実際はいかがでしょうか?
ですね。雪の日と葬式と結婚式以外は常にNAOT。それ以外の靴は履く理由ないですよ。実は、僕、明後日、結婚式があるんですけど、もう今から憂鬱ですもん。絶対靴擦れするだろうなって。冠婚葬祭もこの靴で行ける風潮になればいいなと。NAOTは、やっぱり圧倒的に楽ですね。
 
ー「楽だな」と思われるのはどんな時でしょうか。
足入れしてるときがまず楽で、脱ぎ履きも楽だし。
うちの近所にあるショッピングモールは、フードコートに座敷コーナーがあるんですよ。子供が小さいので座敷をよく利用するんですが、そこでの脱ぎ履きが楽です。
 
出張のときも飛行機とかね、本当に楽。仕事もですけど、これで釣りも行きましたよ。釣りはさすがに失敗じゃないかと思ったんだけど、行けましたねえ。でも、釣りはやめた方がいいかな、濡れちゃうしね。
 

△撮影:幡野広志さん

 
雨の日は、防水靴下で履くこともあります。靴下の生地の間に何かフィルムみたいなのが入ってて、それを履いてると、簡易的な長靴みたいな状態になるんです。その靴下を履いてNAOTを履いたらかかとが濡れることはまずない。それで防水スプレーをしっかり振っておいて、防水靴下を履いていれば、雨の日はいけますね。
 
雪の日は冷たいので外では履かないですけど、車運転する時は、車の中はNAOT、外だけスノーブーツ、っていうのはありますね。
 
ー車で履くのもいいですね。NAOTを室内履きにされている方もいらっしゃいます。
わかります。NAOT、お医者さんに勧めたんですよ。今履いてる靴より、絶対NAOTの方がいいですよって。でもたまに血で汚れるからだめなんでしょうね。受付の方とかはいいかもしれないですね。
 
 
| 履き心地は変わらず、色違いで履ける
 


△撮影:幡野広志さん

 
ー3足とも、すべて同じ形のGLACIERをご愛用いただいますよね。何か理由があるのでしょうか。
今着てるこの服も20枚ぐらい持ってるんですよ。基本靴下とかも同じものを15足ぐらい。スティーブ・ジョブズパターンですね。
 
NAOTの場合、3足とも、履き心地の違いがないのが、僕的にはかなりよくて。アッパーが柔らかくて、自分の足に馴染んでるじゃないですか。それがかなりでかい。色を変えて履いても足の形が同じ形だから、全く違和感なく履けるんです。履き心地は変わらず、色違いで履ける靴って、なかなかないんじゃないかな。
 
ーカラーは、Oily Dune Nubukを2足、Buffaloを1足お持ちでいらっしゃいます。カラーはどのように選ばれたのでしょうか?
結局ね、革のものは、この2色が一番好きなの。濃い茶色と、黄色い色。革の財布や、カメラのストラップは、このBuffalo みたいな濃い茶色で。
 
男性はやっぱりこの濃い茶色が好きなんじゃないかな。別に他の人を真似してるわけじゃなくて、単純に好みがみんな一緒になるだけ。たぶん男の人が持ってるものって大体そうだから、すごい狭い範囲なんだろうね。

 
ー日頃、靴のお手入れはされていますか?
お手入れ、逆に聞きたいなと思って。
Oily Dune Nubukのほうは、なんとなくスエードのクリーナーと防水スプレーを使っていて。でもこちらのBuffaloはなんとなく靴磨きのほうがいいのかなと思いながら。
 
ーまずは、ブラシや布などで汚れを落としてから、革用のクリームを塗っていただくだけなんです。ツヤ感を出したい場合は、ラナパーという靴クリームで、マットな感じに仕上げたい場合は、デリケートクリームで。よかったら、こちらのケア用品でお手入れしてみられますか?
 

 
おお〜全然違う、楽しいですね。嬉しい瞬間ですね。あ、すごいすごいきれい。またこれで履いていくとちょっと、違う感じになってくるんでしょうね。
 


△撮影:幡野広志さん

 
| 「いいな」と思うものを
 
ー幡野さんはSNSやご著書でも「いい」と思うものは、とことん「いい」と発信されている印象があります。羽釜で炊くご飯など、思わず真似をしたくなります。
 


 
基本的に買い物って自分が「いい」と思ったものしか買わないじゃないですか。なので、大体ヒットなわけですけど、ホームランじゃないわけですよ。日常的に買ってるものでホームランって、1年間に1アイテム出会うか出会わないかですよね。いいなって思うのはいっぱいあるんですけど、周りの人に教えたり、SNSで紹介投稿するのはホームランぐらいのものの方がいいかなって気はする。
 
なんでもかんでも「これいいよ」って言っててもどうかなと思うんですよね。信頼性がちょっと下がっちゃうから。
 
でも、うちの家族って僕が「すげえいいよ」って言ったものをなるべく避ける傾向にあるんですよ(笑)。ご主人が「これいいんだよ」って言った時に、家族はちょっと冷ややかな目で見る現象ってありません?
 
NAOTの靴についても、僕がすごいいいって言いすぎて、妻はちょっと引いていた感じでした。
 
ー今回、そんな奥様にNAOTの靴をプレゼントされるということで、IRIS Chestnutをお選びいただきました。
僕がサボを履いて妻もこのサボを。妻が履けば必然的に子供も履きたがるはずなんで、いつか息子も履くと思います。
 

△撮影:幡野広志さん

 
| 幡野さんにとってのNAOTの靴とは?
 
ー最後に幡野さんにとってNAOTの靴はどんな存在なのか、一言いただいてもよろしいでしょうか。
 

 
全体で見たら実は24時間のうちで、家族と会話してる時間なんて朝1時間、夜、長くても3時間くらいですよね。
その点、靴は必ず履く。iPhone並みの存在かな。財布すら置いてっちゃう時があるし。それで、仕事柄、いろんな場所に行くんで。いいものじゃないと一緒にいれないよね。
 

 
 
 
 


©️Yukari Hatano
 
幡野広志 写真家

2016年に長男が誕生。
2017年多発性骨髄腫を発病し、現在に至る。

著書に
『なんで僕に聞くんだろう。』(幻冬舎)
『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』(ポプラ社)
『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。』(PHP研究所)
『写真集』(ほぼ日)
『他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。 #なんで僕に聞くんだろう。』(幻冬舎)
『ラブレター』(ネコノス)
『息子が生まれた日から、雨の日が好きになった。』(ポプラ社)
note.com/hatanohiroshi

 
 
 
履く人の数だけある、靴とのストーリー。
これからも、素敵な方の“NAOTの育て方”をご紹介していきます。
次回もぜひ、お楽しみに!

 

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