Column

さんぽびより #スリムクラブさん 1/2

 
NAOTスタッフが「一緒にお散歩したい!」と思った方と、ぶらぶら街を歩きつつ、話をしつつ、目に留まったものをパシャりと写真におさめていただくこの企画。
 
夏休み特別版の今回は、夏真っ盛りの大阪・日本橋が舞台。言わずと知れたお笑いコンビ・スリムクラブの真栄田賢さんと内間政成さんに食い倒れの中心地をおさんぽしていただきました。
 
前編では、とにかくまわりへの愛に溢れたお話が盛りだくさん!!伝説のM-1決勝戦のネタ誕生秘話もちょっぴり披露してくださいましたよ。
 
とりとめのない会話のなかにもゲストの日常が垣間見える…ような気がするお散歩トーク、どうぞお付き合いください。
 


 

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ー真栄田さんはいつからハスキーボイスなんですか?
 
真栄田:これ自分では小学4年生からだと思ってたんですよ。声変わりのタイミングで大きい声を出しちゃったから、失敗して声が潰れたと思ってて。でも極楽とんぼの加藤さんの番組で調べてもらったら、声帯自体がくっついてないみたいなんですよ。
 
ーどういうことですか?
 
真栄田:俺以外のみなさんは声帯がちゃんとくっついてるから振動して綺麗な声になってるけど、俺は声帯に隙間?があるみたいで。しかもそれは生まれつきだって言われて。
 
内間:よくわかんないけど、多分ラッキーですよね。それでテレビの人にも目をつけてもらって、お仕事増えていったもんね。
 
真栄田:ふふ、そうね。
 

 
ー昔からお笑いに興味はありましたか?
 
真栄田:そうですね、親父がバラエティ好きで。むかし関西テレビの日曜21時からの番組でたまに漫才をやってたんですよ。当時は今ほど漫才がポピュラーじゃなかったのでご年配の方が見るイメージで、俺もあんまり好きじゃなかったんですけど。身近ではありましたね。あときかっけはやっぱりダウンタウンさんですねえ…。「あ 研究家」っていうネタがあるんですけど、『落ちてる時の「あ」』っていうのを見たら、めっちゃ面白くて。その時に一気にお笑いの方に心がグッとなって。
 

 
真栄田:その後、『オールザッツ漫才』という関西テレビの番組を沖縄の有線テレビで見て。その時は、野性爆弾さん、陣内智則さん、COWCOWさん、シャンプーハットさんが出てて、もうめちゃくちゃ面白くて。これだ、かっこいい!って。そこからですね。
 
ー内間さんはいかがですか?
 
内間:自分は15歳までテレビのない生活をしてたので、そういうのは観てなくて。
 
ーテレビなし!普段は何をされてたんですか?
 
真栄田:こいつはね、ラジオだけ聞けたんですよ。彼は野球が好きだから、親にバレないようにラジオを聴いて想像を働かして…。自分で試合してたんだろ?
 
内間:そう、指で野球やってた。
 
真栄田:悲しきことですよ(笑)
 
内間:でも意外と競るんですよ(笑)俺、自分が内部で分離してたから結果がわからなくて、延長戦に持ち込んじゃったりして。大接戦。
 
真栄田:そりゃたいしたもんだ!いい試合だよ。
 

 
ー実際にお会いすると、イメージ通り本当に仲良しですね!ふたりで遊びに行くことはありますか?
 
内間:めっちゃありますよ!
 
真栄田:昨日もこの辺でふたりで飲んでたんですよ。そしたら内間が急にいなくなって。ショック(笑)
 
ー何も言わずに?なんでですか?
 
内間:いや〜、帰りたいなあと思って(笑)
 
真栄田:実は他に女性がひとりいたんですよ。全然そういうんじゃなかったけど、勝手に気をつかってくれて。俺は内間と飲みたかったのに…。何も言わないからびっくりした(笑)
 

 
ー確かに内間さんは寡黙なイメージがありますね。
 
真栄田:それが、普段はお互いよく喋るんですよ。ちょっと恥ずかしいけど、お互いの思ってることとか気持ちとか、大事にしたくて。
内間の親御さんが、結構厳しかったんです。それでわりと彼の中に怒られてる時の感じが残ってるというか、特に昔は内間の心がギュッとなってたんです。漫才中にも、そのギュッとしてる感がでちゃうんです。
 
ーいまでもまだ残ってますか?
 
真栄田:もうほとんどないですけどね。当時は内間が自己否定を結構してたんで、「それはダメだよ、お前でいいよ、素直でいろよ」って言い続けて。
 
内間:その時は自分では気づかないんですけど、真栄田に話してもらってやっと「自分の話ってこんな風に聞こえてたんだ」と気づいて、「待てよ待てよ」って自分に帰れるというか。だから、真栄田とよく遊びますし、話します。
 

 
真栄田:面白い先輩っているじゃないですか。ダウンタウンさんとか、ブラックマヨネーズさんとか、ケンドーコバヤシさんとか、笑いの種類は違うんですけど、心は一緒だと思うんですよ。素直というか、気持ちがいいというか。それぞれスタイルは違うけど、心の部分だけは共通してると思うから、それを目指せば認められるだろうというのがあって。
 
内間:本当の自分の気持ちを、ちゃんと言うようにしようってね。
 
真栄田:以前の内間は本当のことではなくって「キレイごと」ばっかり言ってましたから。「美しい中毒」でした(笑)
 
内間:美しいことを言って自分に酔っちゃう。でも結局それって何も残らないいんすよ。
 
真栄田:「クソッ!」とか言った方がいいんすよ。それが本当の気持ちなら。内間はそれを言ったらダメって、感情のうえにキレイを被せてしゃべる癖がつきすぎて、その層がもうめっちゃ厚くなってたんですよ。そういうの全部剥がして…。
 

△おもむろに内間さんの耳をギュッとつねる真栄田さん
 
内間:やめてぇっ!
 
真栄田:これ、やっと言えるようになったんですよ!
 
内間:昔は言えなかったよね(笑)
 
真栄田:昔は? ハイッ!
(と言いながらまた耳をつねる)
 
内間:あぁっ!おっおうっ、…うん、わかる、わかるよ。
 
ーわかっちゃだめ!
 
内間:わからんけど、言っちゃってた(笑)なにか歩み寄ってるフリをするという。
 
真栄田:自分の言葉じゃなくて、相手に合わせて喋る癖がね。
(そしてまた内間さんの耳をつねる)
 
内間:だっ!やめろって!もうっ!!!
 
ーハッキリ言えましたね(笑)
 
真栄田:そう…おまえはそれでいいんだよ…!
 

 

 
内間:昔は、素直に喋ったら人から何か被害を受けると思ってたんです。だから言わない。それが当たり前すぎて。主張する自己がないから、自分でも自分のことが面白くない。自己がないから、自己表現の世界に行っても面白くなかった。今は、べつに素直に喋っても大丈夫だろうというのがわかった。つくろわずに、ふたりで楽しもうっていう感じでやってます。
 
ー自分を押し殺していた当時、真栄田さんの「お前の意見を言えよ!」という投げかけは怖くなかったですか?
 
内間:怖くもあったんですけど、憧れもあったんですよ。「あーああいう風に言いたいなあ」「けど俺は言えてない」「やっぱり俺は抑えちゃう人だ…」って結局自己否定になっちゃってたんだけど(笑)
 
真栄田:抑えるってことは、何かがあるから抑えるってことじゃないですか。だから、あるんですよ結局。ちゃんと言いたいことが。「それを言えよ」ってずっと伝え続けてたら、今めっちゃおしゃべりになった(笑)
 

 

 
真栄田:やっぱりさんぽはいいですね〜。さんぽ好きなんですよ。アイディア浮かぶんで。2010年のM-1のネタもさんぽ中に思いついたもんな。
 
ーそうなんですね!
 
真栄田:歩いてる途中に俺がした変なボケがあって、それに対して内間がツッコむわけですよ。で、俺もなんか言い返したかったんですけど、言い返せる言葉が見つからなくて。まあ、内間は正しいことを言っているから(笑)そのまま道を歩いてたら、新しくできるマンションの説明会があって「あ、これだ!」って。それで「あなたはそんな正しいことを言ってますけど、それ、説明会とかあったんですか?」っていうボケが生まれたんですよ。(M-1グランプリ 2010 最終決戦「葬式」のネタ)
 
内間:それに対して普通に「そんなの開催されてませんよ」といったら、ツッコミになる(笑)
 

 
ーそのツッコミは内間さんのなかから出てきたものなんですか?
 
真栄田:そのときは俺ですね。当時はまだ内間に自我がなかった時期なんで(笑)
 
内間:ですね(笑)真栄田が色々見て、吸収して、ネタが降りてきて、俺に伝えてくれるんです。見たもの感じたものを。
 
真栄田:あっ、ちょっと嫁さんから電話です、出ていいですか?
 

 
内間:真栄田は奥さんと本当に仲いいんですよね。たぶん1日に20回くらいは電話してるんじゃないかな?
 
ーすごいですね!
 
真栄田:そう、うちの嫁さんはすごいんです。俺、嫁さん大好きなんですけど、以前は結構浮気もしちゃってて。報道もされたんですけど、ずっと前に私が福岡の一般の女の子に2年間ほどハマってしまいまして。
 
内間:長いね〜。
 
真栄田:そしたら向こうに、男性の影が出てきたんですよ。それで私が落ち込みまして。そしたら嫁さんが、「あんた最近おかしいよ」って言ってくれて、俺バカだから全部話したんですよ。嫁さん泣いちゃって、「泣いた理由がふたつある」って言うんですよ。ひとつは、浮気が本当にショックだったから。もうひとつは、あなたがこんなにバカだと思わなかったから。
 

 
真栄田:こっからがすごいんですよ。嫁さんがね、「あなたの人生だから、あなたの悔いのないようにやったほうがいいと思う」って言うんですよ。そのあと「これくらいのことで動揺している自分がいる。そんな自分がいやだ」って言って、ネットで登山グッズ買って山登りに行ったんですよ。「自分と向き合う」って。本当に尊敬してる。めっちゃ最高ですよ。愛想もすごい良いから、絶対みんな好きになりますよ。なあ!
 
内間:なるね。
 
ーお会いしてみたいです!どうやって知り合ったんですか?
 
真栄田:彼女も俺らと同じで沖縄出身なんですけど、コンパで知り合いました。そのコンパに来るはずの人が来られなくなって、嫁さんは代理で来てたの。でもアイちゃんて子が結構俺にアプローチしてくれてて、私はもう、今日はアイちゃんと…ってなってたんですよ。
 
内間:心は決めてたんだ、アイちゃんに。
 
真栄田:決めてた。で、アイちゃんと店を出て行こうとした時に、嫁さんが、俺の服の裾をグッと引っ張ったの。あなたはわたしと、って。そっからっすわ。
 

 
ーおお〜!その時から、もう奥様は真栄田さんのこと好きだったんですね。
 
真栄田:うん、デカい人が好きだって言ってた(笑)
 
内間:結局デカさか〜(笑)
 

 

左/CANYON Buffalo Leather
右/BARON Black
※ともに廃盤
 
 
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